ArcGIS での LAS 分類の操作

LAS ファイル 内の LIDAR ポイントはそれぞれ、独自の分類コード セットを持つことができます。LIDAR データを分類すると、標高点を特定のデータクラスに系統立てながらも、ひとまとまりのデータ コレクションとして LAS ファイル内に保持できます。それらの分類コードは一般的に、レーザー パルスを反射したオブジェクトのタイプを表します。ポイントの分類は通常、データ ベンダが行いますが、点群に対して半自動的な方法で、各ポイントに関連付けられたフィーチャ タイプを割り当てます。LIDAR ポイントは、地表面、植生、水域などのいくつかのカテゴリに分類できます。分類クラスの定義には、LAS ファイルの整数値のコードを使用します。以下の表に、LAS 1.1 標準で規定されている LAS 分類コードを示します。

クラス コード	分類タイプ
0	分類不可
1	未分類
2	地面
3	低植生
4	中植生
5	高植生
6	建物
7	ノイズ
8	モデル キー
9	水域

LIDAR の分類の詳細については、「LIDAR ポイントの分類」をご参照ください。

LAS データセットを使用すると、LAS データセットが参照する LAS ファイル内に定義されている分類コードを、表示、解析、編集することができます。分類値に対しては解析操作を実行できます。

LAS クラス コードの表示

LAS データセット レイヤの LIDAR 分類コードを表示するには、ArcMap または ArcScene で [LAS データセット] ツールバーまたは [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスのどちらかを使用します。

LAS データセット ツールバーでの分類コードの表示

[LAS データセット] ツールバーで、ポイント ドロップダウン メニューをクリックし、[クラス] を選択します。

レイヤ プロパティによる分類コードの表示

手順:

1. コンテンツ ウィンドウで LAS データセット レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
2. [シンボル] タブをクリックします。
3. 既存のレンダラを除去します（または、オフにします）。
4. [追加] ボタンをクリックして [レンダリングの追加] ウィンドウを開きます。
5. リストから [一意のシンボルでグループ化された LAS 属性] ポイントベースのレンダラを選択し、[追加] をクリックし、[終了] をクリックして、[レンダリングの追加] ウィンドウを閉じます。
6. [LAS 属性] ボタンをクリックし、ポイントのシンボル表示に使用する別の属性を選択します。
7. [分類] 属性を選択し、[LAS 属性の選択] ダイアログ ボックスで [OK] ボタンをクリックします。
8. [すべての値を追加] ボタンをクリックし、LAS 分類コードの公式リストを読み込みます。
9. [OK] をクリックします。

LAS 分類コードの操作

LAS ファイル内の分類コードを操作するには、ジオプロセシング ツールを使用するか、ArcMap の [LAS データセットの断面図ビュー] ウィンドウに用意されているツールを使用します。分類コードの詳細については、「LAS ポイント分類の編集」をご参照ください。

LAS データセットが参照する LAS ファイル用の LIDAR ポイント分類を変更できるジオプロセシング ツールは、次の 2 種類あります。

LAS データセット分類編集用のジオプロセシング ツール

ジオプロセシング ツール	説明
LAS クラス コードの変更（Change LAS Class Codes）	LAS データセットが参照する LAS ファイルの分類コードを変更します。このツールはある分類コードを完全に別の分類コードに変更します。これは、LAS 1.1 仕様の分類標準が導入される前に作成された LAS ファイルの分類を更新するときに特に便利です。このツールを使用すると、それらのデータが現在の標準に準拠しているかを確認できます。
フィーチャから LAS クラス コードを設定（Set LAS Class Codes Using Features）	追加フィーチャを使用して、LIDAR ポイントに割り当てられた LIDAR 分類コードを変更します。

LAS データセットの [断面図ビュー] ウィンドウ（[LAS データセット] ツールバーからアクセス可能）で使用可能なツールを使用して、分類値を対話形式で編集できます。

また、クラス コードの統計をレポートに生成したり、[LAS データセット プロパティ] ダイアログ ボックスで表示したりできます。さらに、主要なクラス コードのラスタを格納場所別に作成することもできます。分類コードの統計解析を実行できるツールとしては、次の 2 種類があります。

LAS データセット統計用のジオプロセシング ツール

ジオプロセシング ツール	説明
LAS データセットの統計情報（LAS Dataset Statistics）	LAS データセットの統計情報を計算または更新し、オプションの統計情報のレポートを作成します。
LAS ポイント統計をラスタに出力（LAS Point Statistics As Raster）	LAS データセットが参照する LAS データ ポイントの統計情報を保存するためのラスタを作成します。

注意:

ArcGIS で分類コードの変更に基づいて LAS ファイルを新規に作成することはできません。現在 LAS ファイル内に定義されている分類を編集できるだけです。LAS ファイル内の分類コードに変更を加えた場合、あらゆる変更を元に戻せなくなります。なんらかの仮説シナリオを導く場合や、変更を元に戻せるようにする場合は、LAS ファイルのオリジナルではなくコピーを処理対象にしてください。