履歴バーションの操作
履歴情報を調べるには、履歴バージョンを通じてデータにアクセスする必要があります。履歴バージョンに接続すると、データの任意の時点に接続することになります。この時点には、現在のデータベース時間(DEFAULT 履歴マーカー)、定義済みの履歴マーカー、または指定したデータベースの日時を使用することができます。
日時とは
履歴情報を操作する際は、アーカイブ クラスの gdb_from_date フィールドと gdb_to_date フィールドに記録される日時に、トランザクションが実行された日時(フィーチャの追加、編集、またはフィーチャクラスからの削除が行われた日時)が反映されることを理解しておく必要があります。この日時は、サーバのオペレーティング システムから受信されます。これは、アーカイブ クラスへのアクセスと検索の方法に影響します。
サーバとは異なるタイム ゾーンを使用する場合は、時点検索にクライアントのオペレーティング システムの時間ではなく、サーバの時間を反映させる必要があります。たとえば、午前 9 時 5 分(PST)に編集を実行したが、DBMS がニューヨークにある、という場合、この編集に記録されるトランザクション時間は、実際には午後 12 時 5 分(EST)です。したがって、午前 9 時 5 分で履歴バージョンを検索した場合、サーバ上でフィーチャが作成された時刻は午前 9 時 5 分ではないため、編集内容は表示されません。新しく追加したフィーチャを表示するには、午後 12 時 5 分を指定してデータにアクセスする必要があります。
履歴管理が有効になる前の日時を指定した場合、データにアクセスすることはできません。履歴管理が有効になった後の時点を指定して接続した場合にのみ、履歴データにアクセスできます。たとえば、履歴管理を 2010 年 2 月 1 日に有効にした後、2010 年 1 月 31 日を指定して履歴バージョンに切り替えても、データは表示されません。
履歴バージョンを定義できるほとんどのダイアログ ボックスで、[データベース時間更新] ボタン を使用できます。このボタンをクリックすると、日付コントロールが現在のデータベース時間で更新されます。これにより、データベース サーバと一致した日時がクライアントのデータ コントロールに表示されます。
DEFAULT 履歴マーカー
DEFAULT 履歴マーカーに接続すると、アーカイブ クラスの現在の状態が表示されます。これは、トランザクション バージョンにおける DEFAULT バージョンの状態と同じです。
DEFAULT 履歴マーカーへの接続は、読み取り専用の接続に限られるため、実際には同等のバージョン対応クラスを操作する場合よりもデータベース リソースを節約することができます。アーカイブ クラスは、差分テーブルまたは ArcSDE リポジトリのバージョニング テーブルに格納された情報に依存しません。このため、多くの場合、アーカイブ クラスで現在アクティブな(gdb_to_date 属性が 9999 年 12 月 31 日の)すべてのレコードを検索するほうが、DEFAULT トランザクション バージョンを検索するよりも高速です。
異なる履歴バージョンへの接続
DEFAULT 履歴マーカーとは異なる日時の履歴バージョンに接続するには、履歴マーカー(重要な日時にすばやく接続するために使用される名前付きの時点)を定義してから、その履歴マーカーに接続するか、または日時を入力します。履歴マーカーの作成方法と作成時点については、履歴マーカーに関するトピックをご参照ください。
ArcGIS for Desktop で履歴バージョンに接続するには、[ジオデータベース接続プロパティ] ダイアログ ボックスを使用する方法と [バージョンの変更] ダイアログ ボックスを使用する方法の 2 つの方法があります。
ジオデータベース接続プロパティ ダイアログ ボックスからの履歴バージョンへの接続
[ジオデータベース接続プロパティ] ダイアログ ボックスでは、接続するジオデータベースのバージョンを指定することができます。このダイアログ ボックスを開くには、ArcCatalog または ArcMap のカタログ ツリーでデータベース接続を右クリックし、[ジオデータベース接続プロパティ] をクリックします。
まず、[履歴バージョン] を選択します。次に、履歴マーカーのリストから選択するか、または日時を指定します。
先に説明したように、[データベース時間更新] ボタンをクリックして、特定の日時フィールドに現在のデータベース時間を入力することができます。あるいは、プルダウン カレンダーを使用してカレンダーから日付を選択したり、フィールドに日時を直接入力したりできます。
バージョンを変更すると、ArcCatalog でこの接続ファイルからプレビューするデータや ArcMap で表示するデータは、履歴管理が有効になっており、選択した時点を参照する履歴バージョンのデータとしてアクセスすることができます。
バージョンの変更ダイアログ ボックスからの履歴バージョンへの接続
[バージョンの変更] ダイアログ ボックスを開くには、次のいずれかの手順を実行します。
- ArcMap のコンテンツ ウィンドウでデータベースを右クリックし、[バージョンの変更] をクリックします。
- ArcMap で [バージョニング] ツールバーの [バージョンの変更] ボタン をクリックします。
ダイアログ ボックスが開いたら、下部の [履歴] タブをクリックします。
履歴マーカーのリストから選択するか、あるいは特定の日時を選択または入力することができます。
異なる履歴バージョンに接続すると、ArcMap には選択した時点を参照する履歴バージョンのデータが表示されます。