ラスタ バンド

ラスタによっては、データの単一のバンドまたはレイヤ（単一の特性の単位）を持つものや、複数のバンドを持つものがあります。基本的に、バンドはセル値の単一のマトリックスによって表され、複数のバンドを持つラスタには、同じ空間エリアを表す同じ空間位置にあるセル値のマトリックスが複数含まれています。シングルバンド ラスタ データセットの例として、デジタル標高モデル（DEM）などがあります。DEM の各セルには、サーフェスの標高を表す 1 つの値が含まれています。さらに、パンクロマチックまたはグレースケール画像とも呼ばれる、シングルバンド オルソ画像を例に挙げることもできます。ほとんどの衛星画像は複数のバンドを持ち、一般には電磁波スペクトルの範囲またはバンド内の値を含んでいます。

シングルバンド ラスタ データセットを表示（レンダリング）する主な方法は 3 つあります。

• 2 色の使用: 2 値画像では、各セルは 0 または 1 の値を持ち、多くの場合は白と黒を使用して表示されます。一般に、区画マップなど、単純な線で構成されたスキャン地図を表示するときに、このタイプの表示が使用されます。
• グレースケール: グレースケール イメージでは、各セルは 0 ～ 255 または 65,535 などの値を持ちます。これらは白黒の航空写真でよく使用されます。
• カラーマップ: イメージ上で色を表す方法の 1 つとしてカラーマップがあります。一連の値は、既定の赤、緑、青（RGB）値と一致するように符号化されます。詳細については、「ラスタ データセット カラーマップの重要な概念」をご参照ください。

  次に、シングルバンド ラスタ データセットを表示する主な 3 つの方法を示します。

複数のバンドがある場合、すべてのセル位置に複数の値が関連付けられます。各バンドは、通常、センサーによって集められた電磁波スペクトルのセグメントを表します。これらのバンドは、赤外線や紫外線域といった目に見えない範囲を含め、電磁波スペクトルのすべてのセグメントを表すことができます。バンドという言葉は、電磁波スペクトルのカラー バンドに由来しています。

ラスタ イメージからマップ レイヤを作成する際には、データの単一のバンドを表示するか、複数のバンドの色を合成することができます。マルチバンド ラスタ データセットで利用可能なバンドの 3 つを任意に組み合わせて、RGB コンポジットを作成することができます。バンドを RGB コンポジットとして同時に表示すると、多くの場合は、1 つのバンドのみを操作する場合よりも多くの情報がデータセットから得られます。

たとえば、衛星画像には一般に、電磁波スペクトルの紫外線から可視光線を経て赤外線に至るまでのさまざまな波長域を表す複数のバンドがあります。また、Landsat の画像は、電磁波スペクトルの 7 つの異なるバンドから収集されたデータです。バンド 1 ～ 7 は、6 を含め、可視から近赤外線を経て中赤外線に至る範囲のデータを表します。バンド 6 は、熱赤外線からのデータを収集します。マルチバンド画像のもう 1 つの例としては、カラーのオルソ画像があります。カラーのオルソ画像には、赤、緑、青の光線を表す 3 つのバンドがあります。

複数のシングルバンド ラスタ データセットから、複数のバンドで構成された 1 つのラスタ データセットを作成する方法