ジオプロセシング サービスの例:データの選択
フォルダ |
SelectingData |
目的 |
属性検索または位置検索によってデータを選択するさまざまな方法を示します。 |
サービス |
|
ジオプロセシング タスク |
SelectAndMail、SelectAndPrint |
入力 |
モデルによって異なります。通常は、クエリ文字列またはフィーチャ セットです。 |
出力 |
選択されたデータのフィーチャクラス、テキスト、および PDF ファイル |
データ |
カンザス州、マンハッタン市の地域のデータセット |
エクステンション |
なし |
これらのサービスについて
ジオプロセシング サービスに共通するタスクの 1 つは、属性検索または空間検索に基づいてデータのサブセットを選択することです。もう 1 つの共通するタスクは、結果を容易に配布できるようにするために、サービスをさまざまな形式で出力することです。この例で示すモデルは、これら 2 つのタスクを組み合わせています。これらのモデルで使用される主要なジオプロセシング ツールは [属性検索(Select Layer By Attribute)] と [空間検索(Select Layer By Location)] です。これらのツールは、レイヤを入力として受け取ります。それらの出力は、選択されたフィーチャが含まれた、更新された入力レイヤです。2 つのスクリプト ツールが、選択されたフィーチャの出力に使用されます。スクリプトの 1 つは、選択されたフィーチャ テーブルの属性と値をテキスト ファイルとして出力し、もう 1 つは、選択されたフィーチャ マップを PDF ファイルとして出力します。
この例では、[SelectParcel.tbx] ツールボックスを操作します。[SelectParcel.tbx] には、2 つのツールセット、[SelectScripts] および [SelectModels] が含まれています。[SelectScripts] には、次の 2 つのスクリプト ツールが含まれています。
- [MailTable] は、パーセル レイヤを入力として受け取り、選択された各フィーチャのパーセル ID と住所をテキスト ファイルに出力します。
- [PrintMap] は、ArcMap ドキュメント、データ フレーム、レイヤ名、レイヤのソースを入力として受け取り、マップ ドキュメントのコンテンツを PDF ファイルにエクスポートします。
- [SelectAndMail] は、入力パーセル ID の検索距離の範囲内に含まれるすべてのパーセルの選択を示し、[MailTable] スクリプト ツールを使用して選択結果をテキスト ファイルに出力します。
- [SelectAndPrint] は、[SelectAndMail] モデルと [PrintMap] スクリプト ツールを組み合わせて選択し、選択したフィーチャを PDF ファイルに出力します。
データ
このデータは、カンザス州、マンハッタン市の狭い地域のデータです。この例のデータは、ArcGIS.com からダウンロードできます。ダウンロードしたら、その zip ファイルを C:\arcgis\ArcTutor\ に解凍します。この例で使用されるジオデータベースは、GP Service Examples\SelectingData\ToolData\ManhattanKS.gdb です。
モデルの概要
SelectAndMail モデル
[SelectAndMail] モデルの最初のいくつかのプロセスを、以下の図に示します。このモデルには、パーセル プロジェクト データ変数およびパーセル ID 変数(モデル パラメータ)が含まれます。パーセル IDは、[属性検索(Select Layer By Attribute)] ツールの [条件式] パラメータで使用されます。このパラメータは、変数置換を使用して条件式を作成します。この条件式によって、パーセル ID 変数の値と一致する PID 属性を持つフィーチャが選択されます。
必須ではありませんが、変数を置換するプロセスの前提条件として、変数置換で変数を使用することをお勧めします。次の手順に従って、前提条件を作成します。
- ModelBuilder でツールを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
- [前提条件] タブをクリックします。
- ツール実行の前提条件として 1 つ以上の変数を選択します。
[属性検索(Select Layer By Attribute)] ツールと [空間検索(Select Layer By Location)] ツールの両方には、選択タイプのオプションがいくつか用意されています。たとえば、上記の [属性検索(Select Layer By Attribute)] ツールは、デフォルトの [NEW_SELECTION] を使用します。現在選択されているフィーチャの追加、削除などを行う、この他の選択タイプを使用することもできます。
[空間検索(Select Layer By Location)] ツールでは、CONTAINS、WITHIN、INTERSECT などの空間リレーションシップを確立することができます。[SelectAndMail] モデルは、以下の図に示すように、INTERSECT を使用します。
