Python スクリプトを使用したバージョンのバッチ リコンサイルとポスト
ArcGIS ジオデータベース管理者は、Python スクリプトを使用して、通常は複数のジオプロセシング ツールを使用して実行する多数のタスクを自動化できます。このトピックでは、管理者が夜間にスケジュールされたバージョンのリコンサイルを実行するプロセスについて説明します。
管理者の多くは、リコンサイルを実行する際に、他のユーザがデータベースに接続していないかどうかを確認します。ArcPy 関数 ListUsers と DisconnectUser を使用すると、ジオデータベースに接続しているユーザを管理者だけにすることができます。
接続しているユーザの検索
まず、ListUsers 関数を使用して、ジオデータベースに接続しているユーザを特定します。ListUsers 関数を実行するには、ジオデータベース管理者で接続する必要があります。
# get a list of connected users.
userList = arcpy.ListUsers("Database Connections/admin.sde")
接続しているユーザのリストの解析
接続しているユーザのリストを取得したら、ジオデータベースへの接続を切断する必要があることをそれらのユーザに通知できます。これを行うには、ユーザおよびユーザに関連付けられた電子メール アドレスのリストを取得します。
この例では、説明を簡略化するため、ジオデータベースに接続している各ユーザが、それぞれの電子メール アドレスと同じベース名を持つと見なしています。電子メール アドレスを決定する方法は、この例とは異なる方法に変更できます。
# get a list of user names from the list of named tuples returned from ListUsers
userNames = [u.Name for u in userList]
# take the userNames list and make email addresses by appending the appropriate suffix.
emailList = [name + '@company.com' for name in userNames]
電子メールの生成と送信
電子メールのリストを使用して、Python からそれらのユーザに電子メールを送信し、ジオデータベースへの接続を切断する必要があることを知らせます。この例では、Python の smtplib モジュールを使用しますが、標準以外のモジュールを使用して電子メールを送信する方法もあります。
import smtplib
SERVER = "mailserver.yourcompany.com"
FROM = "SDE Admin <python@yourcompany.com>"
TO = emailList
SUBJECT = "Maintenance is about to be performed"
MSG = "Auto generated Message.\n\rServer maintenance will be performed in 15 minutes. Please log off."
# Prepare actual message
MESSAGE = """\
From: %s
To: %s
Subject: %s
%s
""" % (FROM, ", ".join(TO), SUBJECT, MSG)
# Send the mail
server = smtplib.SMTP(SERVER)
server.sendmail(FROM, TO, MESSAGE)
server.quit()
ジオデータベースへの接続のブロック
ArcPy 関数 AcceptConnections をスクリプトで使用して、ジオデータベースへの接続をブロックします。この関数は、Python スクリプトでのみ使用できます。
これによって、新しいユーザがジオデータベースに接続するのを防ぎます。既存の接続は、切断されません。
#block new connections to the database.
arcpy.AcceptConnections('Database Connections/admin.sde', False)
このメンテナンスを実行するために、データベースへの接続を禁止したり、すべてのユーザを切断したりする必要はありません。組織がすべての接続の切断に対応できる場合、圧縮プロセスをより効率的に実行できます。
スクリプトの一時停止
接続を切断する前にユーザに作業を完了させる時間を与えるために、スクリプトを 15 分間一時停止する必要があります。接続しているユーザの切断前に 15 分間の猶予時間を与えるには、Python の time モジュールを使用します。
import time
time.sleep(900)#time is specified in seconds
ユーザの切断
ArcPy 関数 DisconnectUser をスクリプトで使用して、ユーザの接続を切断します。この関数は、Python スクリプトでのみ使用できます。
ユーザが通知を受け、スクリプトが 15 分間一時停止された後、接続は切断されます。
#disconnect all users from the database.
