使用可能な WMS サービス プロパティ
このトピックでは、WMS サービスのためにシステム生成のケーパビリティ ファイルを使用するときに利用できるプロパティについて説明します。外部ケーパビリティ ファイルを使用した WMS メタデータの定義の詳細については、「WMS サービスでの外部ケーパビリティ ファイルの使用」をご参照ください。
WMS サービス プロパティへのアクセス
WMS サービスのプロパティにアクセスする詳細な手順については、次のトピックをご参照ください。
- Manager での WMS サービス プロパティへのアクセス
- ArcGIS for Desktop での WMS サービス プロパティへのアクセス
WMS サービス プロパティ
次の表は、WMS サービスで使用可能なプロパティとそれぞれの説明をまとめたものです。
プロパティ | 説明 |
---|---|
名前(Name) | OGC サービス タイプ。このプロパティは ArcGIS Server によって自動的に設定されます。値を変更しないでください。 |
題名(Title) | WMS サービスの作成に使用されたマップまたはイメージ サービスの名前。このプロパティは ArcGIS Server によって自動的に設定されます。値を変更しないでください。 |
概要(Abstract) | WMS サービスに関する追加情報を提供する説明文。次に例を示します。 Acme Corporation が管理する WMS サービス。連絡先:webmaster@wmt.acme.com。ワシの巣と巣作りの可能性のある場所を示した高品質のマップ。 |
キーワード(Keywords) | カタログ検索を支援する WMS サービスを説明したキーワードまたはキーワード語句のリスト。次に例を示します。 マップ、鳥、ワシ、巣、サイト |
オンライン リソース(Online Resource) | OnlineResource プロパティは、WMS サービスの URL を示します。これは、WMS クライアントが WMS サービスと正しくやり取りするために必要です。このプロパティは ArcGIS Server によって自動的に設定されます。値を変更しないでください。 |
担当者(ContactPerson) | WMS サービスの主要な連絡先担当者。次に例を示します。 John Smith |
役職(ContactPosition) | WMS サービスの連絡先担当者の立場。次に例を示します。 IT アナリスト |
組織(ContactOrganization) | WMS サービスを作成した組織。次に例を示します。 NASA |
住所タイプ(Address type) | WMS サービスを作成した組織が使用する住所の種類。次に例を示します。 郵便 |
住所(Address) | WMS サービスを作成した組織の住所。次に例を示します。 380 New York Street |
市区町村(City) | WMS サービスを作成した組織が所在する都市。次に例を示します。 Redlands |
都道府県(StateorProvince) | WMS サービスを作成した組織が所在する州。次に例を示します。 カリフォルニア |
郵便番号(PostCode) | WMS サービスを作成した組織の郵便番号。次に例を示します。 92373 |
国(Country) | WMS サービスを作成した組織が所在する国。次に例を示します。 USA |
電話番号(ContactVoiceTelephone) | WMS サービスの主要な連絡先担当者の電話番号。次に例を示します。 +1 909 793-2853 |
FAX 番号(ContactFacsimilieTelephone) | WMS サービスの主要な連絡先担当者のファックス番号。次に例を示します。 +1 123 456-7890 |
電子メール アドレス(ContactElectronicMailAddress) | WMS サービスの主要な連絡先担当者の電子メール アドレス。次に例を示します。 user@host.com |
料金(Fees) | WMS サービスにアクセスするときに課される料金について説明したテキスト。次に例を示します。 none |
アクセス制限(Access constraints) | WMS サービスへのアクセスと使用に関する制約や法的条件を説明したテキスト。 内部使用のみ。配布を禁止します。 |
SLD パスあるいは URL(SLD Path or URL) | SLD を使用すると、WMS レイヤごとに複数のスタイルを公開することができます。SLD ファイルを現在の WMS サービスにバインドする場合は、SLD パスまたは URL プロパティ、ネットワーク共有、または SLD MXL ファイルの物理的な位置を入力する必要があります。ArcGIS Server アカウントは、ArcGIS Server が SLD XML ファイルを正しく読み取るために、その位置にアクセスする必要があります。 SLD の詳細については、「WMS サービスでの Styled Layer Descriptors の使用」をご参照ください。 |
そのほかの空間参照系 | このプロパティは、WMS サービスに空間参照系を追加するために使用されます。デフォルトでは、WMS は 2 つの空間参照系(EPSG:4326 または、WMS 1.3.0 の場合は CSR:84)と、WMS が有効になっているマップ サービスの空間参照)だけをリストします。 追加の空間参照系をリストするには、空間参照系をカンマ(,)で区切ります。たとえば、EPSG:4267,EPSG:4269,EPSG:102113 のように指定します。EPSG 名前空間(EPSG など)と EPSG ID(4267 など)をコロン(:)で区切る必要があります。このように指定しないと、空間参照がサーバに認識されません。 |
