演習 3: ルートの表示および検索

複雑性: 初級 データ要件: ArcGIS Tutorial Data for Desktop 目的: ルートの表示および検索

この演習では、「演習 2 ルート データの作成とキャリブレーション」で作成したルート データを既存のマップ ドキュメントに追加し、シンボルを設定します。さらに、次の作業を行います。

演習 2: ルート データの作成とキャリブレーション」が完了していない場合は、ArcCatalog を開きます。コンテンツ ウィンドウで、\MyLR フォルダ内の PITT.gdb を削除し、PITT_Results.gdb の名前を PITT.gdb に変更します。

既存のマップ ドキュメントを開く

この演習を開始するには、まず ArcMap を起動して、既存のドキュメントを開きます。

手順:
  1. [スタート] [すべてのプログラム] [ArcGIS] [ArcMap 10.1] の順にクリックして、ArcMap を起動します。
  2. [はじめに] ダイアログ ボックスで [既存のマップ] を選択します。
  3. [詳細検索] をダブルクリックします。
  4. [ArcMap ドキュメントを開く] ダイアログ ボックスで [ファイルの場所] のドロップダウン矢印をクリックし、このチュートリアルのデータをコピーしたフォルダ(C:\MyLR)に移動します。
  5. Ex3.mxd をクリックします。
  6. [開く] をクリックします。
  7. Ex3.mxd を開く

    このマップは、Pitt County というデータ フレームに以下のレイヤを含んでいます。

    calibration_points

    演習 2 で、ルート メジャーのキャリブレーションに使用したポイント

    base_roads

    Pitt County の全道路網

    city boundaries

    Pitt County の市の境界

    county boundary

    Pitt County の郡の境界

    現在、マップは市の境界レイヤと郡の境界レイヤを表示しています。コンテンツ ウィンドウでは、これらのチェックボックスがオンになっています。calibration_points レイヤはチェックされていますが、表示縮尺範囲が設定されています。縮尺が 1:25,000 より大きい場合のみ表示されます。

  8. コンテンツ ウィンドウで、base_roads レイヤの横にあるチェックボックスをオンにします。
  9. コンテンツ ウィンドウで base_roads をチェック

    これにより、Pitt County の全道路網が表示されます。これには、高速道路公団によって管理されない道路も含まれます。高速道路公団によって管理される道路は、routes フィーチャクラスに書き込まれています。

ルート データをマップに追加

手順:
  1. [データの追加] ボタンをクリックします。
    AC 標準ツールバーで [データの追加] ボタンをクリック
  2. [ファイルの場所] のドロップダウン矢印をクリックし、MyLR フォルダに移動します。
  3. PITT.gdb をダブルクリックし、PITT フィーチャ データセットをダブルクリックします。
  4. Ctrl キーを押しながら、routes フィーチャクラスと routes_new フィーチャクラスを両方とも選択します。
    routes と routes_new 両方のフィーチャクラスを選択して追加
  5. [追加] をクリックします。

表示シンボルの変更

routes レイヤを表示するときに使用されるデフォルトの色とシンボルでは、ルート フィーチャの場所を確認しにくい場合があります。ArcMap でフィーチャを表示するために使用する色とシンボルは簡単に変更できます。

手順:
  1. コンテンツ ウィンドウで routes レイヤのライン シンボルをクリックして、[シンボル選択] ダイアログ ボックスを表示します。

    コンテンツ ウィンドウの Routes のライン シンボル

  2. 下方向にスクロールし、目的のシンボルをクリックします。
  3. [OK] をクリックします。

    選択したシンボルを使用して routes レイヤが表示されます。

    routes フィーチャクラスのライン シンボル選択
  4. routes_new レイヤについても、ステップ 1 ~ 3 を繰り返します。
  5. ヒントヒント:

    [シンボル選択] ダイアログ ボックスを開くには、コンテンツ ウィンドウで対象レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックして、[シンボル] タブをクリックする方法もあります。シンボルの色を変えるだけの場合は、コンテンツ ウィンドウでシンボルを右クリックしてカラー パレットを表示し、使用する色または [その他の色] をクリックします。

ルート識別フィールドの設定

ルート データをマップに追加すると、いくつかのレイヤ プロパティが追加されます。これらのプロパティの 1 つは、ルート識別フィールドです。このフィールドの内容によって、各ルートが一意に識別されます。

ルート識別フィールドの設定は必須ではありません。ただし、このフィールドを設定すると、ArcMap のリニア リファレンスのダイアログ ボックス、ツール、ウィザードの多くを使用するために必要な手順が少なくなります。

手順:
  1. コンテンツ ウィンドウで routes レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

    [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスが開きます。

  2. [ルート] タブをクリックします。
  3. [ルート識別フィールド] のドロップダウン矢印をクリックし、[ROUTE1] をクリックします。
  4. [OK] をクリックします。
    ArcMap の [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックス
  5. routes_new レイヤについても、ステップ 1 ~ 4 を繰り返します。

[ルート ロケーションの個別属性表示] ツールの追加

ArcMap では、マップ上のルートをポイントして、その場所のルート識別子とメジャー値を検索することができます。ここでは、[ルート ロケーションの個別属性] ツールを使用して、演習 2 で作成したルートのメジャー値を確認します。