[SelectAndMail] モデルの残りのプロセスを、以下の図に示します。[空間検索(Select Layer By Location)] の出力は、[フィーチャのコピー(Copy Features)] を使用して 選択されたパーセル フィーチャクラスにコピーされます。選択されたパーセルは、[MailTable] スクリプト ツールへの入力として使用されます。このスクリプト ツールは、パーセル ID と住所を Output.txt テキスト ファイルに出力します。
SelectAndPrint モデル
SelectAndPrint モデルは、SelectAndMail モデルと PrintMap スクリプト ツールを組み合わせて選択し、選択したフィーチャを PDF ファイルとして出力します。SelectAndMail モデルの出力は、選択されたパーセルです。この出力は、[PrintMap] スクリプト ツールの入力として使用されます。[PrintMap] には、以下の図で示すように、入力パラメータの [マップ]、[データ フレーム]、[レイヤ]、[データ ソース]、[ワークスペース タイプ]、および出力パラメータの [出力 PDF] の値を指定する必要があります。
ArcGIS Server への接続の確立
サーバを公開する権限があることを確認してください。権限がある場合、以下の手順に従って、サーバの公開用または管理用の接続を確立します。
- カタログ ウィンドウで、[GIS Servers] → [ArcGIS Server サーバの追加] に移動し、ArcGIS for Server ウィザードを開きます。
- [GIS サービスを公開する] または [GIS サーバを管理する] をオンにし、[次へ] をクリックして [一般] ウィンドウを開きます。
- [一般] ウィンドウで [サーバの URL] の値を入力し、認証用の [ユーザ名] と [パスワード] を指定します。
- [完了] をクリックすると、接続が完了します。
[GIS サーバ] の下に、サーバ接続が表示されます。
マップ サービスの共有
以下の手順に従って、参照マップとして使用されるマップ サービスを作成します。
- カタログ ウィンドウで、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\SelectingData に移動します。
- ParcelBaseMap.mxd を開きます。
- [ArcMap] プルダウン メニューから、[ファイル] → [共有] → [サービス] の順に選択します。[サービスとして共有] ウィザードが開きます。
- [サービスを公開] のラジオ ボタンをオンにして、[次へ] をクリックします。
- ArcGIS Server への接続を指定します。ParcelBaseMap サービスに名前を付けます。[次へ] をクリックします。
- デフォルトの [ルート] フォルダを選択するか、別のフォルダを選択し、[続行] をクリックしてサービス エディタを開きます。
- [サービス エディタ] ウィンドウで、[ケーパビリティ] をクリックし、すべてのオプションを表示します。デフォルトでは、[マッピング] と [KML] がオンになっています。[KML] をオフにします。
- [アイテム説明] をクリックし、必須フィールドの [サマリ] と [タグ] にコンテンツを入力します。
- [統計情報の更新] をクリックします。
- [準備] ウィンドウに警告 またはエラー メッセージが表示された場合、それらのメッセージを含む行を右クリックし、ハイライト表示されたメッセージをクリックすることで、警告またはエラーを修正できます。
- 準備が整ったら、[公開] をクリックしてサービスを公開します。
サービスが公開されると、成功のメッセージが表示されます。前のセクションで作成したサーバ接続が更新されると、サーバ接続の下にマップ サービスが表示されます。
ジオプロセシング サービスの共有
SelectAndMail ツールの実行と結果の共有
- カタログ ウィンドウで、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\SelectedParcelMap に移動します。このディレクトリから実行しない場合は、このディレクトリをコピーしてローカル ディレクトリに貼り付けます。
- SelectAndMail.mxd を開きます。
-
カタログ ウィンドウで、ホーム を参照します。[SelectParcel.tbx] の [モデル] ツールセットを展開し、[SelectAndMail] をダブルクリックしてツール ダイアログ ボックスを開きます。
- 最初の [パーセル ID] パラメータには、選択対象の ID を設定するか、デフォルト値を使用することができます。
- [検索距離] パラメータには、距離と単位を設定するか、デフォルト値を使用することができます。
- [選択されたパーセル] パラメータには、専用の出力パスを設定するか、デフォルト値を使用することができます。このパスには、選択されたパーセルのフィーチャクラスが保存されます。
