ArcGIS ソフトウェアのエラー レポート
ArcGIS for Desktop アプリケーションは、エラー情報をキャプチャすることができ、これを Esri の開発チームに送信して、問題の分析と修正を行います。Esri では、さまざまな理由から、ユーザにできるだけのエラー レポートを送信していただくよう推奨しています。
Esri に送付されたエラー レポートには、多くの場合、他の手段では追跡できない問題を修復するのに役立つ重要で詳細な情報が含まれています。このようなエラーの多くは簡単には再現できません。このような種類のエラーはさまざまな状況で発生します。たとえば、ソフトウェアを非常に長時間利用しているときにメモリ リークが発生して使用可能なシステム リソースが減少した場合、ハードウェアの限界に達した場合、使用している ArcGIS のバージョンで動作するようにまだアップデートされていないサードパーティ製ソフトウェア エクステンションを使用した場合などです。
ArcGISErrorReport@esri.com に送付されたエラー レポートによって、Esri の開発チームは、ソフトウェアをどのように改良すれば、このようなエラーが今後起きないようにできるかを知ることができます。
同じ手順で繰り返し発生するエラーに遭遇したときは、Esri のサポート サービスに連絡して、エラーが発生する問題を再現する手順を知らせてください。
ユーザのシステムで発生した直近 10 個のエラーのレポートがローカル ハード ディスクの次のアプリケーション データの場所に保存されています。Windows XP と Server 2003 では、次の場所です。
C:\Documents and Settings\<User Name>\Application Data\ESRI\ErrorReports
Windows Vista、7、および Server 2008 では、次の場所です。
C:\Users\<User Name>\AppData\Local\ESRI\ErrorReports
このようなエラー レポートは、すべての ArcGIS for Desktop アプリケーションおよびエクステンション、ArcGIS for Server について作成されます。Esri は、今後のリリースで他の製品でも同様のレポート機能を提供する予定です。
Esri はすべてのエラー レポートを機密情報として扱います。この取り扱いについては、Esri 個人情報保護方針をご参照ください。
エラー レポートの送信
ArcGIS で重大なエラーが発生すると、Esri にエラー レポートを送信するかどうかを確認する画面が表示されます。[エラー報告の送信] を選択すると、このエラー レポートは、Esri の開発チームに直接送信されます。
エラー レポートを送信するときは、電子メール アドレスと、[エラー レポート] ダイアログ ボックスおよびシステム情報が表示される原因となった手順の詳細を必要に応じて指定できます。追加情報が必要な場合には、Esri の開発チームからユーザに連絡することがあります。
デフォルトのオプションでは、Web サービスを使用してエラー レポートが送信されます。エラー発生時にインターネットに接続していなかった場合、エラー レポートを受け取る Web サービスが一時的に使用できなかった場合、システム管理者がエラー レポート Web サービスの使用を禁止している場合、またはコンピュータに .NET Framework 2.0 がインストールされていない場合は、ダイアログ ボックスが表示され、エラー レポートをフォルダに保存して、指定の電子メール アドレスにレポートを手動で送信するよう指示されます。
電子メールを使用してエラー レポートを送信するときは、エラー レポート ファイルをディスクに保存する画面が表示されます。この場合は、エラー レポート ファイルを電子メールに添付し、[エラー レポート] ダイアログ ボックスが表示される原因となった手順の詳細を追加する必要があります。すべてのエラー レポートの送信先電子メール アドレスは Web ページに表示されています。
エラー レポートの設定
ArcGIS の管理者は、ローカル コンピュータのレジストリをカスタマイズすることで、組織におけるエラー レポートの処理方法を設定できます。
エラー レポート
直近の 10 個のエラー レポートがディスクの次の場所に保存されています。
%LOCALAPPDATA%\ESRI\ErrorReports\
レジストリの設定 - 場所
HKCU\Software\ESRI\Settings\ErrorReports
設定 |
タイプ |
説明 |
---|---|---|
EnableErrorReport |
DWORD |
0 に設定した場合、エラー レポートは無効になります。エラーが発生したことを通知するダイアログ ボックスが表示されます。 |
ShowErrorDialog |
DWORD |
0 に設定した場合、ダイアログ ボックスは表示されません。 |
EmailAddress |
String |
ダイアログ ボックスに表示される電子メール アドレス。 |
YourEmailAddress |
String |
Web サービスに送信される電子メール アドレス。 |
EnableWebService |
DWORD |
1 に設定した場合、エラー レポートが Web サービスに送信されます。 |
CacheSize |
DWORD |
ディスク上に保存されるエラー レポートの数 |
レジストリ キーの組み合わせとその結果行われる処理
EnableErrorReport |
ShowErrorDialog |
EnableWebService |
処理 |
---|---|---|---|
1 |
1 |
1 |
エラー レポートを Esri に送信するかどうかをたずねるメッセージが表示されます。エラー レポートはローカル ディスクに保存されます。 |
1 |
1 |
0 |
エラー レポートを保存して、それを Esri に電子メールで送信するかどうかをたずねるメッセージが表示されます。エラー レポートはローカル ディスクに保存されます。 |
1 |
0 |
0 |
ダイアログ ボックスは表示されません。エラー レポートはローカル ディスクに保存されます。 |
1 |
0 |
1 |
ダイアログ ボックスは表示されず、エラー レポートが自動的に Esri に送信されます。エラー レポートはローカル ディスクに保存されます。 |
0 |
任意 |
任意 |
重大なエラーが発生したことを示すメッセージが表示されます。エラー レポートはローカル ディスクに保存されます。 |
エラー レポートを受け取った Esri 側の対応
Esri では、可能な限り、ソフトウェアの問題を解決し修復したいと努力しています。ユーザから報告された問題にはすべて目を通しています。
Esri は自動化されたシステムを使用して、ユーザから受け取ったすべてのエラー レポートを記録し、問題の初期分析を実行しています。また、それぞれの問題が報告された回数も調査しています。問題はそれぞれ特定の開発チームが担当し、担当チームが問題を評価して対策を決定します。
修正できる問題はすべて特定して、バグ修正によって対応します。修正プログラムはテストと検証を行って、サービス パックまたは次回のソフトウェア メジャー リリースに組み込まれます。
ユーザから送信されたエラー レポートによって特定されたバグのうち、かなりの部分は修正でき、レポートされたすべての問題に対して修正を試みます。しかし、場合によっては、問題を把握して修正プログラムを作成できるだけの有効な情報をレポートから入手できないこともあります。