[ルート ロケーションの個別属性] ツールは、デフォルトではツールバーに表示されません。手動で追加する必要があります。

手順:
  1. [カスタマイズ] [カスタマイズ モード] の順に選択します。

    [カスタマイズ] ダイアログ ボックスが開きます。

    ArcMap の [カスタマイズ] メニューの [カスタマイズ モード] オプション
  2. [コマンド] タブをクリックします。
  3. [カテゴリ] リストで [リニア リファレンス] をクリックします。
  4. [ツール] ツールバーなど、いずれかのツールバーに [ルート ロケーションの個別属性] ツールをドラッグします。
    [ルート ロケーションの個別属性] ツールを [ツール] ツールバーまでドラッグ
  5. [閉じる] をクリックします。

ルート ロケーションの識別

ArcMap では、保存されているマップ位置をブックマークといいます。「演習 2 ルート データの作成とキャリブレーション」では、ルートのキャリブレーションに必要なキャリブレーション ポイントを含むブックマークを作成しました。

手順:
  1. [ブックマーク] をクリックし、[キャリブレーション ポイント] をクリックします。
    [ブックマーク] メニューの [キャリブレーション ポイント] をクリック
  2. 保存されたロケーションに画面移動すると、キャリブレーション ポイントとともに、そのポイントのメジャー値がラベルとして表示されます。ブックマークを使用したときに、これらが表示されるのは、レイヤに対して表示縮尺範囲が設定されているためです。
  3. [ルート ロケーションの個別属性] ボタンをクリックします。
    ツールバーのコマンドを示す図
  4. いずれかのキャリブレーション ポイント上にマウス ポインタを移動し、クリックします。

    routes レイヤと routes_new レイヤ両方のルート ロケーションを確認できます。

  5. 各ルート レイヤのルート ノードをクリックします。
    [ルート ロケーションの個別検索結果] ウィンドウ
  6. 各ノードで示されている数値は、この演習の前の項で設定したルート識別フィールドに格納されている値に対応しています。2 つのルートのメジャー値が異なることに注意してください。さらに、routes_new レイヤのメジャー値は、クリックしたキャリブレーション ポイントのメジャー値に密接に対応していることに注意してください(キャリブレーション ポイントに近づくほど、メジャー値も近づきます)。
  7. いずれかのレイヤのルート ノードを右クリックし、ショートカット メニューに表示される項目を確認します。
  8. [ルート ロケーション個別検索結果] ウィンドウを閉じます。
    [ルート ロケーションの個別検索結果] ウィンドウ
  9. コンテンツ ウィンドウで、calibration_points レイヤのチェックボックスをオフにし、非表示にします。この演習では、これ以降このレイヤを使用しません。
    calibration_points レイヤのチェックを外す

ルート ロケーションの検索

多くのリニア リファレンス アプリケーションでは、ルートに沿ったロケーションの検索が必要になることがよくあります。たとえば、幹線道路で事故が発生した場所を確認するときなどです。印刷されたマップで、ルート ロケーションを確認するのは困難です。これは、一般にルート メジャー値が表示されていないためです。ArcMap では、ルート ロケーションを容易に検索できます。

手順:
  1. ArcMap の [ツール] ツールバーで [検索] ボタンをクリックします。
    [検索] コマンド
  2. [リニア リファレンス] タブをクリックします。
  3. [参照ルート] のドロップダウン矢印をクリックし、[routes_new] をクリックします。
  4. [ルート識別フィールド] ドロップダウン リストに表示されるフィールドは、この演習の前のステップで設定したルート識別フィールドに対応します。
  5. [ルートの読み込み] をクリックします。
  6. [ルート] のドロップダウン矢印をクリックし、[30000121] を選択します。

    多くの場合、この数値は多数の数値フィールドの組み合わせであり、政治的、社会的、または経済的な意味はありません。したがって、この数値を後で変更することはありません。

  7. [ロケーション] テキスト ボックスに「5」と入力します。
  8. [検索] をクリックします。
    [リニア リファレンス ツール] ダイアログ ボックス
  9. 見つかったルート ロケーションを右クリックし、ショートカット メニューに表示される項目を確認します。
    [リニア リファレンス ツール] ダイアログ ボックス
  10. [検索] ダイアログ ボックスを閉じます。

異常なルート メジャー値の表示

通常、リニア リファレンスを使用するときは、ルート メジャー値が一連の規則に準拠している必要があります。たとえば、ルート メジャー値は、あるルートに沿って常に増加すると予想されます。ArcMap には、ルート メジャー値が予想される挙動に従わない箇所を表示させる機能があります。このようにある規則に従わないメジャー値のことを、異常なルート メジャー値と呼びます。

手順:
  1. ArcMap の [ツール] ツールバーで [全体表示] ボタンをクリックします。
    ArcMap の [ツール] ツールバー
  2. コンテンツ ウィンドウで routes レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  3. [ルート] タブをクリックします。
  4. [メジャー値が次のようにならないロケーションを表示] チェックボックスをオンにして、[増加] を選択します。
  5. [ライン シンボル] ボタンをクリックし、使用するライン シンボルを選択します。マーカー シンボルでも同じ手順に従います。
  6. [OK] をクリックします。
  7. 異常なルート メジャー値の表示

    ルート フィーチャクラスは、「演習 2 ルート データの作成とキャリブレーション」で base_roads フィーチャクラスから作成されています。ルート フィーチャクラスで異常なメジャー値が発生する原因となるデジタイズ エラーおよび属性エラーがいくつかあります。異常なルート メジャー値は、ArcMap の [ルート編集] ツールで修正できます。

5/10/2014