Web アプリケーションでの印刷

Web アプリケーションからのマップの印刷には複数の操作が必要です。これらの操作には、複数のサービスのマージ、レイヤの表示設定の管理、レイアウトへのアイテムの追加、マップにグラフィックスをかぶせる、などがあります。これらの操作を容易に行えるように、ArcGIS Server には PrintingTools というジオプロセシング サービスが用意されています。Web アプリケーションを開発するときには、PrintingTools サービスを呼び出して、そこから高カートグラフィック品質の印刷可能な画像を取得できます。高度な印刷やサイズの大きい用紙への印刷の場合は、Python スクリプトを使用して Web マップを ArcMap ドキュメント（MXD）に変換し、MXD をさまざまな印刷の形式にエクスポートすることができます。

PrintingTools サービス

PrintingTools は Utilities フォルダにある事前に設定されたサービスです。このサービスはデフォルトでは停止しています。印刷ワークフローをサポートしたい場合は、ArcGIS Desktop または ArcGIS Server Manager を使用してサービスを開始する必要があります。

ArcGIS Web API は、PrintingTools サービスと通信して印刷可能なマップを取得できるウィジェットを備えています。PrintingTools サービスの URL を指定すると、ウィジェットにより残りの作業が行われます。

Web API の外部で PrintingTools サービスを呼び出す必要がある場合、あるいは、このサービスの基盤である Web マップのエクスポート（Export Web Map）ツールを ArcGIS Desktop または Python スクリプトから実行したい場合は、Esri ExportWebMap 仕様に従ってマップの現在の状態の JSON（JavaScript Object Notation）定義を指定する必要があります。Web API を使用している場合は、これは不要な、高度なワークフローです。

PrintingTools には、選択できる事前に定義されたマップ レイアウトのセットが用意されています。独自のマップ レイアウトを使用したい場合は、PrintingTools と同様の Web マップ印刷用の独自のサービスを公開し、レイアウトの独自のフォルダで参照できます。詳細については、「印刷用の独自レイアウトの使用」と「チュートリアル: 印刷用サービスの公開」をご参照ください。

Python を使用した高度な印刷

大型の用紙サイズを使用するジョブなど、高度な印刷シナリオでは、PrintingTools をまったく使用しません。代わりに、ArcGIS に付属の arcpy.mapping Python モジュールを使用できます。たとえば、arcpy.mapping には、Web マップを ArcMap ドキュメント（MXD）に変換する関数があります。MXD を用意したら、他の arcpy.mapping 関数を使用してこのドキュメントをさまざまな形式にエクスポートし、マップ ブックに追加したり、サーバ上の高解像度のデータを参照することができます。

Python スクリプトを Web アプリケーションで使用できるようにするには、ArcGIS Server ジオプロセシング サービスを介してスクリプトを公開できます。詳細については、「Web マップの高度な印刷」をご参照ください。