演習 2:リプレゼンテーション プロパティの操作
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
この演習では、ArcMap を使用して、フィーチャクラス リプレゼンテーションの操作方法と、リプレゼンテーション ルールがマップ上でのフィーチャの表示方法をどのように制御するかを学習します。まず、演習 1 で作成したフィーチャクラス リプレゼンテーションの 1 つにリプレゼンテーション ルールを追加する方法について学習します。リプレゼンテーション ルールで定義されたマーカー、ライン、および塗りつぶしシンボルの操作方法について学習します。シンボル レイヤとジオメトリック エフェクトを追加し変更して、リプレゼンテーション ルールを変更する方法について学習します。
この演習を実行するときは、編集セッションが開いていると [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスでリプレゼンテーション プロパティを変更できないことに注意してください。
リプレゼンテーション ルールの確認
- ArcMap を起動します。
- 演習 1 のマップ ドキュメントをそのまま使用するか、Exercise_2.mxd を開きます。
- [エディタ] ツールバーと [リプレゼンテーション] ツールバーが表示されていることを確認します。表示されていない場合は、[カスタマイズ] → [ツールバー] の順にクリックして、ツールバーをそれぞれ追加します。
- コンテンツ ウィンドウで RoadL_Rep をダブルクリックして、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
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[シンボル] タブをクリックします。
RoadL_Rep レイヤは、RoadL_Rep フィーチャクラス リプレゼンテーションを使用してシンボル表示されます。このリプレゼンテーションは、4 つのリプレゼンテーション ルールで構成されています。これらのルールは、フィーチャクラス リプレゼンテーションの生成元のシンボル レイヤにある 4 つのシンボル カテゴリから変換されています。
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リストの 3 番目のリプレゼンテーション ルール(クラス 2)をクリックします。ダイアログ ボックスの右側に、選択したリプレゼンテーション ルールのプロパティが表示されます。
クラス 2 のリプレゼンテーション ルールは、3 つのストローク シンボル レイヤで構成されています。各ストロークはタブで表示され、タブにはストロークの曲線が表示されています。
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シンボル レイヤのリストの最初の(最上部の)ライン タブ をクリックします。
このシンボル レイヤには、破線のジオメトリック エフェクトが表示されています。このエフェクトでは、フィーチャの線分ジオメトリに赤色の実線を指定の間隔で配置します。このシンボル レイヤは、このルールの積み重なっているシンボル レイヤの最上部にあるため、最後に描画されます。このため、他の 2 つのシンボル レイヤの上に表示されます。
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このリプレゼンテーション ルールの 2 番目と 3 番目のライン シンボル レイヤのタブ をクリックします。
これらのシンボル レイヤには、ジオメトリック エフェクトはありません。3 番目のシンボル レイヤは、黒色の太い実線で最初に描画されます。2 番目のシンボル レイヤは、白色の少し細い線です。あわせて、見かけは枠線シンボルになります。
- [OK] をクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
- 必要に応じて、ステップ 4 ~ 9 を繰り返し、演習 1 でフィーチャクラス リプレゼンテーションを作成したときに、他のシンボル カテゴリがどのようにリプレゼンテーション ルールに変換されたかを確認します。
新しいリプレゼンテーション ルールの追加
- [ブックマーク] → [1) Buildings] の順にクリックします。
- コンテンツ ウィンドウで BuildingP_Rep をダブルクリックして、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
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[新規ルールの作成] ボタン をクリックして、BuildingP_Rep フィーチャクラス リプレゼンテーションに新しいリプレゼンテーション ルールを追加します。
- [レイヤ オプション] ボタン をクリックして、[単位] → [ポイント] の順にクリックします。
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新しい規則 Rule_2 の名前をクリックして選択します。
「New Buildings」と入力して名前を変更し、Enter キーを押します。
New Buildings リプレゼンテーション ルールは、デフォルトのリプレゼンテーション マーカー(5 ポイントの黒色の正方形)が設定された 1 つのマーカー シンボル レイヤのみで構成されています。これからこれを 2 ポイントの赤色の正方形に変更します。
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マーカー シンボル レイヤ内にある黒色の正方形のリプレゼンテーション マーカーをクリックします。
[リプレゼンテーション マーカー セレクタ] ダイアログ ボックスが表示されます。
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[プロパティ] をクリックします。
[マーカー エディタ] ウィンドウが開きます。リプレゼンテーション マーカーは黒色で塗りつぶされています。
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[リプレゼンテーションの部分選択] ツール を使用して、リプレゼンテーション マーカーを選択します。
リプレゼンテーション マーカーは、リプレゼンテーション ルールと同様、シンボル レイヤとジオメトリック エフェクトで構成されます。このリプレゼンテーション マーカーは、塗りつぶしシンボル レイヤのみで構成されており、正方形が黒色で塗りつぶされています。
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塗りつぶしシンボル レイヤの [色] プロパティの横にある色見本をクリックし、パレットから赤色を選択します。
リプレゼンテーション マーカーが赤色に変わります。
- [OK] をクリックして [マーカー エディタ] ウィンドウを閉じ、[OK] をクリックして [リプレゼンテーション マーカー セレクタ] ダイアログ ボックスを閉じます。
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[サイズ] プロパティのテキスト ボックスをクリックします。「2」と入力して、Enter キーを押します。
これで、New Buildings リプレゼンテーション ルールが新しいマーカー シンボル レイヤ(2 ポイントの赤色の正方形)でシンボル表示されます。
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[OK] をクリックします。
[注意] ダイアログ ボックスが表示され、ルールの変更内容がデータベースに保存されることが通知されます。
[OK] をクリックして、ダイアログ ボックスを閉じます。結果を確認します。ポイントはデフォルト シンボルで表示されていますが、これは、RuleID フィールドの値がすべて 1 に設定されているためです。値 1 はリプレゼンテーション ルール Symbol_1 に対応します。
フィーチャへの新しいリプレゼンテーション ルールの適用
- コンテンツ ウィンドウで BuildingP_Rep レイヤを右クリックして、[選択] → [このレイヤのみ選択可] の順にクリックします。