マップ ドキュメントからレイヤ名を使用する | デフォルトでは、このオプションはオフにされます。その場合、WMS サービスのレイヤは 0 から始まる整数で表され、その整数はコンテンツ ウィンドウ内にトップダウン式に表示されたレイヤの位置を示します。 このチェックボックスをオンにすると、レイヤ名は、マップ ドキュメントのコンテンツ ウィンドウ内で使用されているものと同様の文字列で表示されます。マップ内のすべてのレイヤ名は一意でなければなりません。また、名前に &、<、>、"、' の文字を使用することはできません。これらの文字の 1 つを使用する必要がある場合は、下の置換文字表をご参照ください。 |
幅と高さに基づきマップ リアスペクトを適用 | このプロパティにより、マップがリアスペクトされるかどうかが決まります。デフォルトでは、このオプションはオフにされています。その場合、マップ エリアを表すピクセルは、WMS クライアントの要求する高さと幅に合わせてストレッチされます。 このオプションをオンにすると、ピクセルの高さと幅の比率は保たれます。マップが全体表示で要求された場合、表示エリア全体を満たさない可能性があります。 |
IdentifyToleranceInPixel プロパティの設定
IdentifyToleranceInPixel プロパティを使用すると、画面上でクリックしたときに GetFeatureInfo オペレーションでクライアントに返されるフィーチャ情報の許容値(ピクセル単位)を定義できます。たとえば、WMS に対してピクセル許容値 10 を定義すると、画面上の 10 ピクセル以内のフィーチャをクリックした場合に限りクライアントに情報が返されます。
このプロパティは ArcGIS Server Administrator Directory を使用しないと、WMS プロパティのリストに追加できません。Administrator Directory にアクセスしてこのプロパティを追加するには、以下の手順に従います。
- ブラウザで Administrator Directory を開き、ログインします。通常、Administrator Directory への URL は、http://localhost:6080/arcgis/admin/ です。
- [services] をクリックします。
- [Folder - /] ページで、編集する、WMS を有効にしたマップ サービスの名前をクリックします。サービスがリストに表示されていない場合は、ルート フォルダ以下のサブフォルダにある場合があります。
- [Service - <サービス名> (MapServer)] ページで下までスクロールし、[edit] をクリックします。
- [Service Properties] ダイアログ ボックスを開き、["typeName": "WMSServer"] セクションを見つけます。
- ["properties": {] セクション内で、[IdentifyToleranceInPixel] プロパティを追加し、必要なピクセル許容値を指定します。次に例を示します。
"properties": { "IdentifyToleranceInPixel": "10", ...
- [編集の保存] をクリックします。
[IdentifyToleranceInPixel] プロパティが WMS に追加されます。
listCustomCRS プロパティの設定
listCustomCRS プロパティを使用すると、WMS サービスのカスタム投影や、投影の WKT(Well Known Text)表現を定義できます。つまり、WMS の公開者やユーザは以下のことを行うことができます。
- カスタム投影に ID を割り当てて WMS ケーパビリティ ファイルを介して提供する。
- WKT 文字列を使用して既存の投影を上書きする。
- Well-Known Text(WKT)を直接指定して、特定の投影のマップをリクエストする。
このプロパティは ArcGIS Server Administrator Directory を使用しないと、WMS プロパティのリストに追加できません。Administrator Directory にアクセスしてこのプロパティを追加するには、以下の手順に従います。
- ブラウザで Administrator Directory を開き、ログインします。通常、Administrator Directory への URL は、http://localhost:6080/arcgis/admin/ です。
- [services] をクリックします。
- [Folder - /] ページで、編集する、WMS を有効にしたマップ サービスの名前をクリックします。サービスがリストに表示されていない場合は、ルート フォルダ以下のサブフォルダにある場合があります。
- [サービス - <サービス名> (MapServer)] ページで下までスクロールし、[edit] をクリックします。
- [Service Properties] ダイアログ ボックスを開き、["typeName": "WMSServer"] セクションを見つけます。
- ["properties": {] セクション内で、listCustomCRS プロパティを追加し、カスタム投影または投影の WKT 表現を定義します。たとえば、WMS サービスのデフォルトのカスタム投影を定義するには、以下の手順を実行します。
"properties": { "listCustomCRS": "EPSG:200001=DEFAULT", ...
- [編集の保存] をクリックします。
[listCustomCRS] プロパティが WMS に追加されます。カスタム投影、WKT の定義、および特定の投影のマップをリクエストする方法の詳細については、「WMS サービスのカスタム投影の定義」をご参照ください。
サービス プロパティ内の特殊文字
いずれのサービス プロパティでも、&、<、>、"、および ' の文字は使用できません。こうした文字を使用する場合、次に示した表の適切なエスケープ文字列で置換する必要があります。
文字 | 置き換える文字 |
---|---|
& |
& |
< |
< |
> |
> |
" |
" |
' |
' |