ArcGIS 10.1 for Server (Linux)

OGC（Open Geospatial Consortium）の WMTS（Web Map Tile Service）仕様は、キャッシュされた画像タイルを使用して Web でデジタルマップを提供するための国際仕様です。ArcGIS for Server を使用してキャッシュされたマップまたはイメージサービスを作成すると、サービスとそのタイルは自動的に WMTS 仕様を使用してアクセスできるようになります。

WMTS サービスを使用する理由

キャッシュされたマップまたはイメージサービスを公開して、さまざまなプラットフォームやクライアントに認識させたい場合には、WMTS サービスが役立ちます。また、WMTS サービスは、ArcGIS for Server がキャッシュされたマップまたはイメージサービスを OGC クライアントで高速に実行するための方法としても効果的です。

スコープと互換性

WMTS 1.0.0 仕様と RESTful または KVP エンコーディングをサポートするように構築されたクライアントは、WMTS サービスを表示および利用することができます。SOAP エンコーディングはサポートされません。

クライアントアプリケーションは、サービスの URL にパラメータを追加することにより、WMTS サービスを操作します。キャッシュされたマップまたはイメージサービスから作成された WMTS サービスは、以下のオペレーションをサポートします（RESTful および KVP エンコーディングのみ）。

サービスに関するメタデータのリクエスト（GetCapabilities）
キャッシュ内の個々のタイルリソースのリクエスト（GetTile）

WMTS サービスの詳細については、OGC の Web サイトをご参照ください。Esri の「Standards and Interoperability」の Web ページでも、ArcGIS での OGC サービスのサポートについて説明しています。

WMTS サービスの公開

WMTS サービスを公開するには、キャシュされたマップまたはキャッシュされたイメージサービスを作成する必要があります。他のタイプの OGC サービスと異なり、キャッシュされたマップまたはイメージサービスを作成するときに有効にする WMTS ケーパビリティオプションはありません。WMTS は常に有効です。キャッシュされたマップまたはイメージサービスを作成する処理の詳細については、以下のトピックをご参照ください。

WMTS サービスの利用

ArcGIS Server で実行されている WMTS サービスは、RESTful または KVP の WMTS リクエストのいずれかを行える任意のクライアントで利用できます。

クライアントのタイプ

WMTS サービスの最も単純なクライアントは Web ブラウザです。その他にも、WMTS サービスを利用できるさまざまなサードパーティクライアントがあります。ArcGIS for Server によってホストされた WMTS サービスを利用するには、クライアントが WMTS 1.0.0 をサポートしている必要があります。WMTS サービスを利用できるサードパーティ製のクライアントについては、以下のリンクにアクセスしてください。

URL の構造

WMTS サービスを利用するには、次の形式で URL を指定する必要があります。

キャッシュされたマップサービスの場合: http://<サーバ名>:<ポート>/arcgis/rest/services/<フォルダ名（必要に応じて）>/<マップサービス名>/MapServer/WMTS
たとえば、キャッシュされたマップサービスを WMTSDemoService という名前で作成し、このサービスを MyServer サーバの DemoFolder フォルダにポート番号 6080 で公開する場合、URL は次のようになります。
http://MyServer:6080/arcgis/rest/services/DemoFolder/WMTSDemoService/MapServer/WMTS
キャッシュされたイメージサービスの場合: http://<サーバ名>:<ポート>/arcgis/rest/services/<フォルダ名（必要に応じて）>/<イメージサービス名>/ImageServer/WMTS
たとえば、キャッシュされたイメージサービスを WMTSDemoService という名前で作成し、このサービスを MyServer サーバの DemoFolder フォルダにポート番号 6080 で公開する場合、URL は次のようになります。
http://MyServer:6080/arcgis/rest/services/DemoFolder/WMTSDemoService/ImageServer/WMTS

GetCapabilities および GetTile オペレーションの WMTS リクエストは、この URL に HTTP を使用して発行されます。そして、これらのリクエストに対する応答と例外がクライアントに返されます。特定の WMTS リソースの URL を作成する方法については、OGC WMTS 1.0.0 仕様または ArcGIS Server REST API WMTS のドキュメントをご参照ください。

9/14/2013