arcpy.DisconnectUser('Database Connections/admin.sde', "ALL")
特定のユーザの接続のみを切断する場合、それらのユーザの接続 ID を、文字列または文字列の Python リストで指定します。それらの ID は、ListUsers 関数から返されます。
バージョンのバッチ リコンサイルと変更内容のポスト
[バージョンのリコンサイル(Reconcile Versions)] ツールを使用して、エンタープライズ ジオデータベースのすべてのバージョンをリコンサイルしてポストできます。このツールを使用して、ジオデータベース内のすべてのバージョン(ALL_VERSIONS)、またはターゲット バージョンを圧縮からブロックしているバージョン(BLOCKING_VERSIONS)のみを、ターゲット バージョンにリコンサイルできます。このツールを使用すると、一度に複数のバージョンを適切な順序でリコンサイルしてポストできるため、圧縮を効率的に実行できます。この例では、ジオデータベース管理者としてツールを実行しています。ジオデータベース管理者として接続すると、ジオデータベース内のすべてのバージョンばかりでなく、他のユーザが保有しているプライベートまたはプロテクトに設定されているバージョンについてもリコンサイルとポストを実行できます。
# Get a list of versions to pass into the ReconcileVersions tool.
versionList = arcpy.ListVersions('Database Connections/admin.sde')
# Execute the ReconcileVersions tool.
arcpy.ReconcileVersions_management('Database Connections/admin.sde', "ALL_VERSIONS", "sde.DEFAULT", versionList, "LOCK_ACQUIRED", "NO_ABORT", "BY_OBJECT", "FAVOR_TARGET_VERSION", "POST", "DELETE_VERSION", "c:/temp/reconcilelog.txt")
ジオデータベースの圧縮
リコンサイルと変更内容のポストが完了したら、ジオデータベースを圧縮して重複する情報を削除し、編集をビジネス テーブルに移行することが重要です。
# Run the compress tool.
arcpy.Compress_management('Database Connections/admin.sde')
ジオデータベースへの接続の許可
これで、バージョンのリコンサイルとポストが完了し、ジオデータベースが圧縮されたので、ユーザに接続を許可できます。
# Allow new connections to the database.
arcpy.AcceptConnections('Database Connections/admin.sde', True)
インデックスの再構築と統計情報の更新
圧縮操作を実行した後、インデックスを再構築し、統計情報を更新することをお勧めします。これらの手順は、[インデックスの再構築(Rebuild Indexes)] ツールと [データセットの分析(Analyze Datasets)] ツールを使用して実行できます。これらのツールでは、データセットのリストの入力が可能であり、すべてのデータセットで同時に関数を実行します。これらのツールをジオデータベース管理者で実行すると、該当するシステム テーブルの統計情報が更新され、インデックスが再構築されます。このプロセスでは、まず、データのリストおよびそれらのデータを所有するユーザのリストを取得します。インデックスと統計情報は、データの所有者のみが更新できます。
# set the workspace
arcpy.env.workspace = 'Database Connections/admin.sde'
# Get the user name for the workspace
# this assumes you are using database authentication.
# OS authentication connection files do not have a 'user' property.
userName = arcpy.Describe(arcpy.env.workspace).connectionProperties.user
# Get a list of all the datasets the user has access to.
# First, get all the stand alone tables, feature classes and rasters owned by the current user.
dataList = arcpy.ListTables('*.' + userName + '.*') + arcpy.ListFeatureClasses('*.' + userName + '.*') + arcpy.ListRasters('*.' + userName + '.*')
# Next, for feature datasets owned by the current user
# get all of the featureclasses and add them to the master list.
for dataset in arcpy.ListDatasets('*.' + userName + '.*'):
dataList += arcpy.ListFeatureClasses(feature_dataset=dataset)
ユーザが所有するデータセットを制限するために使用されるワイルドカード トークンはオペレーティング システムに固有です。上の例('*.' + userName + '.*')は、SQL Server、PostgreSQL、または DB2 で動作します。Oracle の場合、ワイルドカードとして(userName + '.*')を使用できます。Informix の場合、ワイルドカードとして('*:' + userName + '.*')を使用できます。
ユーザが所有するデータのリストを特定した後、そのリストを [インデックスの再構築(Rebuild Indexes)] ツールと [データセットの分析(Analyze Datasets)] ツールに渡すことができます。
データの所有者が複数存在する場合、データ所有者ごとにデータ リストを生成する必要があります。データ所有者ごとに接続して、[インデックスの再構築(Rebuild Indexes)] ツールと [データセットの分析(Analyze Datasets)] ツールを実行します。
