ArcMap での交通量サービスの利用

ArcGIS for Desktop を [Ready-To-Use Services] に接続すると、交通量および交通インシデントを ArcMap で表示できるようになります。

マップでの交通量レイヤの表示

手順:
  1. ベースマップまたはその他の参照データを ArcMap に追加し、対象地域(大都市エリアなど)を拡大します。
  2. [標準] ツールバーの [カタログ] ボタン カタログ をクリックして、カタログ ウィンドウを開きます。
  3. [Ready-To-Use Services] [交通量] [World] の順に展開します。
  4. [交通量] マップ サービス マップ サービス を、カタログ ウィンドウからマップまたは [コンテンツ] ウィンドウにドラッグします。

    通常、交通量と交通インシデントはマップ上に描画されます。どちらも表示されない場合は、このトピックの以降のセクションを参照して、これらが描画されない理由を確認してください。

交通量の描画動作

このセクションでは、ArcMap でマップのナビゲートや設定の変更を行ったときに、交通量レイヤの描画動作がどのように変化するかを説明します。このセクションは、実際に表示される内容を理解して描画動作を予測するのに役立ちます。これらを理解することで、必要な交通量情報を表示できるようになります。

マップの縮尺

[コンテンツ] ウィンドウで [World/Traffic] レイヤのチェックボックスがオンになっていても、交通量が表示されない場合があります。チェックボックスをオンにする以外に、次の条件も満たしている必要があります。

  • 表示しているマップ範囲が、交通量データを利用可能な地域をカバーしている。交通量データが提供されている地域を確認してください。

    交通量データを利用できるほとんどの国では、データは国内の広い範囲をカバーしています。ただし、国によっては一部の範囲しかカバーされていません。交通量データが用意されているエリアを表示するには、画面移動が必要となる場合があります。

  • マップの縮尺が 1:10,000,000 を超えている。

    交通量および交通インシデントの描画が開始される実際の縮尺は、地域によって異なります。ただし、拡大率が 1:10,000,000 を超えると、いずれの地域でも(交通量データが含まれていれば)描画が開始されます。この縮尺ではまず幹線道路のみが描画され、拡大率を上げるほど下位の道路でも交通量が表示されます。

拡大するに従って、主要な道路の交通量、続いて生活道路の交通量データが描画されます。拡大率がある縮尺を超えると、高速道路の交通量は、両方向の交通状況を確認できるように分離して表示されるようになります。

マップ上での拡大に応じた交通量の描画の変化

交通インシデントもグループに分けられ、縮尺に応じて描画されます。縮尺が小さいほど、より重大なインシデントが描画されます。大きな縮尺に拡大するほど、重大度の低いインシデントが重大なインシデントとして描画されるようになります。

時間

交通量は動的で、時間とともに変化します。デフォルトでは、マップ上では時間が無効です。時間が無効な場合、交通量レイヤには現在の交通状況が表示されます。

マップ上へのライブ交通量の表示(時間が無効な場合)

交通状況の履歴または予測を表示するには、マップで時間を有効にし、タイム スライダを使用して日時を設定します。詳細な手順を次に示します。

手順:
  1. [World/Traffic] レイヤで時間を有効にします。
    1. レイヤを右クリックして、[プロパティ] を選択します。
    2. [時間] タブをクリックします。
    3. [このレイヤで時間を有効にする] をオンにします。
    4. [OK] をクリックします。
  2. [ツール] ツールバーにある [タイム スライダ] ボタン タイム スライダ をクリックし、[タイム スライダ] を開きます。自動的にマップ上で時間が有効になります。
  3. [タイム スライダ] ダイアログ ボックスで、表示しているエリアに一致するようにタイム ゾーンのプロパティを設定します。
    1. [オプション] ボタン オプション をクリックします。

      [タイム スライダ オプション] ダイアログ ボックスが表示されます。

    2. [時間表示] タブをクリックします。
    3. [タイム ゾーン] で、[タイム スライダ] ダイアログ ボックスの値が表すタイム ゾーンを選択します。
    4. [サマータイムを適用] をオンにします。
    5. [OK] をクリックします。
  4. タイム スライダを、交通状況を表示する日時に設定します。テキスト ボックスに時刻と日付を入力するか、ポインタを適切な位置にスライドします。

