ワークスペース フォルダとジオデータベースによる ArcGIS データの整理
ワークスペース フォルダとジオデータベースは、ArcGIS のための地理情報を格納し、管理するための主なコンテナです。ワークスペース フォルダはディスク上の単なるファイル フォルダで、さまざまなファイルやパーソナル ジオデータベース、ファイルベース データセット、そして一連の ArcGIS ドキュメントを保持します。
ArcMap の主なワークスペース フォルダは、各マップのホーム フォルダです。これは、マップ ドキュメントの格納、結果の保存、新しいデータセットの作成にデフォルトで使用する場所です。
ワークスペース フォルダには、さまざまなファイル形式の外部データセットとジオデータベースへの参照を保存することができます。たとえば、ファイル ジオデータベースの操作、ArcSDE ジオデータベースへの接続、および Esri シェープファイル、カバレッジ、JPEG 画像、DXF CAD ファイル、dBASE テーブル、Excel スプレッドシート、GML データ ファイルなどのデータ ファイルが含まれたフォルダの操作が可能です。
データセットと ArcGIS ドキュメントは、一連のファイル システム フォルダ(ワークスペース フォルダと呼ばれます)とジオデータベースに整理します。データセットをワークスペース フォルダごとにジオデータベースに整理すると、次の操作を行うためのメカニズムが得られるという利点があります。
- データセットへのアクセス制御
- データセットの更新および共有のためのトランザクション フレームワークの実現
- さまざまな地理データセットの整理、文書化、カタログ作成
一般的なコンテンツは以下のとおりです。
- ArcMap ドキュメント(*.mxd)
- ArcGlobe ドキュメント(*.3dd)
- レイヤ ファイル(*.lyr)
- Python スクリプト(*.py)
- 画像(*.jpg や *.tif など)
ArcGIS アプリケーションは、一連のドキュメントを使用して、ArcGIS で作成した作業を保存します。これらのドキュメントは、マップ、マップ エレメント、マップ レイヤ、グローブ、グローブ エレメント、およびジオプロセシング モデルがソフトウェア内でどのように管理され、使用されるかを定義します。たとえば、マップ ドキュメントは、マップに含まれるレイアウト エレメントと一連のマップ レイヤを指定します。また、GIS データセットを表示するために使用する表示プロパティも含まれます。マップ ドキュメントを作成したら、そのドキュメント名をダブルクリックして開き、使用することができます。マップ ドキュメントを開くと、選択したマップのための ArcMap アプリケーションが起動します。
各 ArcGIS ドキュメントは、ディスク フォルダにファイルとして保存されます。
ワークスペース フォルダでよく使用される ArcGIS ドキュメント
ドキュメント タイプ |
ファイル名拡張子 |
使用法 |
注意 |
---|---|---|---|
ArcMap ドキュメント |
.mxd |
ダブルクリックして ArcMap を開く。 |
マップ、マップ レイヤ、表示情報、その他 ArcMap で使用するエレメントが含まれたファイル。 |
マップ パッケージ | .mpk | ダブルクリックして ArcMap を開く。これは、マップとジオデータベースを他のユーザと共有したり、ArcGIS Online で共有したりするために使用されます。 | マップ ドキュメントとマップのコンテンツのジオデータベースです。マップ ドキュメントはすべての仕様を提供し、ジオデータベースはマップで使用される実際のデータを提供します。 |
ArcGlobe ドキュメント |
*.3dd |
ダブルクリックして ArcGlobe を開く。 |
ArcGlobe で使用するグローブ、そのレイヤ、3D 表示プロパティが含まれたファイルで、3D Analyst エクステンションの一部です。 |
ArcScene ドキュメント |
*.sxd |
ダブルクリックして ArcScene を開く。 |
ArcScene で使用する 3D シーン、そのレイヤ、3D プロパティが含まれたファイルで、3D Analyst エクステンションの一部です。 |
サービス定義 |
*.sd |
ArcGIS for Server を使ったサービスの公開に使用。 |
ArcMap で作成され、[サービス定義を保存] ウィンドウを使用して保存されます。 |
サービス定義のドラフト | *.sddraft | サービス定義のドラフトの保存に使用。 | ArcMap で作成され、[サービス定義を保存] ウィンドウを使用して保存されます。 |
レイヤ ファイル |
*.lyr |
ArcMap、ArcGlobe、ArcScene、ArcGIS Explorer にドラッグする。 |
レイヤは、ArcMap や ArcGlobe 内のデータセットを表示し、操作するための一連のルールです。レイヤ定義には、シンボルの割り当て、分類、ラベリング ルール、およびマップを使用するためのその他のプロパティが含まれます。 |
レイヤ パッケージ |
*.lpk |
ArcMap、ArcGlobe、ArcScene、ArcGIS Explorer にドラッグする。 |
レイヤ パッケージは、マップ レイヤとそのデータをまとめてパッケージにしたものです。レイヤ パッケージを使用して、データとそのカートグラフィの両方を共有します。 |
住所ロケータ ファイル |
*.loc |
ArcGIS でのジオコーディングに使用。 |
ロケータ データセットとルールは、ArcGIS での住所のジオコーディングに使用されます。Lロケータ は、ジオデータベース データセットのタイプであり、ジオデータベースとは別にディスク ファイルとして保存し、共有、使用できます。 |
ジオプロセシング ツールボックス |
*.tbx |
ツールボックスとして表示。ArcGIS for Desktop では、ジオプロセシング モデルとスクリプトを含むツールボックス フォルダが開きます。また、ジオプロセシング ツールを ArcGIS for Server で公開するためにも使用されます。 |
ツールボックス ファイルを使用して保存および共有されるジオプロセシング モデルのコレクション。 |
マップ投影法ファイル |
.prj |
各データセットとともに座標系として保存される。 |
データセットのための座標系およびマップ投影法情報。 |
ジオプロセシングおよび Python スクリプト |
*.py |
ジオプロセシングで使用。 |
ArcGIS でのジオプロセシングに使用される Python(*.py)スクリプトです。 |