ArcGIS での Microsoft Excel ファイルの使用方法の概要
Microsoft Office Excel テーブルは ArcGIS で直接開くことができ、他の表形式のデータ ソースと同じように操作することができます。たとえば、それらを ArcMap に追加して、ArcCatalog で表示し、ジオプロセシング ツールへの入力として使用することができます。
Excel ファイルは、[データの追加] ダイアログ ボックスを通じて、ArcMap に他のデータと同様に追加されます。Excel ファイルを閲覧する際には、開くテーブルを選択する必要があります。たとえば、Sales_Figures.xls という名前の Excel ワークブックがあり、[売上高]、[月]、[累計] の 3 つのワークシートが含まれているとします。これらのワークシートは、ArcGIS で別々のテーブルとして扱われます。Excel で定義されているセルまたは範囲を参照する名前は、ArcGIS でも維持されます。
ArcGIS からワークシートにアクセスすると、ワークシートは名前の最後にドル記号($)が付いたテーブルとして表示されますが、範囲の名前にドル記号は付きません。ワークシートや範囲の名前にスペースが含まれている場合は、テーブル名が単一引用符(')で囲まれます。
ArcMap に追加されたワークシートは、コンテンツ ウィンドウの [ソース] ビューからテーブルとして開くことができます。ただし、テーブルを編集したり、レコードを Excel 形式でエクスポートすることはできません。
次の例は、複数シートのドキュメントを Microsoft Excel で表示した場合と、ArcMap の [データの追加] ダイアログ ボックスで表示した場合を示しています。
- Excel ウィンドウの下部にあるシート タブ バーに表示された 3 つのワークシート
- ArcMap の [データの追加] ダイアログ ボックスに、受注報告(Sales_Figures)ワークブックに含まれているワークシートが表示されます。
Microsoft Office Excel ファイルを操作する際には、注意しなければならない点がいくつかあります。
- ArcGIS では、Excel 2003 およびそれ以前の *.xls ファイルと Excel 2007 の *.xlsx ファイルの両方がサポートされます。Excel 2007 の 1 つの利点は、Excel 2003(65,536 行 x 256 列)よりもはるかに大きなワークシート(1,048,576 行 x 16,384 列)を使用できることです。
- ArcGIS で使用したい *.xlsx ファイルがあり、Excel 2007 がインストールされていない場合は、2007 Office システム ドライバをインストールする必要があります。Microsoft Download Center からダウンロードできます。Microsoft Excel 2010 をご使用か、または Microsoft Excel をインストールしていない場合、*.xls または *.xlsx ファイルを使用する前に 2007 ドライバをインストールする必要があります。
- Excel テーブルは、ArcGIS では読み取り専用です。ArcGIS でワークブックを開いていると、Excel でも読み取り専用となります。
- フィールド名は、ワークシートの各列の最初の行から取得されます。[テーブル プロパティ] ダイアログ ボックスの [フィールド] タブで、プロパティの表示、フィールド名のエイリアスの設定、フィールドの表示/非表示の設定を行うことができます。
- Excel は、標準的なデータベースとは異なり、データの入力時に値のフィールド タイプを強制しません。このため、ArcGIS で表示するフィールド タイプの決定に、Excel で指定されているフィールド タイプは使用されません。代わりに、先頭から 8 つの行でフィールドの値をスキャンすることにより、ArcGIS でのデータ タイプが決定されます。このスキャンにより、1 つのフィールドから複数のデータ タイプが検出された場合、そのフィールドは文字列フィールドとして返され、値は文字列に変換されます。
- 数値フィールドは、ArcGIS の double データ タイプに変換されます。
- Excel テーブルの振舞いは、他のObjectID フィールドを持たないテーブルと同様です。これは、マップ上での編集、リレートの実行、または選択が不可能であることを意味します。
- ArcGIS での Excel ファイルのサポートには、Microsoft OLE DB Provider for Jet 4.0 とサポートされている Excel ISAM(Indexed Sequential Access Method)が使用されます。Microsoft OLE DB Provider for Jet 4.0 と Excel ISAM のサポートの詳細については、Microsoft KB article 326548 をご参照ください。
- ジオプロセシング モデル & スクリプト ツール ギャラリーの [Excel にエクスポート(Export To Excel)] ツールを使用して Excel に直接エクスポートすることができます。また表形式のデータを dBASE フォーマットにエクスポートすることも可能です。そのファイルを Excel 97/2003 で開き、*.xls ファイルとして保存することができます。マイクロソフトは Office 2007 では *.dbf ファイルをサポートしません。
- OLE DB データベース コネクション経由で Excel ファイルを開くこともできます。
ArcCatalog の [カスタマイズ] メニュー → [ArcCatalog オプション] ダイアログ ボックスの [ファイル タイプ] ブで、あらかじめ ArcCatalog 上で *.xls ファイルの表示指定を追加している場合、直接 Excel ファイルにアクセスするには、この表示指定を削除する必要があります。