ArcGIS での TIN 三角形分割法についての基礎
ArcGIS は、ドローネ三角形分割法をサポートしています。ドローネ三角形分割法は、ネットワーク内のどの三角形の外接円の内部にも他の頂点がないことを保証します。ドローネ基準が TIN 上のどこでも満たされる場合、すべての三角形の最小の内角は最大化されます。その結果、細長い三角形は最大限回避できます。
ArcGIS 10 では、制限付きドローネ三角形分割法が TIN の生成のために導入されました。
制限付きドローネ三角形分割法
制限付きドローネ三角形分割法は、ブレークライン以外のすべての場所でドローネ規則に従います。
従来のドローネ三角形分割法を使用する場合は、分割結果の TIN がドローネ基準に確実に適合するように、ブレークラインはスタイナー(圧縮)ポイントを使用してソフトウェアによって高密度化されます。この制約のために、1 つの入力ブレークライン セグメントから複数の三角形エッジが生じることがあります。制約付きドローネ三角形分割法を使用すると、高密度化がまったく発生しないため、各ブレークライン セグメントは単一エッジとして追加されます。
TIN に制限付きプロパティを設定しても、三角形分割の既存の状態は変わりません。それ以降に行われる処理のみが制御されます。このため、制限付き三角形分割法のプロパティを設定する前にブレークラインが追加されていた場合、これらのフィーチャはそのまま変更されません。これらのブレークラインを適用するために追加された高密度化ポイントは削除されません。
TIN に対して制限付きプロパティを設定した後、その設定を解除する方法はありません。制限付き TIN をドローネ基準に適合する TIN に変換したり、ドローネ基準に適合する TIN として保存することはできません。
ドローネまたは制限付きドローネのどちらを使用するか
ドローネ基準に適合する三角形分割法は、制限付き三角形分割法よりも推奨されます。この理由は、作成される TIN に含まれる、サーフェス解析に適さない細長い三角形の数が少なくなると考えられるからです。また、Natural Neighbor 内挿法とティーセン(ボロノイ)ポリゴンの生成は、ドローネ基準に適合する三角形分割に対してのみ実行できます。
三角形分割によって変更されない(つまり、複数のエッジに分割されない)ことが保証されるエッジを明示的に定義する必要があるときには、制限付きドローネ三角形分割法の使用を検討できます。
制限付きドローネ三角形分割法は、TIN のサイズを最小限にするためにも便利です。これは、ブレークラインが高密度化されないためにノードおよび三角形の数が少なくなるからです。