VPF 変換制御ファイル形式およびコマンド
VPF 変換制御ファイル形式
[カバレッジ → VPF(Export To VPF)] ツールまたは [VPF → カバレッジ(Import From VPF)] ツールを使用するときに、オプションの変換制御ファイルを指定することができます。この制御ファイルを使用すると、さらに高度なファイル変換の制御が可能になります。たとえば、VPF からインポートするときに特定の VPF フィーチャクラスを無視したり、VPF にエクスポートするときにアイテムを無視したりできます。
カバレッジを変換するときに、変換制御ファイルの EXPORT セクションに、グローバル コマンド、プリミティブ コマンド、フィーチャ コマンドという 3 つのサブセクションを持たせることができます(必須ではありません)。各サブセクションは任意の数のコマンドを持ち、それぞれ次の EXPORT サブセクションの開始、IMPORT セクションの開始、または(END で示される)変換制御ファイルの終了によって終了します。
制御ファイル コマンド
グローバル コマンド
グローバル コマンドは、VPF テーブル、カバレッジ、ライブラリ、およびデータベースの特定の特性に作用します。
- IGNORE <item1>.... {item9} - 変換の際に INFO アイテムを無視します。1 つの IGNORE ステートメントに最大 9 個のアイテムを指定できます。一度 INFO アイテムを無視すると、そのデータは VPF への変換中に失われ、VPFIMPORT を使用しても再取得できません。
- CREATE NARRATIVE <level> <table> <text_file> {textwidth} (description} - 入力 ASCII テキスト ファイルを VPF 注釈テーブルに変換します。
- CREATESPATIALINDEX <CELL | RANGE> : - 作成される空間インデックスのタイプを指定します。RANGE ベースのインデックスは、MIL-STD-2402 の付録 F(164 ページ)に記載されている式を使用しており、「古い」方法と考えられます。CELL ベースのインデックスは、MIL-STD-2402 の CHANGE NOTICE 1 の付録 F(164 ページ)に記載されている式を使用しており、「新しい」方法と考えられます。空間インデックスのタイプが変換制御ファイル内に指定されていない場合は、デフォルトとして CELL ベースのインデックスが作成されます。
- SET <table> <column> <value> - VPF テーブルの列に特定の値を設定します。
- SET NARRATIVE <vpf_table> <narrative_name> {level} - VPF テーブルに関連付ける注釈テーブルを指定します。
- SET DESCRIPTION <vpf_table> <description> {level} - VPF テーブルに関連付けられるた説明ストリングを指定します。
- SETVDT <vpf_table | Null> <item_name> <info_table> - 指定されたカバレッジの VDT テーブルを、定義済みの形式で INFO ルックアップ ファイルから作成します。
- SETBYTEORDER <least | most> - 変換するすべての VPF テーブルについてバイト オーダーを設定します。
- SET NULL <vpf_table> <item> <info_null_value> - ARC/INFO の VPF に NULL 値をあらかじめ定義できるようにします。たとえば、エクスポート時に特定の VPF テーブルの特定のアイテムの VPF NULL 値として「-9」を定義することができます。VPF へのエクスポート時に、「-9」を持つレコードは、そのアイテム タイプの適切な VPF NULL に変換されます。
- SET COVDESC <description> - カバレッジ属性テーブル(CAT)のカバレッジに使用する説明を指定します。
- NOCAT - このカバレッジをカバレッジ属性テーブルに追加しないように指示します。
- ITEMORDER <item1>....{item9} - エクスポート時にテーブルのアイテムの順序を変更できるようにします。アイテムの順序を正しく保つために、すべてのアイテムをこのコマンド セクション内に指定する必要があります。9 個より多くのアイテムがあるときは、複数の ITEMORDER ラインを続けて使用することができます。グローバル セクションで使用する場合、このコマンドは TABLE オプションを使用したときにのみ有効になります。
プリミティブ コマンド
プリミティブ コマンドは PRIMITIVECLASS コマンドで始まります。PRIMITIVECLASS コマンドは、以降のコマンドの影響を受ける VPF プリミティブ タイプを指定します。
- PRIMITIVECLASS < CND | END | EDG | FAC | RNG | TXT | EBR | FBR >(それぞれ、接続ノード、エンティティ ノード、エッジ、フェイス、リング、テキスト、エッジ境界四角形、およびフェイス境界四角形)。
