パーセル ファブリック レイヤについて
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
ArcMap では、パーセル ファブリックはグループ レイヤとして追加されます。グループ レイヤは、ArcMap のコンテンツ ウィンドウで、関連するレイヤを 1 つのレイヤにまとめて整理するためのものです。グループ レイヤは展開と折りたたみによって、関連するサブレイヤの表示と非表示を切り替えることができます。パーセル ファブリックを構成する内部フィーチャクラスは、パーセル ファブリック グループ レイヤの下のサブレイヤとして表されます。
パーセル ファブリック グループ レイヤは次のサブレイヤから構成されます。
- コントロール ポイント
- ライン ポイント
- ポイント
- ライン
- パーセル
パーセル ファブリック グループ レイヤは、ArcMap の通常のグループ レイヤと同じ働きを持ちますが、パーセル ファブリック グループ レイヤに対してレイヤの追加と削除を行うことはできません。
パーセル ファブリックのサブレイヤ
パーセル ファブリック レイヤの各サブレイヤは、ArcMap の通常のフィーチャ レイヤと同じように検索し表示することができます。各サブレイヤを右クリックして、その属性テーブルを表示できます。各サブレイヤの属性テーブルでは、システム管理でない属性はすべて編集可能です。ライン テーブルの FromPointID や ToPointID のようなシステム管理の属性は、ロックされており編集できません。個別に選択されたパーセル フィーチャのシステム管理でない属性は、[属性] ウィンドウで編集することもできます。[属性] ウィンドウ は、[エディタ] ツールバーに配置されています。
パーセル ファブリック サブレイヤは、パーセル ファブリック グループ レイヤの外部でスタンドアロン レイヤとして個々に ArcMap に追加することもできます。
コントロール サブレイヤ
コントロール サブレイヤには、パーセル ファブリックのコントロール ポイントが表示されます。デフォルトで、コントロール ポイントはアクティブな状態別に表示されます。コントロール ポイントがアクティブになるのは、[コントロール] ダイアログ ボックスでそのコントロール ポイントがオンにされていて、ファブリック ポイントに接続されている場合です。コントロール サブレイヤの属性テーブルには、以下の属性が表示されます。
属性フィールド |
説明 |
属性テーブル/ウィンドウで編集可能か |
---|---|---|
X |
X 座標(固定) |
不可 |
Y |
Y 座標(固定) |
不可 |
Z |
Z 座標(固定) |
不可 |
Name |
コントロール ポイント名(名前が指定されていない場合は自動的に設定) |
不可 |
PointID |
対応するファブリック ポイント(ファブリック アジャストで使用するには、コントロール ポイントがファブリック ポイントに接続されている必要があります) |
不可 |
AccuracyXY |
平面位置正確度(メタデータのみ) |
可 |
AccuracyZ |
鉛直正確度(メタデータのみ) |
可 |
Survey Date |
コントロール ポイントが測量され確立された日付 |
可 |
Active |
コントロール ポイントがアクティブで、ファブリック アジャストで使用できる場合は true |
可 |
Type |
サブタイプの追加に使用 |
可 |
LinePoints サブレイヤ
LinePoints サブレイヤには、ライン ポイントが表示されます。ライン ポイントとは、隣接する境界線上に、境界線を分割することなく位置するパーセル ポイントです。ライン ポイント テーブルの属性フィールドはすべてシステム管理です。ライン ポイント サブレイヤの属性テーブルには、以下の属性が表示されます。
属性フィールド |
説明 |
属性テーブル/ウィンドウで編集可能か |
---|---|---|
ParcelID |
ライン ポイントが位置する境界線を含むパーセルの ID |
不可 |
FromPointID |
ライン ポイントが位置する境界線の始点 |
不可 |
ToPointID |
ライン ポイントが位置する境界線の終点 |
不可 |
LinePointID |
ライン ポイントであるパーセル ポイントの ID |
不可 |
FlexPoint | ライン ポインが隣接するパーセル ラインに移動されるのではなく、隣接するパーセル ラインがライン ポイントまで移動するか曲げられる場合には、ライン ポイントがフレックス ポイントになります。 | 可 |
ポイント サブレイヤ
ポイント サブレイヤには、パーセル ファブリックのパーセル ポイントが表示されます。ポイント サブレイヤの属性テーブルには、以下の属性が表示されます。
属性フィールド |
説明 |
属性テーブル/ウィンドウで編集可能か |
---|---|---|
X |
X 座標(ファブリック アジャストでアジャスト) |
不可 |
Y |
Y 座標(ファブリック アジャストでアジャスト) |
不可 |
Z |
Z 座標 |
不可 |
Type |
サブタイプの追加に使用 |
可 |
Category |
システム管理のポイント タイプ(中心点など) |
可 |
Name |
対応するコントロール ポイントが存在する場合、その名前 |
不可 |