- [出力テキスト] パラメータには、専用の出力テキストのパスを設定するか、デフォルト値を使用することができます。このパスには、パーセル ID と住所の値を表示するテキスト ファイルが保存されます。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
- [結果] ウィンドウが開かれていない場合、[ArcMap] プルダウン メニューで、[ジオプロセシング] → [結果] の順にクリックします。
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[結果] ウィンドウの [現在のセッション] ノードで、上記の手順で作成した [SelectAndMail] の結果を確認します。
結果には、モデル ツール アイコン が表示されます。エラー が表示された場合は、結果を展開し、[メッセージ] ノードに含まれるエラー メッセージを読み、正しい結果が得られるまで修正とツールの実行を繰り返します。
出力テキスト ファイルの内容を確認するには、[結果] ウィンドウ内の結果を展開し、[出力テキスト] をダブルクリックして、デフォルトのテキスト エディタでファイルを開きます。
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モデルのタスクをジオプロセシング サービスとして共有するには、以下の手順を実行します。
- [結果] ウィンドウで結果を右クリックし、[共有] → [ジオプロセシング サービス] の順に選択します。
- [サービスとして共有] ウィンドウが開き、3 つのオプションが表示されます。[サービスを公開] オプションをオンにして [次へ] をクリックします。
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[接続の選択] で、確立済みのサーバ管理接続を選択し、[サービス名] にサービス名を入力します。[次へ] をクリックします。
[サービス名] を入力するときに、デフォルトの名前「SelectAndMail」のままにした場合、サービス名とタスク名は同じになります。サービス名とタスク名を別にする場合は、他のサービス名を入力します。
- [既存のフォルダを使用] または [新規フォルダの作成] のいずれかを選択し、[続行] をクリックして [サービス エディタ] ウィンドウを開きます。
- [サービス エディタ] の左側のペインで、[パラメータ] をクリックします。[サービス エディタ] の右側のペインで、[プロパティ] の下の [サーバが返すレコードの最大数] に移動します。出力フィーチャ数が 1000 を超える場合があるため、デフォルト値の 「1000」 を 「2000」 に変更します。
- [サービス エディタ] の右上隅にある [公開] をクリックします。[サーバへのデータのコピー] ウィンドウが表示され、[パーセル] レイヤがサーバにアップロードされることが示されます。[OK] をクリックします。
- [処理中のパッケージ] と [使用中のパッケージ] の 2 つのウィンドウが表示されます。公開が完了した場合、これらのウィンドウに続いて [サービスが正常に公開されました] のメッセージを示す [完了] ウィンドウが表示されます。[OK] をクリックして、公開プロセスを終了します。
SelectAndPrint の実行と結果の共有
- カタログ ウィンドウで、C:\arcgis\ArcTutor\GP Service Examples\SelectedParcelMap に移動します。このディレクトリから実行しない場合は、このディレクトリをコピーしてローカル ディレクトリに貼り付けます。
- SelectAndPrint.mxd を開きます。
-
カタログ ウィンドウで、ホーム を参照します。[SelectParcel.tbx] の [モデル] ツールセットを展開し、[SelectAndPrint] をダブルクリックしてツール ダイアログ ボックスを開きます。
- 最初の [パーセル ID] パラメータには、選択対象の ID を設定するか、デフォルト値を使用することができます。
- [検索距離] パラメータには、距離と単位を設定するか、デフォルト値を使用することができます。
- [選択されたパーセル] パラメータには、専用の出力パスを設定するか、デフォルト値を使用することができます。このパスには、選択されたパーセルのフィーチャクラスが保存されます。
- [出力 PDF] パラメータには、専用の出力 PDF ファイルのパスを設定するか、デフォルト値を使用することができます。このパスには、選択されたパーセルを PDF 形式のマップ ファイルとして保存できます。
- [OK] をクリックして、このツールを実行します。
- [結果] ウィンドウが開かれていない場合、[ArcMap] メイン メニューで、[ジオプロセシング] → [結果] の順にクリックします。
-
[結果] ウィンドウの [現在のセッション] ノードで、上記の手順で作成した [SelectAndPrint] の結果を確認します。
