ラスタの基礎
ラスタ データセットは、世界をグリッド状に並べられた四角形のセルに分割することで、地理フィーチャを表します。各セルには、その位置の特徴(たとえば、温度、標高、スペクトル値)を表すための値が含まれています。
ラスタ データセットは主に、画像、デジタル標高モデル、その他さまざまな現象を表現および管理するために使用されます。ラスタは、ポイント、ライン、ポリゴン フィーチャを表す方法としてよく使用されます。次の例では、一連のポリゴンがラスタ データセットとして表されています。
ラスタを使用して、あらゆる地理情報(フィーチャ、画像、サーフェス)を表現できます。ラスタ向けに、解析用ジオプロセシングの機能は多数提供されています。ラスタは GIS で画像を保持するための共通のデータ タイプであることに加えて、すべてのジオグラフィック オブジェクトをラスタベースのモデリングや解析に使用できるためフィーチャを表すためによく使用されています。
ジオデータベースのラスタ
ラスタは、行と列に整理された一連のセルであり、GIS で最もよく使用されるデータセットです。通常、ユーザは多くのラスタ ファイルを使用しますが、その一方で、多くのユーザがラスタ データとその他の地理情報を DBMS で管理する必要に迫られています。ジオデータベースには、ラスタ データをファイル ジオデータベースと ArcSDE ジオデータベースの両方で管理するための、非常に効果的な手段が用意されています。
ラスタの管理方法
ラスタ データの管理では、次の 2 つの手法が重要となります。
- ラスタ プロビジョニング — ラスタ データセットを GIS にすばやく「活用」することは、ほとんどの場合、それらをそのまま(通常は一連のラスタ ファイルとして)使用することを意味します。これには、一連の独立したファイルを使用するか、または ArcGIS for Server の Image エクステンションなどのテクノロジを使用して、既存のデータセットをコレクションとして管理および提供します。
- ジオデータベースのラスタ — この手法は、ラスタの管理、振舞いの追加、スキーマの制御が必要な場合、厳密に定義されたラスタ データセットを DBMS の一部として管理する場合、コンテンツや情報の損失がない状態で(圧縮せずに)高いパフォーマンスが要求される場合、およびすべてのコンテンツの管理に 1 つのデータ アーキテクチャを使用する場合に役立ちます。
ラスタ データベースのジオグラフィック プロパティ
一般に、4 つのジオグラフィック プロパティがすべてのラスタ データセットに記録されます。これらは、ジオリファレンスに役立つほか、ラスタ データ ファイルの構造を説明するのに役立ちます。これは理解しなければならない重要な概念であり、ジオデータベースでラスタがどのように格納され、管理されるのかを説明するのに役立ちます。
ラスタ データセットは、地理的な位置を特別な方法で定義します。いったんセルまたはピクセルが正確にジオリファレンスされたら、ラスタのすべてのセル値を順番に並べるのは簡単です。このことは、一般に、各ラスタ データセットにはそのジオグラフィック プロパティを保持する見出しレコードがあり、その内容は順番に並んだセル値のリストであることを意味します。
ラスタのジオグラフィック プロパティには、一般に次の情報が含まれます。
- その座標系
- リファレンス座標または X、Y 位置(通常は、ラスタの左上隅または左下隅)
- セル サイズ
- 行と列の数
この情報は、特定のセルの位置を検索するために使用できます。次の図のように、ラスタ データは、すべてのセル値が各行に沿って左上のセルから右下のセルの順に並んだ構造になっています。
ジオデータベースのラスタ ブロック テーブル
一般に、ラスタ データのサイズはフィーチャよりもはるかに大きく、補助テーブルを格納するための領域が必要になります。たとえば、標準的なオルソ画像は 6,700 行 × 7,600 列で構成される場合があります(セル値は 5,000 万個以上)。
こうした大きなラスタ データセットで高いパフォーマンスを達成するには、ジオデータベースのラスタを小さなタイル(ブロック)に分割します。これには、一般に、128 行 × 128 列、または 258 行 × 258 列のサイズを使用します。そして、これらの小さなブロックを各ラスタの補助テーブルで保持します。次に示すように、個々のタイルはブロック テーブルの個別の行で保持されます。
この単純な構造は、それらが必要になった場合に、画像全体ではなく、ある範囲のブロックだけを取得すればよいことを意味します。また、ラスタ ピラミッドを構築するためにリサンプリングされたブロックを、同じブロック テーブルの別の行に格納して管理することもできます。
これにより、DBMS で巨大なラスタの管理が可能となるため、パフォーマンスが飛躍的に向上し、マルチユーザが安全にアクセスできます。
ラスタの拡張
ラスタは GIS アプリケーションでよく使用され、ラスタを使用するアプリケーションは増えています。ジオデータベースでは、さまざまな目的で(個々のデータセットとして、データセットの論理的なコレクションとして、またはテーブルのピクチャ属性として)ラスタを管理することができます。
ジオデータベースには、ユーザがラスタ情報を管理する方法を拡張するための機能がいくつかあります。
用途 |
目的 | |||
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非常に大きな連続した画像データセット、およびモザイク化されたラスタの管理 |
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モザイク データセットは、ラスタ カタログとラスタ データセットが混成したデータ モデルであり、ラスタ カタログのオンザフライ ビューで表現されます。モザイク データセットを使用することにより、ラスタ イメージ データのコレクションを格納、管理、表示、検索できます。 | ||||
次を含めた、さまざまな目的の達成:
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写真またはスキャンされたドキュメントをテーブルの属性として格納します。 |