プレイバック マネージャ

プレイバック マネージャは、Tracking Analyst でトラッキング データを再生して解析するために使用するツールです。

時間モード

Tracking Analyst には、リアルタイム モードおよび再生モードという、トラッキング データを表示する 2 つのモードがあります。デフォルトでは、Tracking Analyst はリアルタイム モードで起動し、[プレイバック マネージャ] ダイアログ ボックスが閉じているときは常にリアルタイム モードになります。リアルタイム モードでは、システム クロックと同じ時間をマップ上に表示するように設定されています。これは、リアルタイム トラッキング レイヤのデータをトラッキング サービスが受信したらマップ上にすぐに表示できるので便利です。リアルタイム モードで固定タイム トラッキング レイヤがマップ上に表示されるのは、それらのイベントが過去に存在している場合のみです。

Tracking Analyst は、[プレイバック マネージャ] ダイアログ ボックスが開いているときは再生モードになります。再生モードでは、マップ上に表示される時間がシステム クロックではなく、プレイバック マネージャによって制御されます。プレイバック マネージャでは、過去または未来の固定タイム トラッキング データに加え、リアルタイム トラッキング データも再生できます。

リアルタイム トラッキング データは、受信されると一時的にメモリに格納されます。リアルタイム トラッキング レイヤを表示している場合、[プレイバック マネージャ] ダイアログ ボックスを開くと、プレイバック マネージャを開いた時点までに受信したすべてのイベントを再生できます。プレイバック マネージャが開いている間に受信したリアルタイム トラッキング イベントはシステム メモリに保存され、プレイバック マネージャを閉じて再生モードを終了したときに、リアルタイム トラッキング レイヤが更新されます。

プレイバック マネージャを使用したデータの表示

プレイバック マネージャは、マップ上に表示される現在の時間を制御することにより、トラッキング データの表示を制御します。デフォルトでは、過去(現在の時間より前)のイベントのみがマップ上に表示されます。再生中は、時間の経過に従ってマップ上に表示されるイベントが増加します。ただし、Tracking Analyst によって提供されるシンボル オプションを使用すると、トラッキング データの再生をより興味深いものにすることができます。たとえば、タイム ウィンドウを使用して現在の時間の変化に従ってデータを選択して表示できます。また、トラッキング データの最新のイベントに対して特別なシンボルを定義することもできます。これにより、データ内の各トラック オブジェクトが、時間の経過に従ってマップ上を移動するところを表示できます。プレイバック マネージャと Tracking Analyst によって提供されるシンボル オプションに習熟すると、可能性が無限に広がることに気付かれるでしょう。

プレイバック マネージャを使用してデータを再生する方法の詳細

ヒントヒント:

プレイバック マネージャを使用する場合は、イベント属性のラベルなど複雑なシンボルを使用するとパフォーマンスが低下する可能性があることに注意してください。そのため、プレイバック マネージャを使用するときは、ラベリングの使用を最小限に抑えることをお勧めします。

注意注意:

プレイバック マネージャは、ArcMap のレイアウト ビューでは使用できません。

[プレイバック マネージャ] ダイアログ ボックス

プレイバック レート

プレイバック マネージャにおけるトラッキング データの再生速度は、プレイバック レートによって決まります。また、これによりデータ内を前後に移動する際の間隔も決まります。適切なプレイバック レートを選択するには、そのデータの特性について理解している必要があります。たとえば、トラッキング レイヤの時間範囲がわずか 1 時間である場合、1 秒あたり 1 日のプレイバック レートは機能しません。通常、適切なプレイバック レートは試行錯誤を繰り返すことで見つかります。

プレイバック レートは、[プレイバック レートの設定] テキスト ボックスおよびドロップダウン リストを使用して設定します。この設定をさらに調整するには、プレイバック マネージャの中央にある速度インジケータをクリックし、[遅い] または [速い] の方向にドラッグします。

プレイバック ウィンドウ

プレイバック ウィンドウは、[プレイバック マネージャ] ダイアログ ボックスで指定する開始時間と終了時間によって定義されます。データの再生は、プレイバック ウィンドウ内でのみ実行できます。プレイバック ウィンドウは、[開始][終了] のドロップダウン リストをクリックして、表示される日時を変更することによって手動で変更できます。また、[プレイバック ウィンドウを以下の範囲に設定] ドロップダウン リストを使用して、プレイバック ウィンドウをマップ ドキュメントのレイヤの時間範囲に設定することもできます。レイヤの時間範囲とは、データの最も古いイベントから最新のイベントまでの時間のことです。

プレイバック マネージャを最初に開いたときは、プレイバック ウィンドウはデフォルトでマップのすべてのトラッキング レイヤの時間範囲になります。プレイバック ウィンドウに行った変更は、プレイバック マネージャによって保存されます。プレイバック マネージャを使用した後に新しいトラッキング レイヤをマップに追加しても、新しいデータを含めるようにプレイバック ウィンドウが自動的に更新されることはありません。新しいレイヤをプレイバック ウィンドウに含めるには、すべてのテンポラル レイヤに時間範囲を設定してください。

開始時間、現在の時間、および終了時間の変更

現在の時間は、いくつかの方法で変更できます。[再生] ボタンを押すと、プレイバック ウィンドウの終わりに到達するまで、現在の時間が時間の進行に合わせて自動的に変更されます。データを再生していないときにヒストグラムの右にあるボタンを使用すると、設定された増分値ずつ現在の時間を前後に動かすことができます。指定の時間に移動するには、データ ヒストグラムをクリックするか、[現在] テキスト ボックスに新しい値を直接入力します。プレイバック マネージャでは、テキスト ボックスに現在の日時が常に表示されます。これを変更するには、テキスト ボックス(月、日、年、時、分、または秒)の設定のいずれかをクリックし、新しい値を入力します。また、上方向キーと下方向キーを使用して、これらの値を変更することもできます。ドロップダウン矢印をクリックすると、日付の設定に使用できるカレンダー オブジェクトが表示されます。[開始] および [終了] のテキスト ボックスに表示される開始時間と終了時間も、同様の方法で変更できます。

デフォルトでは、プレイバック マネージャに設定されている現在の時間は、データを累積的に表示するために使用する単一の時間です。[累積表示] チェックボックスをオフにすると、代わりにタイム ウィンドウを設定してデータを表示できます。

タイム ウィンドウの設定の詳細

データ ヒストグラム

[プレイバック マネージャ] ダイアログ ボックスの上部にあるパネルのデータ ヒストグラムは、指定したプレイバック ウィンドウに表示されたそれぞれの日時にどの程度のデータが存在するかを示します。ヒストグラムには、現在のプレイバック ウィンドウ内のデータのみが表示されます。ヒストグラム内の赤い日時インジケータは現在の時間を表します。データを再生していないときは、ヒストグラム上の任意のポイントをクリックして、現在の時間をクリック位置と同じ時間に設定できます。赤い日時インジケータが、クリックした位置の時間に移動します。また、ヒストグラム内で赤い日時インジケータをクリックして前後にドラッグし、現在の時間を変更することもできます。マップ表示は絶えず最新の情報に更新されるため、データを手動で再生したり、逆再生することができます。

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5/10/2014