ジオデータベース管理に関する基本用語

以下のリストでは、ジオデータベースの管理について説明する際に使用されるいくつかの用語の定義を示します。

用語

定義

ArcSDE サービス

ArcSDE サービスは、ArcSDE アプリケーション サーバまたは 3 層構造とも呼ばれ、ジオデータベースに接続し、GIS アプリケーションに空間データを配信します。

最適化

最適化操作では、ディスクに格納されたファイル ジオデータベースおよびパーソナル ジオデータベースのファイルのクリーンナップ、レコードの並べ替え、および未使用スペースの除去が行われます。

圧縮

ファイル ジオデータベースのベクタ データに関する圧縮操作は、データを凝縮することを意味します。結果として、ディスク領域の使用量が削減されます。圧縮されたファイル ジオデータベースのデータは編集できません。編集の前に圧縮を解除する必要があります。

エンタープライズ、ワークグループ、またはデスクトップ ジオデータベースのバージョン対応データに関する圧縮操作は、参照されなくなったステートと、それらに関連する差分テーブルの行を削除し、すべてのバージョンに共通する差分テーブル内のエントリをベース テーブルに移動することを意味します。これにより、各バージョン クエリに応じてデータベースが検索するデータ量が削減され、クエリのパフォーマンスが向上するとともに、システムの応答時間が短縮されます。

データベース認証

データベース認証は、ユーザがデータベースへの接続行う際の認証情報を検証する方法の 1 つです。この方法では、ユーザはデータベース ユーザの名前とパスワードを提示し、データベースがユーザの接続を許可するか拒否します。

ダイレクト コネクション

ジオデータベースへのダイレクト コネクションは、DBMS(データベース管理システム)の接続メソッド、およびクライアント アプリケーションのダイレクト コネクション ドライバを使用して行われる接続です。接続は、ArcSDE サービスを使用せずに、クライアントから DBMS に対して直接行われます。ダイレクト コネクションは、2 階層構成とも呼ばれます。

エンタープライズ ジオデータベース

エンタープライズ ジオデータベースは、ArcGIS for Server Enterprise でライセンスされた、データベース管理システムに格納されたマルチユーザ ジオデータベースです。

ジオデータベース管理者

ジオデータベース管理者は、エンタープライズ ジオデータベースを管理するためのログイン アカウントです。管理タスクには、ジオデータベースの作成、圧縮操作、アップグレード、ロックとユーザ接続の管理、およびシステム テーブルの保守などがあります。

ジオデータベース管理者は、ArcSDE 管理者または sde ユーザとも呼ばれます。

ジオデータベース リポジトリ

ジオデータベース リポジトリは、ジオデータベースの作成に必要な最小限のコンポーネントで構成され、システム テーブル、ストアド プロシージャ、関数、およびタイプが含まれます。

ジオデータベースのバージョニング

ジオデータベースのバージョニングは、ユーザが互いの編集内容を上書きしたり、他のユーザによるデータの読み取りや編集を妨げたりすることなく、複数のユーザが同じデータを編集できるようにする方式です。バージョニングはデータセットごとの編集内容を記録するテーブルと、データの複数の編集状態を記録するシステムテーブルによって実現されます。

オペレーティング システム認証

オペレーティング システム認証は、ユーザがデータベースへ接続を行う際の認証情報を検証する方法の 1 つです。この方法では、ユーザのログイン情報は、接続しているクライアント コンピュータのオペレーティング システムから読み取られます。データベースはこの情報を使用して接続の可否を判断します。接続を行うユーザまたはアプリケーションは、ユーザ名またはパスワードを別途提示する必要はありません。

空間ビュー

空間ビューは、通常のテーブルの属性列に加えてGIS データの空間フィールドを含むデータベース ビューです。

アップグレード

ジオデータベースでは、アップグレード操作によってジオデータベースのシステム テーブル、ストアド プロシージャ、関数、およびタイプが更新され、新しい機能やバグ修正が提供されます。

ジオデータベースをアップグレードするには、[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを使用します。

ジオデータベースをアップグレードする場合は、これらを ArcGIS for DesktopStandard または Advanced)、ArcGIS Engine Runtime と Geodatabase Update エクステンション、もしくは ArcGIS for Server Standard または Advanced がインストールされているコンピュータから実行する必要があります。ツールまたはスクリプトからジオデータベースへのダイレクト コネクションを作成する必要があり、接続に使用するログイン アカウントはアップグレードの実行に必要な権限を備えている必要があります。

ファイル ジオデータベースまたはパーソナル ジオデータベースをアップグレードする場合は、ArcGIS for DesktopBasic)がインストールされたコンピュータからジオプロセシング ツールまたは Python スクリプトを実行することもできます。

バージョン対応ビュー

バージョン対応ビューは、SQL(Structured Query Language)を使用してジオデータベース テーブルまたはフィーチャクラスにあるバージョン対応のデータを読み取りまたは編集できるよう、データベース ビュー、ストアド プロシージャ、トリガ、および関数が組み込まれています。バージョン対応ビューを検索するときに、ベース(ビジネス)テーブルにあるデータと、差分テーブルに格納されている編集を表示できます。バージョン対応ビューで使用されるトリガにより、SQL を使用してバージョン対応ビューを編集したときに差分テーブルが更新されます。

5/10/2014