ArcGIS におけるデータベース サーバの役割
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
ArcGIS ソフトウェアにおいて「データベース サーバ」という用語は、ジオデータベースの格納に対応した Microsoft SQL Server Express のインスタンスを指します。
ジオデータベースの作成を含むデータベース管理タスクは、カタログ ウィンドウ内または ArcCatalog 内の [Database Servers] ノードを介して行います。ArcGIS for Desktop を介してデータベース サーバとそのジオデータベースの管理を実行することにより、ソフトウェアまたはデータベース管理に関する特別な専門知識がなくても、データベース サーバが提供する ArcSDE ジオデータベースを作成し使用できます。
データベース サーバ上のジオデータベースへの接続は常にダイレクト コネクションであり、クライアントの ArcSDE ライブラリ ファイルを使用して接続を確立します。ここでいうクライアント アプリケーションとは、ArcGIS for Desktop(Standard または Advanced ライセンス レベル)、ArcGIS Engine、および ArcGIS for Server Workgroup です。
これらの製品のメディアには SQL Server Express のインストーラが収録されています。SQL Server Express インスタンスを作成し、ウィザードを実行して、インスタンスでのジオデータベースの格納を有効にします。以後、クライアント アプリケーション内のライブラリを使って、データベース サーバへの接続と操作、およびデータベース サーバでのジオデータベースの作成と操作が可能になります。
ArcGIS for Desktop(Standard と Advanced)および ArcGIS Engine では、データベース サーバをセット アップしてジオデータベースを作成した場合、データベースにアクセスできる人数は 2 ~ 3 人で、一度に編集できるのは 1 人だけです。
ArcGIS for Server Workgroup を使用し、ArcGIS for Desktop 内からデータベース サーバをセット アップしてジオデータベースを作成した場合、データベースには同時に 10 人までアクセスでき、全員が同時に編集できます。ArcGIS for Server Workgroup でライセンスされたデータベース サーバを使用しているなら、Web アプリケーションを使用していて、Web アプリケーションを使用してジオデータベースに接続している場合、接続数に制限はありません。
次の表は、データベース サーバ上に作成されたジオデータベースで利用可能な機能の一覧です。
クライアントとデータベースの接続の種類 |
ダイレクト コネクション |
データベースの管理 |
ArcGIS for Desktop または ArcObjects を使用 |
CPU 制限 |
1 |
使用されるバックアップ/リカバリ モデル |
単純 |
ユーザによるジオデータベース設定の変更の可/不可 |
いいえ |
ユーザ/グループ ログインの種類 |
オペレーティング システム(Windows)認証 |
言語/ローカライズ |
サーバと同じコード ページを使用 |
XML 列のサポート |
可能(ArcGIS 9.3 以降のリリース) |
バージョン対応編集のサポート |
はい |
履歴管理のサポート |
はい |
レプリケーションのサポート |
はい |
ユーザ定義ビューのサポート |
いいえ |
SQL Server の空間タイプのサポート |
可能(ArcGIS 9.3 以降のリリース) |
ST_Raster 格納タイプのサポート |
いいえ |