演習 3: ジオデータベースのアタッチ、作成、バックアップ、およびアップグレード
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
ジオデータベースの移動を行うには、あるデータベース サーバからジオデータベースをデタッチし、新しい場所にコピーして別のデータベース サーバにアタッチすることで、ジオデータベースを移動することができます。このような移動操作は、たとえば、コンサルタントやクライアントにデータを配信するとき、新しいコンピュータ上に新しいデータベース サーバをセット アップしてジオデータベースを移動するとき、プロジェクトのさまざまなステージを通して(組織内の別の担当者や部署が各ステージを完了するごとに)データを移動するときなどに便利です。
この演習では、コンサルタントが初期データの作成を代行しデータベース ファイルが送付されていて、対象のデータはデータベース サーバにアタッチして編集できる状態にあると想定しています。この例で、コンサルタントがジオデータベースの作成に使った ArcGIS は、以前のバージョンのものです。そのため、ジオデータベースをアタッチし終わったら、バックアップ作成後にアップグレードします。
既存のジオデータベースのアタッチ
ここでは、buildings08 ジオデータベースをデータベース サーバにアタッチします。このジオデータベースには、さまざまな種類の Osokopf 島の建物についてのデータが格納されています。
- ArcMap を起動し、カタログ ウィンドウを開いて、カタログ ツリーの [Database Servers] フォルダを展開します。
- カタログ ツリーでデータベース サーバを右クリックし、[アタッチ] をクリックします。
- [ジオデータベースをアタッチ] ダイアログ ボックスで、[...] ボタンをクリックします。
- 「DatabaseServers」チュートリアル フォルダ(C:\ArcGIS\ArcTutor\DatabaseServers)を参照します。
- buildings08.mdf ファイルを選択して、[OK] をクリックします。
- [ジオデータベースをアタッチ] ダイアログ ボックスで、[OK] をクリックします。
buildings08 ジオデータベースが、カタログ ツリーのデータベース サーバの一覧に表示されます。
表示されているように、buildings ジオデータベースにはすでにデータが含まれています。ただし、このジオデータベースは古いリリースです。
新しいジオデータベースのバックアップ作成
ジオデータベースをアップグレードまたは編集する際は、事前にそのジオデータベースのバックアップを作成する必要があります。バックアップ ファイルを作成しておけば、ジオデータベースを元の状態に復元する必要があると判断したときに利用できます。
- カタログ ウィンドウで、buildings08 ジオデータベースを右クリックし、[管理] をポイントして、[バックアップ] をクリックします。
- [バックアップ名] テキスト ボックスに、「buildings_bu1」と入力します。
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デフォルトの場所にジオデータベースのバックアップ作成先にすることもできますが、ここでは代わりに「DatabaseServers」チュートリアル フォルダをジオデータベースのバックアップ作成先にします。[バックアップ フォルダ] テキスト ボックスに、パスを入力します。
たとえば、「c:\ArcGIS\ArcTutor\DatabaseServers」と入力します。
注意:実行環境では、バックアップ ファイルのコピーを別のサーバまたはメディアに移動させたほうがよいでしょう。ただし、このチュートリアルでは、ファイルをローカル ドライブに置いたままにできます。
- [説明] テキスト ボックスに、「buildings08 ジオデータベースの初期状態」と入力します。
- [OK] をクリックします。
バックアップ処理では、バックアップ時点でのジオデータベースとその内容のイメージが作成されます。作成されるバックアップ イメージは、データベースの完全なコピーです。以降にバックアップを実行する場合は、新しいバックアップ ファイルを作成するか、前のバックアップ ファイルを上書きするかを選択できます。
ジオデータベースを変更したら、バックアップを作成するようにしてください。これにより、ジオデータベースが破損したり、誤って削除した場合でも、編集内容をすべて失わずに済みます。間違った編集を行った場合は、データを前回バックアップした時点の状態に戻すことができます。
ジオデータベースのアップグレード
このジオデータベースは、ArcGIS Desktop 9.3.1 を使って作成されたものです。現在の機能を使用するには、ジオデータベースをアップグレードします。
- カタログ ウィンドウで buildings08 ジオデータベースを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [ジオデータベース プロパティ] ダイアログ ボックスの [一般] タブをクリックします。
- [ジオデータベースのアップグレード] ボタンをクリックし、[ジオデータベースのアップグレード(Upgrade Geodatabase)] ジオプロセシング ツールを開きます。
- [前提条件のチェックを実行] および [ジオデータベースのアップグレード] オプションを両方ともオンのままにします。
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[OK] をクリックして、アップグレードを開始します。
進行状況ウィンドウが開きます。ツールで検査とアップグレードを実行している間、メッセージが表示されます。アップグレードに失敗した場合は、表示されたメッセージを確認して原因を特定します。
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アップグレードが正常に完了したら、ダイアログ ボックスを閉じます。
[一般] タブにある [アップグレード ステータス] セクションの説明が変更され、[ジオデータベースのアップグレード] ボタンが無効になったことを確認してください。
- [OK] をクリックして [ジオデータベース プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
ステータス情報が更新されない場合は、[ジオデータベース プロパティ] ダイアログ ボックスをいったん閉じてから再度開いてください。
フィールド名の変更
データはコンサルタントが作成したものであるため、データにどんなプロパティがあるかを確認します。フィールド名の一部は変更可能で、エイリアスが作成可能です。
- buildings08 ジオデータベースを展開します。
- utilities フィーチャクラスを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスが開きます。
- アクティブになっていない場合は、[一般] タブをクリックします。
- [エイリアス] テキスト ボックスに、「Utilities」と入力します。
- [フィールド] タブをクリックします。
- util_addre フィールドの名前を「util_address」に変更します。
- [フィールド名] 列の [util_addre] の文字をダブルクリックします。
- 現在の名前を削除して、「util_address」と入力します。
- util_address エイリアスには、「Address」と入力します。
- [適用] をクリックします。
- 必要に応じて、他のタブをクリックして、利用できる情報を表示します。終了したら、[OK] をクリックして [フィーチャクラス プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
- schools フィーチャクラスの [フィーチャクラス プロパティ] を開いて、sch_addres フィールドの名前を「sch_address」に変更します。
- sch_type フィールドを選択して、そのエイリアスを「School Type」に設定します。
- [OK] をクリックして変更内容を適用し、ダイアログ ボックスを閉じます。
この演習では、ジオデータベースをデータベース サーバにアタッチし、ジオデータベースのバックアップ コピーを作成し、最新の ArcGIS リリースにアップグレードして、フィーチャクラスのフィールド名を変更しました。次に「演習 4」に進み、ユーザをデータベース サーバに追加して権限を与えます。