- ITEMBECOMES <item> <column> {col_type) (count} {keytype} {description} {vdt} {thematic_index} {narrative}
- IGNORE <item1> {item2}............{item9} - 変換の実行時に ARC/INFO プリミティブ テーブルの特定の列を無視します(IGNORE)(ただし、VPF が必要とする列は無視されません)。
- ITEMORDER <item1>....{item9} - エクスポート時にテーブルのアイテムの順序を変更できるようにします。アイテムの順序を正しく保つために、すべてのアイテムをこのコマンド セクション内に指定する必要があります。9 個より多くのアイテムがあるときは、複数の ITEMORDER ラインを続けて使用することができます。
フィーチャ コマンド
フィーチャ コマンドは FEATURECLASS コマンドで始まります。FEATURECLASS コマンドは、以降のコマンドの影響を受ける ARC/INFO フィーチャクラスを指定します。このセクションでは、FEATURECLASS コマンドの構文と機能を説明します。
- FEATURECLASS <arc_feature_class> {feature_table | IGNORE} {description} {info_table | ONE} - 変換時に無視する ARC/INFO フィーチャクラスを指定できる引数、VPF フィーチャ テーブルのソースになる INFO テーブルを名前変更、説明、および指定できる引数、複雑なフィーチャを作成できる引数、ルートおよびリージョン フィーチャクラスのフィーチャとプリミティブ間に 1 対 1 のリレーションシップを強制できる引数があります。
- <arc_feature_class> - 有効なフィーチャクラスは、ARC、NODE、POINT、POLY、ANNO.subclass、ROUTE.subclass、REGION.subclass、SECTION.subclass、および COMPLEX です。COMPLEX の説明については、下記の「複雑なフィーチャの作成」をご参照ください。
- {feature_table | IGNORE} - 作成する VPF テーブルの名前を変更するか、変換中に、指定された <arc_feature_class> を無視します。
- {description} - VPF フィーチャ テーブルの説明を指定します。
- {info_table | ONE} - この引数に info_table 名を指定すると、指定した INFO テーブルから直接 VPF フィーチャ テーブルが作成されます。
- ITEMBECOMES <item> <column> {col_type) (count} {keytype} {description} {vdt} {thematic_index} {narrative}
- ITEMBECOMES <item> <column> {col_type} {count} {keytype} {description} {vdt} {thematic_index} {narrative} - INFO アイテムの VPF 列の定義。
- IGNORE <item1> {item2...item3} - INFO アイテムを無視します。
- GROUPBY <column> - {info_name} を指定したときに限り、FEATURECLASS ブロック内で有効になります。変換の際には、INFO テーブルの指定した列が VPF フィーチャの ID になります。これにより、この列の同じ値を持つすべてのレコードが 1 つのレコード(1 つのフィーチャ)にグループ化されます。
- JOIN <vpf_table> <info_table>
- SCHEMA {table1} {key1} {table2} {key2}
- ITEMORDER <item1>....{item9} - エクスポート時にテーブルのアイテムの順序を変更できるようにします。アイテムの順序を正しく保つために、すべてのアイテムをこのコマンド セクション内に指定する必要があります。9 個より多くのアイテムがあるときは、複数の ITEMORDER ラインを続けて使用することができます。
複雑なフィーチャの作成
複雑な VPF フィーチャは、たとえば下のコマンドのように、<arc_feature_class> として COMPLEX を指定することによって作成できます。
FEATURECLASS COMPLEX airport.cft ‘Airports’ airport.ftr
これにより、「airport.cft」という名前の複雑な VPF フィーチャ テーブルが作成され、空港の説明が INFO テーブル airport.ftr から設定されます。
COMPLEX を使用するときは、フィーチャ対フィーチャおよびフィーチャ対プリミティブのリレーションシップの定義はユーザの責任になります。そのため、COMPLEX フィーチャクラスを指定した FEATURECLASS コマンドの後には、SCHEMA コマンドと必要なだけの JOIN コマンドを指定する必要があります。