    注意注意:

    入力する時刻と日付は、[タイム スライダ オプション] ダイアログ ボックスで設定したタイム ゾーンが基準になります。タイム スライダで設定されているタイム ゾーンと、マップでズームしたエリアのタイム ゾーンが異なる場合は、誤解を招く結果となります。

    たとえば、[タイム スライダ オプション] ダイアログ ボックス上のタイム ゾーンが東部標準時(EST)に設定されているときに、ロサンゼルス(太平洋標準時: PST)の交通量を確認しているとします(太平洋標準時は、EST より 3 時間遅れています)。タイム スライダを午前 8:00 に移動すると、マップには太平洋標準時(PST)で午前 5:00 のロサンゼルスの交通状況が表示されます。

    PST で午前 8:00 の交通量を表示するには、自分で時差を調整してタイム スライダを(午前 11:00 に)設定するか、ArcMap で表示するエリアと一致するように [タイム スライダ オプション] ダイアログ ボックスでタイム ゾーンを変更します。ほとんどの場合は、タイム ゾーンを変更する方が便利です。

  5. 交通量を現在の時間で再表示するには、タイム スライダを現在の日付と時間に設定します。たとえば、[タイム スライダ] ダイアログ ボックスの [ライブ モード] ボタン ライブ モード をクリックするか、マップで時間を無効にします。時間を無効にするには、[マップ上の時間を無効にする] ボタン マップの時間を無効化(Disable time on map) をクリックします。

    ライブ交通量を表示する場合は、タイム ゾーンが完全に無視されるため、マップ上の時間を無効にすることをお勧めします。ライブ モードでは、タイム スライダが参照するタイム ゾーンとユーザのタイム ゾーンが異なっていると、混乱の原因となる場合があります。

ライブ交通量および予測交通量を履歴交通量より優先する

交通量サービスで利用できる交通量には、履歴、ライブ、および予測の 3 種類があります。

履歴交通量は平均に基づき、特定の時間帯や曜日における交通量を推定する場合に適しています。サービス用の履歴交通量データを作成する際は、1 週間の期間を 5 分間隔に分割し、各間隔について数週分の移動速度を収集して、それぞれの間隔の平均速度を計算しています。結果として、1 つの道路について 5 分間隔で変化する移動速度が 1 週間分得られます。

ライブ交通量では、道路に沿って設置されたセンサ、携帯電話、およびその他のソースから収集された情報を基に、現在の移動速度が測定されます。速度が収集されてから交通量サービスで処理および配信されるまでに、わずかな(最大 15 分の)時間差があります。処理された実際の速度の交通量レコードは、過去 12 時間まで利用できます。タイム スライダを 12 時間より前に移動すると、レイヤには履歴交通量が表示されます。

予測交通量では、ライブ交通量とその他の情報(天候、イベント、休日かどうか、履歴交通量など)から、移動速度の予測を行います。現在は、12 時間後までの予測交通量を利用できます。予測方法の改善により、この期間は今後長くなる可能性があります。12 時間を過ぎると、描画される交通量は履歴交通量データに戻ります。

履歴交通量データでは、ライブ交通量や予測交通量よりも多くの道路がカバーされます。ライブ交通量および予測交通量を利用可能な時間の範囲内で交通量を表示する場合は、履歴交通量を含めることで、より多くの交通量を表示できます。これがデフォルトの描画設定です。ライブ交通量と予測交通量だけを表示することもできます。たとえば、北米の場合は、[コンテンツ ウィンドウ][World/Traffic] [North America] [North America Traffic] の順にレイヤを展開します。[Traffic] チェックボックスをオフにし、[Live Traffic] チェックボックスをオンにします。

[World/Traffic] レイヤでリストに表示されているその他の地域でも、同じ手順でライブ交通量と予測交通量だけを表示できます。タイム スライダで設定した予測またはライブ交通量アーカイブが 12 時間を超えている場合は、ライブ交通量レイヤに交通量が表示されないことに注意してください。

再度、履歴交通量、ライブ交通量、および予測交通量を同時に表示するには、[Live Traffic] チェックボックスをオフにし、[Traffic] レイヤをオンにします。

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5/28/2014