パーセル ファブリックの計測値、座標、および正確度
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
パーセルの計測値
パーセル ファブリックのパーセル境界は、一般的に COGO（方位、距離、半径、円弧長など）ディメンションのそのままの測量計測値で定義されます。多くの場合、これらのディメンションではパーセル ポリゴンが正確に閉じられません。つまり、このディメンションを使ってパーセル境界の周囲を計算すると、開始点の正確な座標に戻りません。パーセルの開始座標と終了座標の差異は、パーセル閉合差と呼ばれ、これがパーセルのディメンションの正確度の尺度になります。閉合差が小さいほど、パーセルのディメンションの正確度が上がります。大きい閉合差がある場合は、元の測量計測値かデータ入力に大きな誤りがあることを示しています。通常、許容できる軽微な閉合差は、次が原因で起こります。
- 重なり合う測量間の縮尺が違う
- 異なる期間に実施された重なり合う測量間の正確度が違う
- 人為的ミスや不一致がある
- 計測誤差
許容するパーセルの閉合差の許容値は、一般的に、政府機関や測量専門家、またはその他管轄地で実施される測量の管理機関により指定されています。
パーセルの閉合差は、パーセル ファブリックにパーセルを入力するときに第 1 の品質確認として使用できます。パーセルを結合する前に、間違った計測値やデータ入力ミスを見つけることができます。第 2 の品質確認として、パーセルをパーセル ファブリックに結合するときに、パーセルをローカル座標系からパーセル ファブリックの座標系に変換するときに生じる変換残余の表示を使用できます。
パーセルのパーセル ファブリック最小二乗アジャストは、最終的で最も包括的なレベルの品質確認です。
パーセル ファブリックでは、トラバースを使ってパーセルを入力します。パーセル トラバースは、同一ポイントで開始および終了する一連のディメンション ラインで、各ラインの後に新しいポイントを順に定義します。パーセル ファブリックでパーセル トラバースを入力するときには、トラバースの閉合差が常に [パーセルの詳細] ダイアログ ボックスの [ライン] グリッドの下に表示されます。
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パーセル トラバース |
計測の正確度
パーセルのディメンションは、現場で観測されたそのままの測量計測値から導かれます。そのままの測量計測値には、必ず計測の品質を反映した正確度が関連付けられています。計測が真の値に近ければ近いほど（正確であればあるほど）、計測の正確度が高くなります。パーセルのディメンションはそのままの測量計測値から導かれるものであるため、パーセルのディメンションには正確度も関連付けられます。
パーセル ファブリックの場合、正確度は測量日ごとにパーセルに割り当てられます。これは、一般的に、測量の正確度が測量技術および測量実務の進歩によって向上しているためです。正確度は、測量日に対応するカテゴリ別にグループ化されます。
パーセル ファブリックのパーセル ラインに割り当てられた正確度カテゴリは、最小二乗アジャストにとって有意なものです。正確度カテゴリがパーセル ネットワーク内のシステムの加重に使用されます。たとえば、最小二乗アジャストでは、正確度の高いカテゴリに高い加重が置かれます。正確度（加重）の高い境界線ほど、正確度の低い境界線よりも調整量が小さくなります。
パーセル ポイント座標
パーセル コーナーの物理的位置は、パーセル ファブリックのパーセル ポイントで定義します。パーセル ポイントには、そのポイントの最適な表現をモデル化した X、Y、Z 座標があります。パーセル ポイント座標が最初に生成されるのは、パーセル結合プロセス中または既存のパーセル データセットをパーセル ファブリックに移行するデータ移行プロセス中です。
パーセルをパーセル ファブリックに結合するときには、ローカル座標空間の未結合パーセルの座標がパーセル ファブリックの空間参照に変換されます。このパーセル ファブリックをパーセル ファブリック最小二乗アジャストで調整するときには、パーセルのディメンションがコントロール ポイントと併用されて、この当初の座標の正確度が向上されます。パーセル ファブリックに追加するパーセル データの正確度が高いほど、調整後の座標の正確度が高くなります。