ArcGIS でサポートされている PostgreSQL のデータ タイプ

データベースにテーブルを作成する、またはテーブルに列を追加すると、それらの列は特定のデータ タイプとして作成されます。データ タイプとは、有効な値、データで実行できる操作、およびその列のデータがデータベースに格納される方法を識別するための分類のことを指します。

ArcGIS からデータベース テーブルにアクセスすると、特定のデータ タイプを操作できます。カタログ ツリーの [Database Connections] ノードや ArcMap のクエリ レイヤからデータベース テーブルにアクセスする場合、ArcGIS はサポートされていないデータ タイプを除外します。データベース テーブルに直接アクセスする場合、サポートされていないデータ タイプは ArcGIS インタフェースには表示されず、ArcGIS からは編集できません。同様に、サポートされていないデータ タイプを含むテーブルを ArcGIS でコピーする場合、サポートされているデータ タイプのみがコピーされます。テーブルを別のデータベースやジオデータベースに貼り付けるときも、サポートされていないデータ タイプの列は対象外となります。

ArcGIS でフィーチャクラスまたはテーブルを作成したり、ArcGIS を使用して既存のテーブルまたはフィーチャクラスに列を追加したりするとき、フィールドに割り当てることのできる ArcGIS データ タイプは 12 種類あります。これらのタイプに対応しないデータベースのデータ タイプは、ArcGIS クライアントアプリケーションでは直接使用できません。

最初の列は ArcGIS データ タイプです。2 番目の列は、データベースに作成される PostgreSQL のデータ タイプです。3 番目の列は、ArcGIS で表示するときに、ArcGIS データ タイプにマップされるその他の PostgreSQL のデータ タイプ（存在する場合）を示しています。

ArcGIS データ タイプ	作成された PostgreSQL のデータ タイプ	表示可能なその他の PostgreSQL のデータ タイプ	注意事項
BLOB	BYTEA
DATE	TIMESTAMP WITHOUT ZONE	TIMESTAMP
DOUBLE	NUMERIC(p)	BIG SERIAL、DOUBLE PRECISION	ArcGIS で指定した精度と縮尺が、データベースに作成されるデータ タイプの結果に影響を与える場合があります。詳細は、「ArcGIS フィールド データ タイプ」をご参照ください。
FLOAT	NUMERIC(p)		ArcGIS で指定した精度と縮尺が、データベースに作成されるデータ タイプの結果に影響を与える場合があります。詳細は、「ArcGIS フィールド データ タイプ」をご参照ください。
GEOMETRY	ST_GEOMETRY or GEOMETRY		ジオデータベースでは、データベースに作成されるデータ タイプは、フィーチャクラスの作成時に使用されるコンフィグレーション キーワードの、GEOMETRY_STORAGE の設定によって決まります。 ST_Geometry およびジオメトリはスーパークラスです。ArcGIS for Desktop でフィーチャクラスを作成する場合、ST_Geometry として作成されるポイント フィーチャクラスは ST_Point サブタイプを格納に使用し、PostGIS ジオメトリとして作成されるポイント フィーチャクラスは Point サブタイプを格納に使用します。ArcGIS for Desktop で作成される他のすべてのタイプのフィーチャクラスには、スーパークラスが使用されます。SQL を使用して空間列を作成する場合には、実際に作成されるデータ サブタイプは、指定するサブタイプのタイプに依存します。 ST_Geometry をデータベースで使用するには、インストールする必要があります。詳細については、「PostgreSQL データベースへの ST_Geometry タイプの追加」をご参照ください。 PostGIS ジオメトリ タイプを使用するには、PostgreSQL データベース クラスタ内に PostGIS をインストールし、データベース自体を有効化して PostGIS を使用できるようにする必要があります。詳細については、PostgreSQL のドキュメントをご参照ください。
GLOBAL ID	VARCHAR(38)		ジオデータベースでのみサポートされています。
GUID	VARCHAR(38)
LONG INTEGER	INTEGER	SERIAL
OBJECT ID	ジオデータベースの INTEGER データベースの SERIAL		ArcGIS の ObjectID タイプは、テーブル（またはフィーチャクラス）に登録された RowID 列です。1 つのテーブルにつき、1 つだけ存在します。
RASTER	BYTEA or ST_RASTER		ラスタはジオデータベースのみでサポートされます。作成される PostgreSQL データ タイプは、ラスタ カタログ、ラスタ データセット、またはモザイク データセットの作成時に使用される DBTUNE コンフィグレーション キーワードによって変わります。 ST_Raster を使用する場合は、別途、ジオデータベースに ST_Raster を構成する必要があります。詳細については、「PostgreSQL での ST_Raster タイプのインストール」をご参照ください。
SHORT INTEGER	SMALLINT	REAL
TEXT	CHARACTER VARYING	CHARACTER、VARCHAR、TEXT

ArcGIS でサポートされている PostgreSQL のデータ タイプ

テーブル内に ArcGIS でサポートされていないデータ タイプの列がある場合、その列をテキストにキャストできます。ただし、これを実行するのは、列内の値を表示したい場合だけにしてください。その列の値で分析を行う必要がある場合は、実行しないでください。たとえば、SELECT ステートメントを使用して、テーブル内の列を選択し、"total" という小数の列をテキストにキャストできます。

SELECT id, name, total::text
FROM me.mydb.tableb;