Python ウィンドウの実行ツール

[Python] ウィンドウを初めて開いたときには、次のような画面が表示されます。

Python ウィンドウ

左側のセクションがメインの [Python] ウィンドウ プロンプトで、Python コマンドはここで実行されます。右側のセクションはヘルプと構文のウィンドウで、ここにはツールの実行時に実行メッセージが表示され、コードを入力すると現在のツール、関数、またはクラスについてのヘルプが表示されます。

[Python] ウィンドウでツールや他の arcpy 機能を使用するための最初のステップとして、プロンプトに「arcpy.」と入力し、すべての arcpy ツール、関数、およびクラスのドロップダウン リストを表示します。このリストは、ポインタまたはキーボードの上下矢印キーを使用してスクロールできます。追加の文字を入力するたびに、ドロップダウン リストがフィルタされ、入力した文字に一致するツールとメソッドだけが表示されます。たとえば、[Python] ウィンドウに「arcpy.addf」と入力すると、ドロップダウン リストには、これらの文字で始まるツールやメソッドのみが含まれます。arcpy.AddField_management を下にスクロールするか、クリックした場合、プロンプトで Tab キーを使用すると、完全なツール名が自動検出されます。開き括弧 ( を入力すると、ヘルプと構文のウィンドウに arcpy.AddField_management ツールのヘルプが表示されます。デフォルトでは、最初のパラメータがハイライト表示されます。

Python では、ツール ラベルの代わりにツール名を使用します。ツール ラベルは [ツール] ダイアログ ボックスの上部かカタログ ウィンドウに表示されます。ツール名は、通常はツール ラベルに似ていますが、スペースが含まれていません。Python には、ツール名とともにツールボックス エイリアスも含まれます。

ツールのプロパティの名前とラベルツールボックスのプロパティの名前、ラベル、およびエイリアス

必要なすべてのパラメータの入力後に、Enter キーを押してツールを実行します。実行メッセージが [Python] ウィンドウのヘルプ セクションに表示されます。メッセージのテキストは、メッセージのタイプに応じた色で表示されます。次に、デフォルトのテキストの色と意味をまとめます。

Meaning

Normal informational messages.

Error message. Results were not created.

オレンジ

Warning message. Results may not be what you expect.

実行メッセージのテキストの色と意味

これらの色を変更する場合は、[Python] ウィンドウのヘルプ セクションを右クリックして、[形式] を選択します。

必須パラメータとオプション パラメータ

ツール パラメータには必須とオプションがあります。オプション パラメータは中括弧({ })で囲まれますが、必須パラメータには括弧がついていません。

パラメータのタイプ

Symbol

意味

必須

必須パラメータ。コマンドの最初のパラメータは常に必須パラメータです。必須パラメータについては、値の入力が必要です。

オプション

{ }

オプション パラメータ。これらのパラメータは常に必須パラメータの次に配置されています。オプション パラメータの値を入力しない場合は、デフォルトの値が計算され、使用されます。パラメータのデフォルトの値については、ツールのヘルプをご参照ください。

パラメータのタイプ

ツールには、複数のオプション パラメータが用意されていることがあります。場合によっては、設定が必要な関心の対象がツールのオプション パラメータの一部にだけのこともあるでしょう。オプション パラメータは、次の 3 つの方法で、スキップ(飛ばして移動)することができます。

次の例の場合は、[フィールドの追加(Add Field)]ツールが使用され、先ほどの 3 つの方法で 4 つ目と 5 つ目のパラメータがデフォルトのままにされています。

# Use empty strings to skip optional parameters
arcpy.AddField_management("c:/data/streets.shp", "Address", "TEXT", "", "", 120)

# Use the # sign to skip optional arguments
arcpy.AddField_management("c:/data/streets.shp", "Address", "TEXT", "#", "#", 120)

# Use the parameter name to bypass unused optional arguments
arcpy.AddField_management("c:/data/streets.shp", "Address", "TEXT", field_length=120)

デフォルト値

[パラメータ] ドロップダウン リスト

ツールによって、特定のパラメータについて利用できるオプションが認識されると、[Python] ウィンドウにドロップダウン リストが表示されます。[ツール] ダイアログ ボックスと同様、パラメータが適切な値を識別してフィルタします。たとえば、AddXY_management ツールは、入力フィーチャについてポイント フィーチャクラスまたはレイヤしか許容しないため、このパラメータのドロップダウン リストには、利用可能なポイント フィーチャ レイヤだけが含まれます。同様に DeleteField_management ツールの場合は、入力テーブルに基づいたフィールドのドロップダウン リストが表示されます。

複数値パラメータ

ツール パラメータでは、パラメータに応じて 1 つまたは複数の値が許容されます。複数の値が許容される場合は、[Python] リストとしてパラメータ値を指定できます。

[フィールドの削除(Delete Field)]ツールの場合、削除対象として複数のフィールドが許容されます。フィールドの削除 ツールで複数のフィールドを削除するには、Python リスト内にフィールド名を文字列として入力します。

arcpy.DeleteField_management("c:/base/rivers.shp", ["Type", "Turbidity", "Depth"])

Union_analysis ツールや Intersect_analysis オーバーレイ ツールなど、一部のツールのパラメータはテーブルのように表現され、複数の行の各行に複数の値が入っていることがあります。Union_analysis の場合、[入力フィーチャ] パラメータでは、高精度でフィーチャを保存するために使用される優先度のランクがサポートされています。ランクは各入力フィーチャクラスにオプションの値として割り当てられます。1 が最優先とされます。

テーブルのように示されるパラメータは、バリュー テーブルと呼ばれます。バリュー テーブルは、Python のリストのリストとして入力されます。Union_analysis の入力フィーチャ パラメータの場合、フィーチャクラス名の後に、値をカンマで区切りながら、ランクを指定します。各フィーチャクラスのランク ペアは上位のリスト内に含まれます(このため、リストのリストと呼ばれます)。次の例は、そのようなリストの作成方法です。各フィーチャクラスについて同じワークスペースを繰り返さなくてもすむよう、ワークスペース環境は設定された状態になっています。

arcpy.env.workspace = "D:/St_Johns/data.mdb/neighborhoods"
input_list = [["east", 1], ["west", 1], ["south", 1], ["north", 2]]
arcpy.Union_analysis(input_list, "D:/base/data.gdb/land_use")

パラメータ規約

一般:

[Python] ウィンドウにヘルプを表示

コマンド名の入力後には、いくつかの方法で使用方法とツール固有のヘルプを利用できます。

  1. プロンプトで、ツール名と開き括弧「arcpy.Buffer_analysis(」を入力します。ツールの使用方法とヘルプ情報がヘルプ セクションに表示されます。
  2. Python に組み込まれたヘルプ機能を使用して、ヘルプが必要なツール名に移動します。ヘルプが Python のメイン セクションに表示されます。
  3. ツールの次に Python に組み込まれた関数属性 __doc__ を使用して、ドキュメント文字列を表示します。ヘルプが Python のメイン セクションに表示されます。
>>> arcpy.Buffer_analysis(
>>> help(arcpy.Buffer_analysis)
>>> print arcpy.Buffer_analysis.__doc__
5/10/2014