Bing Maps の使用
一般的な Bing Maps(正式名称は Microsoft Virtual Earth)Web サービスは、すべての ArcGIS 製品で使用することができます。ArcGIS で使用できる他の Web サービスと同様に、ローカルに保存または管理するデータはありません。その代わりに、マップまたはグローブは Bing Maps サーバに直接アクセスします。
Bing Maps サービスには次のものが含まれます。
- Bing Maps の航空写真
- Bing Maps Hybrid(注記テキスト付きの航空写真)
- Bing Maps Roads(詳細地図)
Bing Maps の追加
Bing Maps サービスを現在の ArcMap マップ ドキュメントに追加するには、[ファイル] → [データの追加] → [ベースマップの追加] の順にクリックして、追加するサービスをダブルクリックします。サービスがベースマップ レイヤ内のマップに追加され、最適なパフォーマンスを提供します。ArcGIS for Desktop ユーザは、Bing Maps サービスを無償で利用できます。バージョン 10 以降、ArcGIS for Desktop で Bing Maps を使用するためのライセンスは不要になりました。ArcGIS 製品での Bing Maps の使用の詳細については、ArcGIS.com のヘルプをご参照ください。
各 Bing Maps サービスは、メルカトル図法球体補正と呼ばれる投影座標系を使用し、これは地理座標系として GCS_WGS_1984 を使用します。Bing Maps Web サービスはリアルタイムに投影変換を行い、他のすべてのデータ ソースの場合と同じように、データと正確に一致するように変換できます。
印刷したマップまたはエクスポートしたマップに、Bing Maps のクレジット情報を表示できます。Bing Maps をデータ ビューで使用している場合は、データ フレームの右下隅にアイコンが表示されます。
アイコンをクリックすると新しいウィンドウが開き、データ フレームで現在有効なすべてのサービス レイヤ(Bing Maps を含む)のクレジット情報がすべて表示されます。データ フレームをエクスポートするか、レイアウト ビューに変更すると、アイコンはサービス レイヤのクレジット情報を表すリアライズ(非ダイナミック化)されたテキストで置き換えられます。このテキストを移動または変更することはできません。ただし、このテキストを [サービス レイヤのクレジット] のダイナミック テキスト エレメントで置き換えることは可能です。このためには、メインメ ニューで [挿入] → [ダイナミック テキスト] の順にクリックします。このダイナミック テキスト エレメントを使用すると、データ フレーム内のリアライズ(非ダイナミック化)されたテキストは表示されなくなります。[サービス レイヤのクレジット] ダイナミック テキスト エレメントは、他のダイナミック テキスト エレメントと同様に操作でき、必要に応じてテキスト シンボルの配置、サイズ変更、および変更を行えます。
インターネットに接続していないときに、Bing Maps を含むマップ、グローブ、レイヤ ファイルを開く場合、または何らかの理由で Bing Maps にアクセスできない場合には、サービスにアクセスできないことを示すメッセージが表示されます。この時点でログイン ダイアログ ボックスが表示されたら、[キャンセル] をクリックします。マップ、グローブ、レイヤ ファイルは開きますが、Bing Maps レイヤはリンク切れとなり(コンテンツ ウィンドウに赤い感嘆符付きで表示されます)、このサーバにアクセスできないことを示します。赤い感嘆符をクリックしても Bing Maps レイヤを修復することはできません。マップまたはグローブを通常の方法で操作することは可能ですが、リンク切れのレイヤを表示するには、マップまたはグローブを閉じて、コンピュータをインターネットに再接続し、マップまたはグローブを再び開きます。マップまたはグローブを再び開くと、再度ログインを求められます。
Bing Maps レイヤでのマップのナビゲーション
ArcMap で Bing Maps サービスを使用することは、ArcGIS Online マップサービスのような、キャッシュされた ArcGIS Server マップ サービスを使用することに非常によく似ています。これらのサービスはすべてタイル ベースです。これは、マップ上にサービスを描画する際に実際にサーバから取得するものは、1 つ以上のイメージ タイルであることを意味します。これらのサービスは、指定されたいくつかの縮尺でタイルを提供します。これらのタイルはサーバですでに作成され格納されて(キャッシュされて)いるため、これらのサービスの描画パフォーマンスは非常に優れています。Bing Maps Web サイトを使用する場合には、拡大/縮小コントロールによって、マップをそれらの指定された縮尺の 1 つで表示することができます。Bing Maps を ArcMap のようなアプリケーションで使用する場合には、それらの指定された縮尺で作業を行うようには制限されません。サービスをあらゆる縮尺でマップ上に表示することができ、ArcMap は選択された縮尺で表示できるように、タイルを自動的にリサンプリングして整理します。ArcMap が使用するリサンプリング アルゴリズムにより、最適な表示になります。リサンプリングなしで表示したい様子を見たい場合には、Bing Maps レイヤの 1 つを右クリックして、[最近隣キャッシュ縮尺に拡大] コマンドを選択することができます。これは、Bing Maps サービスによってサポートされた、マップの現在の縮尺に最も近い値に固定した縮尺まで、マップを自動的に拡大または縮小します。これには、リサンプリングによって少しぼやけて見える場合に、マップ表示をシャープにする効果を持たせることができます。詳細については、「キャッシュされた Web マップ レイヤ」をご参照ください。
Bing Maps レイヤ キャッシュの管理
[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [キャッシュ] タブを見ると、[セッション間でキャッシュを維持] オプションが利用不可になっていることがわかります。このオプションは、ArcGIS Online マップ サービスのような、ほとんどのキャッシュされた ArcGIS Server マップ サービスでは有効になりますが、Bing Maps に対しては無効になります。Bing Maps を含むマップを開く場合、最新の航空写真が追加され、道路レイヤの更新なども行われた Microsoft の最新のコンテンツが表示されます。その理由は、画像タイルが、コンピュータに格納されているタイルのローカル キャッシュから読み取るのではなく、サーバから取得されるからです。
古いバージョンの ArcGIS への Bing Maps レイヤを含むマップの保存
Bing Maps を含むマップを作成し、[ファイル] → [コピーを保存] の順に選択し、ArcGIS の旧バージョンで開けるようにマップのコピーを保存すると、Bing Maps サービス レイヤは保存されたマップのコピーのコンテンツ ウィンドウには保存されません。Bing Maps サービス レイヤは、ArcGIS 9.2 以前のリリースではサポートされていません。