Oracle のユーザ スキーマでのジオデータベースの作成
ユーザ ジオデータベースを作成するには、[エンタープライズ ジオデータベースの作成(Create Enterprise Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用して、マスタ sde ジオデータベースに接続します。指定したジオデータベース管理者のユーザ名とパスワードは、ジオデータベースがインストールされるスキーマを所有するユーザのものでなければなりません。
ユーザ スキーマに作成されるシステム テーブルは、sde マスタ ジオデータベースに使用するものとは別の表領域に格納することをお勧めします。こうすることで、I/O の競合を避けることができます。ユーザ スキーマ ジオデータベースのシステム テーブルを別の表領域に作成するには、ユーザのデフォルト表領域を sde ユーザとは別の表領域に設定します。これは、ユーザ スキーマ内にジオデータベースを作成する前に行います。
所有できるのは、自身のスキーマのジオデータベース内か、sde マスタ ジオデータベース内にあるデータだけです。たとえば、データベース ユーザ porthos がジオデータベースを所有している場合、porthos が所有するすべてのデータはこのジオデータベース内にある必要があります。sde マスタ ジオデータベースや他のユーザのジオデータベース内にデータを所有することはできません。ユーザ athos が自身のジオデータベースを所有していない場合、所有できるのは sde マスタ内のデータだけです。porthos やその他のユーザのジオデータベース内にあるデータを所有することはできません。
スキーマの所有者以外のユーザが所有するデータが含まれている既存のユーザスキーマ ジオデータベース(ArcGIS 10 以前に作成したジオデータベース)は、アップグレードが可能です。それらのデータ所有者は、引き続き新しいデータを作成したり、既存のデータを使用したりできます。たとえば、ユーザ porthos が ArcGIS 9.3 でジオデータベースを作成し、ユーザ aramis が ArcGIS 10 または 9.3 クライアントでそのジオデータベース内にデータを作成した場合、porthos のジオデータベースは 10.1 にアップグレードされますが、aramis の既存のデータにはアクセス可能で、porthos のジオデータベース内で引き続きデータを作成することができます。ただし、可能な場合は、sde マスタ ジオデータベースかユーザ自身のスキーマのジオデータベースにデータを移動することをお勧めします。
作成および使用するユーザ スキーマ ジオデータベースの数が増えると、Oracle データベースへの接続にかかる時間が長くなることに注意してください。これは特に、ユーザ スキーマ ジオデータベースにジオデータベース テーブルとジオデータベースに登録されていないテーブルが混在している場合に当てはまります。
sde 以外のユーザのスキーマにジオデータベースを作成するには、次の手順に従います。
- ジオデータベースを作成できるように、ユーザに適切な権限を付与します。
- ユーザの表領域を作成し、それをユーザのデフォルト表領域として設定します。
- Oracle クライアントがインストールされているコンピュータ上で、ArcMap または ArcCatalog を起動します。
- [エンタープライズ ジオデータベースの作成(Create Enterprise Geodatabase)] ツールを開きます。
このツールは、[データ管理] ツールボックスの [ジオデータベース管理] ツールセットで検索または選択できます。
- [データベース プラットフォーム] ドロップダウン リストから [Oracle] を選択します。
- Oracle インスタンスへの接続に必要な情報を入力します。
- TNS ネットワーク エイリアスを使用するように Oracle クライアントがすでに設定されている場合、[サービス] テキスト ボックスに Net サービス エイリアスを入力します。
- Oracle クライアントのネットワーク エイリアスがまだ設定されていない場合は、[サービス] テキスト ボックスに Oracle Easy Connection の文字列を指定します。
使用できる値のリストについては、「ArcGIS for Desktop でのデータベース接続」をご参照ください。
- ジオデータベースを所有するユーザのユーザ名とパスワードを入力します。
- [テーブルスペース名] テキスト ボックスにユーザのデフォルト表領域の名前を入力します。
- [OK] をクリックしてツールを実行します。