Historical |
ポイントを共有するすべてのラインが履歴を持つ場合は true |
不可 |
SystemStartDate |
ポイントを作成したデータベース トランザクションの日付 |
不可 |
SystemEndDate |
ポイントを削除したデータベース トランザクションの日付 |
不可 |
LegalStartDate |
ポイントが作成された法的文書上の日付 |
可 |
LegalEndDate |
ポイントが削除された法的文書上の日付 |
可 |
CenterPoint |
ポイントが中心点である場合は true |
不可 |
MaxDN |
ファブリック アジャストによって生じた北方向への最大シフト |
不可 |
MaxDE |
ファブリック アジャストによって生じた東方向への最大シフト |
不可 |
ライン サブレイヤ
ライン サブレイヤにはパーセル境界線が表示されます。デフォルトでは、パーセル ラインは次の内部ライン カテゴリでシンボル表示されます。
- 境界線(カテゴリ 0)
パーセル ファブリック内の閉じたループまたは閉じてないパーセルの境界を表します。
- 依存ライン(カテゴリ 1)
パーセル境界線に依存するラインを表します(たとえば、地役権を示すライン)。依存ラインはパーセルの境界を定義しません。つまり、依存ラインの閉じたループではパーセルは作成されません。
- 精密接続(カテゴリ 2)
パーセル ポイントをコントロール ポイントに接続するラインを表します。精密接続線は、始点がパーセル ポイントで、終点がコントロール ポイントにする必要があります。始点をコントロール ポイントにすること、すなわち、向きを逆方向にすることはできません。
- 接続(カテゴリ 3)
パーセル ポイントを接続するラインを表します。接続線は、パーセル ファブリックに接続性を追加して、ファブリックの最小二乗アジャストで調整可能なネットワークを形成するために使用されます。たとえば、接続線は孤立したパーセルのブロックを接続するために使用されます。接続線はパーセルの境界を定義しません。つまり、接続線の閉じたループではパーセルは作成されません。
- 半径(カテゴリ 4)
曲線の端点から曲線の中心点に向かうラインを表します。半径ラインは、カーブした境界線で自動的に生成されて維持されます。半径ラインは、パーセルを開いたときにだけ表示されます。
- 間口(カテゴリ 5)
道路または公道に接するパーセルの境界を表します。新しいパーセルを作成するときに、道路に沿ったパーセル ラインに対して [境界] カテゴリの代わりに [間口] カテゴリを使用できます。ファブリックの最小二乗アジャストで、間口ラインが同一線上となるように制限できます。
- 原点接続(カテゴリ 6)
始点をパーセルの開始点に接続するラインを表します。新しいパーセルを作成するときは、常に原点接続線を最初に入力し、続いてパーセルの残りのトラバース ラインを入力します。
- パート コネクタ(カテゴリ 7)
マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルのパートまたはリングを接続するラインを表します。部分接続ラインは、マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルがパーセル ファブリックに移行されたときに、自動的に生成されます。マルチパート パーセルまたはドーナツ パーセルを作成するときに、部分接続ラインを使用して部分またはリングを接続します。
ライン サブレイヤの属性テーブルには、以下の属性が表示されます。
属性フィールド |
説明 |
属性テーブル/ウィンドウで編集可能か |
---|---|---|
Calculated |
ディメンションがシェープ ジオメトリから転化される場合は true |
可 |
ParcelID |
ラインを含むパーセルの ID |
不可 |
Sequence |
パーセル トラバースのラインのシーケンス順序番号 |
不可 |
FromPointID |
ラインの始点の ID |
不可 |
ToPointID |
ラインの終点の ID |
不可 |
Bearing |
ラインの方角 |
不可 |
Distance |
ラインの長さ |
不可 |
Type |
サブタイプの追加に使用 |
可 |
Category |
ラインのカテゴリ(接続線や半径ラインなど) |
可 |
Radius |
曲線パラメータ |
不可 |
ArcLength |
曲線パラメータ |
不可 |
Delta |
曲線パラメータ |
不可 |
CenterPointID |
カーブの中心点であるポイントの ID |
不可 |
Historical |
ラインに関連付けられたパーセルが履歴を持つ場合は true |
不可 |
Radial Bearing |
曲線によって生成された放射状の線の方位角 |
不可 |
Tangent Bearing |
正接円弧の方位角 |
不可 |
Line Parameters |
ラインが曲線か直線かを指定 |
不可 |
Accuracy |
ラインの正確度レベル |
可 |
ComputedMinusObserved |
最小二乗アジャストから再計算されたライン形状の距離と記録された距離との差 |
不可 |
Internal Angle |
パーセル トラバースが方位角ではなく内角によって定義されている場合に値が設定されます。 |
不可 |
Reference Object |
