Oracle データベースでのジオデータベース機能の有効化

このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。

ArcGIS for Desktop から既存の、構成済みの Oracle データベースにジオデータベース管理者として接続して、データベース内にマスタ sde ジオデータベースを作成することができます。

Oracle データベースでトポロジ、ネットワーク、バージョン対応編集、アーカイブ、レプリケーションなどのジオデータベース機能を使用する場合、ジオデータベースを作成します。既存のデータベースにジオデータベースを作成することで、表領域のサイズと場所をカスタマイズできます。

[エンタープライズ ジオデータベースの作成(Create Enterprise Geodatabase)] ツールを使用して、Oracle データベースにジオデータベースを作成できます。また、ツールによって sde ユーザが作成され、ジオデータベースの作成に必要な権限が付与されます。データベース管理者が ArcGIS にアクセスできない場合で、ジオデータベース管理者に [エンタープライズ ジオデータベースの作成(Create Enterprise Geodatabase)] ツールを実行するための sys パスワードを与えたくない場合など、事前に sde ユーザを作成する必要がある場合は、Oracle で sde ユーザを手動で作成して、権限を付与することもできます。こうすることで、ジオデータベース管理者は sde ユーザとして ArcGIS 内のデータベースに接続し、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化(Enable Enterprise Geodatabase)] ツールを実行して、データベース内でジオデータベース機能を有効化することができます。

カタログ ツリーのデータベース接続から [エンタープライズ ジオデータベースの有効化(Enable Enterprise Geodatabase)] ツールを使用して、Oracle データベースでジオデータベース機能を有効化する手順は次のとおりです。

手順:
  1. sde という名前のデータベース ユーザを作成し、ジオデータベースを作成するために必要な権限を付与します。

    これらの権限の一覧については、「Oracle に格納されたジオデータベースに対するユーザ権限」をご参照ください。

  2. Oracle サーバ上に ST_Geometry ライブラリを配置します。

    ST_Geometry は ArcGIS クライアントの DatabaseSupport ディレクトリに含まれています。Linux または UNIX サーバに Oracle をインストールする場合は、Oracle サーバ上のディレクトリ内に、サーバのオペレーティング システムに適合した libst_shapelib.so ファイルを配置してください。Windows サーバ上に Oracle をインストールする場合は、Oracle サーバ上のディレクトリに Windows の st_shapelib.dll ファイルを配置してください。

    ライブラリを配置するサーバ上のディレクトリは、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化(Enable Enterprise Geodatabase)] ツールを実行するクライアント コンピュータからアクセスできる必要があります。ライブラリを UNIX または Linux コンピュータ上に配置している場合は、sde ユーザがフォルダにアクセスして、ライブラリ ファイルを実行する権限を持っていることを確認してください。

  3. ArcMap または ArcCatalog を起動します。
  4. カタログ ツリーから Oracle データベースへのデータベース接続を作成します。sde ユーザとして接続します。

    [データベース コネクション] ダイアログ ボックスで、必ずユーザのパスワードを保存してください。

  5. データベース接続を右クリックして、[ジオデータベースの有効化] をクリックします。

    [エンタープライズ ジオデータベースの有効化(Enable Enterprise Geodatabase)] ツールが開きます。

  6. Oracle データベースのデータベース接続ファイルを [入力データベース] テキスト ボックスに追加します。
  7. ArcGIS for Server を認証したときに作成された ArcGIS for Server の認証ファイルを選択し、それを [認証ファイル] テキスト ボックスに追加します。

    ウィザードを使用して ArcGIS for Server を認証する際に、ソフトウェアがインストールされているサーバに keycodes ファイルが書き込まれます。Linux 環境で ArcGIS for Server を認証した場合、このファイルは /arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License<release>/sysgen に作成されています。Windows サーバで認証した場合、このファイルは Program Files\ESRI\License<release>\sysgen に作成されています。まだ行っていない場合には、ArcGIS for Server を認証して、このファイルを作成します。

  8. [OK] をクリックしてツールを実行します。
  9. 必要に応じて、Oracle のジオデータベース内の ST_Geometry データに対する SQL クエリを作成する場合は、次のとおりにします。
    1. Oracle extproc を構成します
    2. st_shapelib の Oracle ライブラリ エントリを更新します。ライブラリ エントリを更新するには、CREATE OR REPLACE LIBRARY SQL ステートメントを実行します。

      たとえば、libraryfiles という名前のフォルダに st_shapelib.dll が配置されている Windows サーバの場合、ステートメントは以下のようになります。

      CREATE OR REPLACE LIBRARY st_shapelib AS
      'c:\libraryfiles\st_shapelib.dll';
      

      libfiles という名前のディレクトリを持つ Linux サーバの場合、ステートメントは以下のようになります。

      CREATE OR REPLACE LIBRARY st_shapelib AS
      '/usr/libfiles/libst_shapelib.so';
      

ジオデータベース作成のログ ファイル(GDBCreateGeodatabase<#>.log)が、ツールを実行したコンピュータ上の %TEMP% 変数で指定された、ディレクトリに書き込まれます。ツールの実行時に問題が発生した場合は、このログ ファイルを確認して問題を解決します。

関連トピック

5/10/2014