カバレッジ内でのポリゴンのオーバーラップ:リージョン

このトピックは、ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。

リージョンの概要

リージョンを使用すると、ポリゴンとして表現されるジオグラフィック フィーチャ間の複雑な関係をモデリングできます。カバレッジにおいて、ポリゴンの基本要素はアークですが、リージョンの基本要素はポリゴンです。そのため、リージョンは一連のポリゴンとして表現されます。

ジオグラフィック オブジェクトをポリゴンとして表現するとき、ポリゴンは重なり合わないことと、ポリゴンは対象エリアを完全にカバーする(隙間エリアがない)ことの 2 つの前提があります。リージョンには、これらの制限がありません。リージョンでは、ジオグラフィック フィーチャを表すポリゴンは独立でき、重なり合うことも可能で、エリア全体を埋める必要もありません。たとえば、森林火災のリージョンは、損害のエリアと時間を示すポリゴンで表現できます。

重なり合わない完全に分割された空間とオーバーラップや隙間エリアが存在し得る空間
重なり合う空間と重なり合わない空間

ポリゴンのもう 1 つ前提として、各ジオグラフィック フィーチャは 1 つのポリゴンで表現されるということがあります。リージョンではこれが拡張され、1 つのジオグラフィック フィーチャを複数のポリゴンで表現できます。たとえば、ハワイ州を構成する島々は、複数のポリゴンから構成されるリージョンです。

繋がった 1 つのエリアと分断された複数のエリア
繋がったエリアと分断されたエリア

ポイント、ライン、ポリゴンと同様に、それぞれのリージョンには一意の識別子が与えられます。また、ポリゴンと同様に、それぞれのリージョンに対してエリアと境界が維持されます。

リージョン対ポリゴン
リージョン対ポリゴン

ポリゴンでリージョンを作成することは、アークからポリゴンを作成することに似ています。ポリゴンがアークのリストであるように、リージョンもポリゴンの単なるリストです。1 つの重要な違いは、ポリゴンの順序は大切ではないことです。

重なり合うリージョンを作成することは、ポリゴンを作成することに似ています。ただし、ポリゴンは接するアークを共有しますが、リージョンは重なり合うポリゴンを共有します。

リージョンは、元のジオグラフィック フィーチャの特性を維持しながら、多くの異なる種類のジオグラフィック フィーチャを 1 つのビューに統合するため、データ管理を大幅に向上させます。データ モデル内にあるジオグラフィック フィーチャ間の関係を管理することは、複雑な解析を実行するときに特に貴重です。

リージョンのデータ構造

コンポジット フィーチャ

リージョンのデータ構造は、ダイナミック セグメンテーションのデータ構造と似ています。ダイナミック セグメンテーションでは、非平面ラインは、アークのトポロジの「上に存在する」システムのルートとセクションによって実現されます。ルートは、ベース ジオメトリを共有するため、重なり合う可能性があります。同様に、リージョンはポリゴン トポロジの上に存在し、共有されたジオメトリを使用するため、重なり合う可能性があります。

次の図は、カバレッジ データセット内のフィーチャクラス間の関係を示したものです。コンポジット フィーチャクラスは基礎フィーチャクラスから、ルートとセクションはアークから、リージョンはアークとポリゴンから構築されます。このデータ構造を使用すると、基礎フィーチャ タイプを統合されたカバレッジに組み合わせることができます。

カバレッジ内のフィーチャクラス間の関係
カバレッジ内のフィーチャクラス間の関係

リージョンとアークの関係

リージョンは、1 つ以上の重なり合わない外部リング、一連のアーク、ゼロ以上の重なり合わない内部リングから構成されます。

次の図は、リージョンの境界がアークの外部および内部リングによって定義される様子を示したものです。リージョン 1 は 2 つの外部リングから構成され、リージョン 2 は 1 つの外部リングと 2 つの内部リングから構成されています。

カバレッジ内のリージョンとアークの関係
カバレッジ内のリージョンとアークの関係

多くのリージョンが同じアークを使用していても、アークのトポロジは 1 度だけ格納されます。そのため、1 つのアークがトポロジを重複させることなく、複数のリージョンに割り当てられる場合があります。

リージョンとポリゴンの関係

ポリゴンは 1 つ以上のアークから構成され、ポリゴンは同じアークを共有する場合があります(共通の境界)。同様に、リージョンは 1 つ以上のポリゴンから構成され、複数のリージョンが同じポリゴンを共有する場合があります。

1 つのポリゴンがトポロジを重複させることなく、多くのリージョンに割り当てられる場合があります。トポロジは、ポリゴンのみに対して格納されます。

リージョンは、ベース ポリゴンと同じジオメトリを共有します(ユニバース ポリゴンはリージョンに属することができません)。共有ジオメトリ アプローチを使用することで、リージョンは独立して存在せず、1 つ以上のベース ポリゴンから構成されます。

次の図は、2 つのリージョンがポリゴン トポロジの上に存在する様子を示しています。リージョン 1 はポリゴン 2 と 3 から構成され、リージョン 2 はポリゴン 3 と 4 から構成されます。ポリゴン 3 は両方のリージョンに属しています。

カバレッジ内のリージョンとポリゴンの関係
カバレッジ内のリージョンとポリゴンの関係

リージョンのトポロジ

完全に作成されたリージョンは、リージョンとアークの関係とリージョンとポリゴンの関係の両方を持ちます。予備のリージョンは、リージョンとアークの関係は持ちますが、リージョンとポリゴンの関係は持ちません。言い換えれば、予備のリージョンにはポリゴンのトポロジがありません。

5/10/2014