結果には、モデル ツール アイコン が表示されます。エラー が表示された場合は、結果を展開し、[メッセージ] ノードに含まれるエラー メッセージを読み、正しい結果が得られるまで修正とツールの実行を繰り返します。
出力 PDF ファイルの内容を確認するには、[結果] ウィンドウ内の結果を展開し、[出力 PDF] をダブルクリックしてファイルを開きます。
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モデルのタスクをジオプロセシング サービスとして共有するには、以下の手順に従います。
- 前の手順で実行したモデル ツール アイコンを右クリックし、[共有] → [ジオプロセシング サービス] の順に選択します。
- 3 つのオプションを含む [サービスとして共有] ウィンドウが表示されます。[サービスを公開] オプションをオンにして [次へ] をクリックします。
-
[接続の選択] で、確立済みのサーバ管理接続を選択し、[サービス名] にサービス名を入力します。[次へ] をクリックします。
[サービス名] を入力するときに、デフォルトの名前「SelectAndPrint」のままにした場合、サービス名とタスク名は同じになります。サービス名とタスク名を別にする場合は、他のサービス名を入力します。
- [既存のフォルダを使用] または [新規フォルダの作成] のいずれかを選択し、[続行] をクリックして [サービス エディタ] ウィンドウを開きます。
- [サービス エディタ] の右上隅にある [公開] をクリックします。[サーバへのデータのコピー] ウィンドウが表示され、[パーセル] レイヤと [SelectAndPrint.mxd] マップ ファイルがサーバにアップロードされることが示されます。[OK] をクリックします。
- [処理中のパッケージ] と [使用中のパッケージ] の 2 つのウィンドウが表示されます。公開が完了した場合、これらのウィンドウに続いて [サービスが正常に公開されました] のメッセージを示す [完了] ウィンドウが表示されます。[OK] をクリックして、公開プロセスを終了します。
マップ サービスとジオプロセシング サービスの使用
以下の手順では、前の手順で公開した ParcelBaseMap マップ サービスおよび 2 つのジオプロセシング サービス、[SelectAndMail] と [SelectAndPrint] の使用方法について示します。
SelectAndMail サービスの使用
- 新しい ArcMap ドキュメントを開きます。
-
カタログ ウィンドウでの操作
- [GIS Servers] の下のサーバ接続に移動し、[ParcelBaseMap] マップ サービス を選択して、ArcMap のコンテンツ ウィンドウへドラッグします。
- コンテンツ ウィンドウでマップ サービスを展開し、パーセル レイヤを表示します。
- カタログ ウィンドウで、[GIS Servers] の下のサーバ接続に移動し、前のセクションで公開した [SelectAndMail] ジオプロセシング サービスを見つけます。サービスを展開すると、[SelectAndMail] タスクが表示されます。
- [SelectAndMail] タスクをダブルクリックして、そのタスクのダイアログ ボックスを開きます。
- パラメータの値をデフォルトのままにするか、独自の値を指定し、[OK] をクリックしてタスクを実行します。
- 出力ファイル [出力] が、テーブルとしてコンテンツ ウィンドウに追加されます。
- [結果] ウィンドウを確認します。[現在のセッション] のセッションと [SelectAndMail] タスクの下に、出力テキストファイルが表示されます。
- 結果の 出力テキストファイルをダブル クリックして開きます。選択されたパーセルのパーセル ID および住所についての属性および値を含む内容が表示されます。
SelectAndPrint サービスの使用
- 新しい ArcMap ドキュメントを開きます。
-
カタログ ウィンドウでの操作
- [GIS Servers] の下のサーバ接続に移動し、[ParcelBaseMap] マップ サービス を選択して、ArcMap のコンテンツ ウィンドウへドラッグします。
- コンテンツ ウィンドウでマップ サービスを展開し、パーセル レイヤを表示します。
- カタログ ウィンドウで、[GIS Servers] の下のサーバ接続に移動し、前のセクションで公開した [SelectAndPrint] ジオプロセシング サービスを見つけます。サービスを展開すると、[SelectAndPrint] タスクが表示されます。
- [SelectAndPrint] タスクをダブルクリックして、そのタスクのダイアログ ボックスを開きます。
- パラメータの値をデフォルトのままにするか、独自の値を指定し、[OK] をクリックしてタスクを実行します。
- [結果] ウィンドウを確認します。[現在のセッション] のセッションと [SelectAndPrint] タスクの下に、出力 PDF ファイルが表示されます。
- 結果の 出力 PDF ファイルをダブルクリックして開きます。選択されたパーセルを示すマップファイルが、PDF 形式で表示されます。