# Execute rebuild indexes and analyze datasets
# Note: to use the "SYSTEM" option, the user must be an administrator.
workspace = "Database Connections/user1.sde"
arcpy.RebuildIndexes_management(workspace, "NO_SYSTEM", dataList, "ALL")
arcpy.AnalyzeDatasets_management(workspace, "NO_SYSTEM", dataList, "ANALYZE_BASE", "ANALYZE_DELTA", "ANALYZE_ARCHIVE")
完全なコードの例
以下のコード例では、上記のすべての項目を組み合わせて次の操作を実行します。
- 接続しているユーザを特定します。
- 電子メール通知を送信します。
- ジオデータベースによる新しい接続の受け入れを禁止します。
- ユーザの接続を切断します。
- バージョンのリコンサイルと変更内容のポストを行います。
- ジオデータベースを圧縮します。
- ジオデータベースによる新しい接続の受け入れを許可します。
- システム テーブルのインデックスを再構築し、統計情報を更新します。
import arcpy, time, smtplib
# Set the workspace
arcpy.env.workspace = 'Database Connections/admin.sde'
# Set a variable for the workspace
workspace = arcpy.env.workspace
# Get a list of connected users.
userList = arcpy.ListUsers("Database Connections/admin.sde")
# Get a list of user names of users currently connected and make email addresses
emailList = [u.Name + "@yourcompany.com" for user in arcpy.ListUsers("Database Connections/admin.sde")]
# Take the email list and use it to send an email to connected users.
SERVER = "mailserver.yourcompany.com"
FROM = "SDE Admin <python@yourcompany.com>"
TO = emailList
SUBJECT = "Maintenance is about to be performed"
MSG = "Auto generated Message.\n\rServer maintenance will be performed in 15 minutes. Please log off."
# Prepare actual message
MESSAGE = """\
From: %s
To: %s
Subject: %s
%s
""" % (FROM, ", ".join(TO), SUBJECT, MSG)
# Send the mail
server = smtplib.SMTP(SERVER)
server.sendmail(FROM, TO, MESSAGE)
server.quit()
# Block new connections to the database.
arcpy.AcceptConnections('Database Connections/admin.sde', False)
# Wait 15 minutes
time.sleep(900)
# Disconnect all users from the database.
arcpy.DisconnectUser('Database Connections/admin.sde', "ALL")
# Get a list of versions to pass into the ReconcileVersions tool.
versionList = arcpy.ListVersions('Database Connections/admin.sde')
# Execute the ReconcileVersions tool.
arcpy.ReconcileVersions_management('Database Connections/admin.sde', "ALL_VERSIONS", "sde.DEFAULT", versionList, "LOCK_ACQUIRED", "NO_ABORT", "BY_OBJECT", "FAVOR_TARGET_VERSION", "POST", "DELETE_VERSION", "c:/temp/reconcilelog.txt")
# Run the compress tool.
arcpy.Compress_management('Database Connections/admin.sde')
# Allow the database to begin accepting connections again
arcpy.AcceptConnections('Database Connections/admin.sde', True)
# Get a list of datasets owned by the admin user
# Rebuild indexes and analyze the states and states_lineages system tables
arcpy.RebuildIndexes_management(workspace, "SYSTEM", "ALL")
arcpy.AnalyzeDatasets_management(workspace, "SYSTEM", "ANALYZE_BASE", "ANALYZE_DELTA", "ANALYZE_ARCHIVE")
スクリプトの自動スケジュール設定
スクリプトが完成したら、オペレーティング システムのタスク スケジューラを使用してスケジュールを設定し、特定の時間に設定された時間間隔でスクリプトを実行できます。
Windows で実行するスケジュールされたタスクの設定については、「Python スクリプトを指定の時間に実行するようスケジュールを設定する」をご参照ください。