パーセル トラバースが方位角ではなく内角によって定義されている場合に値が設定されます。 |
不可 |
IsMajor |
システム管理フィールド(180 度を超えるカーブを格納するために予約済み) |
不可 |
Hide |
ライン ディメンションが重なり合うラインの複製である場合は true(複製ラベルは非表示) |
可 |
SystemStartDate |
ラインを作成したデータベース トランザクションの日付 |
不可 |
SystemEndDate |
ラインを削除したデータベース トランザクションの日付 |
不可 |
LegalStartDate |
ラインが作成された法的文書上の日付 |
可 |
LegalEndDate |
ラインが削除された法的文書上の日付 |
可 |
DensifyType |
自然境界の格納に使用されるシステム管理フィールド |
不可 |
パーセル サブレイヤ
パーセル サブレイヤにはパーセル ポリゴンが表示されます。パーセル サブレイヤの属性テーブルには、以下の属性が表示されます。
属性フィールド |
説明 |
属性テーブル/ウィンドウで編集可能か |
---|---|---|
Joined |
パーセルがファブリックに結合されている場合は true |
不可 |
PlanID |
パーセルに関連付けられたプランの ID |
可 |
Name |
パーセル名またはパーセル識別番号(PIN) |
可 |
Type |
サブタイプの追加に使用 |
可 |
Stated Area |
パーセル ポリゴンの面積(閉合差が小さい場合は自動的に計算されます。記録されたプランの値を反映するように編集できます) |
可 |
Compiled |
転化されたディメンションからパーセル ポリゴンが作成された場合は true |
可 |
Historical |
パーセルが履歴を持つ場合は true([親から作図] または [マージ] が使用された場合は自動的に true) |
不可 |
SystemStartDate |
ポリゴンを作成したデータベース トランザクションの日付 |
不可 |
SystemEndDate |
ポリゴンを削除したデータベース トランザクションの日付 |
不可 |
LegalStartDate |
パーセルが作成された法的文書上の日付(プラン日付と一致する必要があります) |
可 |
LegalEndDate |
パーセルが削除された法的文書上の日付(置き換えられるパーセルのプラン日付と対応している必要があります) |
可 |
GroupID |
パーセルが、結合されていないグループの一部である場合、グループの ID が設定されます。 |
不可 |
Accuracy |
パーセルの正確度レベル |
可 |
Rotation |
結合処理により自動計算 |
不可 |
Scale |
結合処理により自動計算 |
不可 |
Unclosed |
パーセルが閉じていないポリゴンである場合は true |
不可 |
MiscloseRatio |
パーセルの周長に対する距離の閉合差の比(システム管理) |
不可 |
Misclose Bearing |
パーセルを閉じるために必要な方位角(システム管理) |
不可 |
Construction |
パーセルが作図されている場合は true(システム管理) |
不可 |
ShapeStdErrorE |
ファブリック アジャスト後のパーセル形状の東方向のシフトまたは歪み(システム管理) |
不可 |
ShapeStdErrorN |
ファブリック アジャスト後のパーセル形状の北方向のシフトまたは歪み(システム管理) |
不可 |
BacksightBearing |
パーセルが方位角ではなく内角によって定義されている場合に値が設定されます。 |
不可 |
パーセル ファブリック レイヤのシンボル表示
パーセル ファブリック レイヤを ArcMap に読み込むと、表示を単純にするためにポイント レイヤと LinePoints レイヤが非表示になります。半径ラインは、パーセルを開いたときにだけ表示されます。
パーセル ファブリック レイヤのサブレイヤは、通常のフィーチャクラス レイヤと同じ振舞いをし、各サブレイヤの横にあるチェックボックスをクリックして、いつでも表示と非表示を切り替えることができます。パーセル ファブリック サブレイヤは、ArcMap の通常のレイヤと同様に、シンボル表示、個別属性表示、ラベル表示ができます。たとえば、ライン サブレイヤはライン タイプ別に表示でき、パーセル サブレイヤはパーセル PIN で検索できます。
パーセル ファブリック レイヤの検索と表示
パーセル ファブリック グループ レイヤでは、パーセル ファブリックの強力な検索と表示が可能です。パーセル ファブリック フィーチャクラスとテーブルは内部的に相互に関連付けられているため、パーセル ファブリック サブレイヤは相互に検索できます。たとえば、パーセルは関連付けられたラインによって検索できます。以下のリストは、パーセル ファブリックのパーセルの検索例を示しています。
- パーセルはプラン(測量記録)別に検索と表示が可能です。
- パーセルは、道路の間口の線や奥側の境界線など、ライン タイプ別に検索と表示が可能です。
- パーセルは正確度レベル別に検索と表示が可能です。
- パーセルは、MiscloseRatio や MiscloseDistance など、閉合差情報別に検索と表示が可能です。