- 編集を開始します。
- [リプレゼンテーション] ツールバーの [選択] ツール を使用して、現在のビューで建物をいくつか選択します。
- [リプレゼンテーション] ツールバーの [リプレゼンテーション プロパティ] ボタン をクリックして、[リプレゼンテーション プロパティ] ウィンドウを開きます。
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[リプレゼンテーション プロパティ] ウィンドウで、[リプレゼンテーション ルール] プルダウン リストをクリックし、New Buildings ルールを選択して、選択したすべての建物に適用します。
- [リプレゼンテーション プロパティ] ウィンドウを閉じ、編集内容を保存して編集作業を終了します。
- BuildingP_Rep のレイヤ プロパティを開きます。
- New Buildings リプレゼンテーション ルールを選択します。
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[角度] の値として「45」を入力します。
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[OK] をクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じ、変更結果を確認します。
このリプレゼンテーション ルールを適用したすべての建物が 45 度回転して表示されます。
今度は、建物ごとに個別の角度値を設定する方法について学習しましょう。
- もう一度 BuildingP_Rep レイヤの [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。[フィールド オーバーライドの表示] ボタン をクリックします。
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プルダウン リストから、Angle フィールドを選択して、角度プロパティの明示的フィールドにします。データベース内から角度値が検索されて、[角度] プロパティに読み込まれます。
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[OK] をクリックします。
データの Angle 属性フィールドに格納された値に応じて、建物の角度が変わります。
リプレゼンテーション ルールへのジオメトリック エフェクトの追加
マップの新しい仕様によれば、散策路のシンボルは古いマップの黒い実線の代わりに二重破線に変える必要があります。この作業を実行するために、リプレゼンテーション ルールにジオメトリック エフェクトを追加します。ジオメトリック エフェクトを追加しても土台となるフィーチャのジオメトリは変更されません。むしろ、フィーチャのシンボル表示方法をより細かく制御できるようになります。
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[ブックマーク] → [2) Trail and Swamp] の順にクリックします。
- TrailL_Rep を唯一の選択可能レイヤにします。
- TrailL_Rep の [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
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Trail という名前のリプレゼンテーション ルールをクリックし、ライン シンボル レイヤをクリックします。
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[追加] ボタン をクリックして、[ジオメトリック エフェクト] ダイアログ ボックスを表示します。
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[ライン入力] フォルダを展開して、[オフセット] をクリックします。
- [OK] をクリックして [ジオメトリック エフェクト] ダイアログ ボックスを閉じ、[オフセット] ジオメトリック エフェクトをルールに追加します。
- [オフセット] テキスト ボックスに値として「0.5」と入力し、Enter キーを押します。
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[新しいストローク レイヤの追加] ボタン をクリックして、このリプレゼンテーション ルールに新しいレイヤを追加します。新しいレイヤがルールに追加されます。
新しく追加したストローク レイヤのデフォルトの線幅は 1 です。
- [幅] テキスト ボックスに「0.5」と入力します。
- ステップ 5 と 6 で行ったのと同じようにして、この新しいストローク レイヤにライン対ラインの [オフセット] ジオメトリック エフェクトを追加します。
- ただし、このストローク レイヤでは、[オフセット] テキスト ボックスに「-0.5」と入力します。
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[適用] をクリックして、マップ上で結果を確認します。
このように、リプレゼンテーション ルールで個々のシンボル レイヤにジオメトリック エフェクトを追加できます。ただし、すべてのレイヤに適用することもできます。リプレゼンテーション ルールですべてのシンボル レイヤにジオメトリック エフェクトを適用するには、グローバル エフェクトとして追加する必要があります。その方法をこれから学習しましょう。
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最上位レベルのタブ をクリックして、ルールのグローバル エフェクト セクションを展開します。グローバル エフェクトが設定されていないことを示すメッセージが表示されます。
- [追加] ボタン をクリックして、[ジオメトリック エフェクト] ダイアログ ボックスを開きます。
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[ライン入力] の [破線] ジオメトリック エフェクトを選択して、[OK] をクリックします。
リプレゼンテーション ルールのグローバル エフェクト セクションに、新しいダイアログ ボックスが追加されます。
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[パターン] テキスト ボックスに「3 1」と入力します。2 つの数字の間にはスペースを入れます。
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[OK] をクリックして、結果を確認します。
グローバル エフェクトはすべてのシンボル レイヤに影響しています。
ポリゴン シンボルへのマーカーの追加
- WetlandsA_Rep の [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。
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swamp リプレゼンテーション ルールを選択します。
元のマップでは、湿地(Swamp)は単純に Sodalite Blue という色でシンボル表示されています。リプレゼンテーション ルールにマーカー シンボル レイヤを追加して、湿地(Swamp)シンボルをもっとわかりやすいものにしましょう。
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[新しいマーカー レイヤの追加] ボタン をクリックします。
新しいシンボル レイヤには、デフォルトのリプレゼンテーション マーカーとマーカー配置スタイルが含まれています。
- 黒色の正方形のリプレゼンテーション マーカーをクリックして、[リプレゼンテーション マーカー セレクタ] ダイアログ ボックスを開きます。
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[リプレゼンテーション マーカー セレクタ] の一番上にある検索ボックスに「swamp」と入力します。検索の結果見つかったシンボルを選択して [OK] をクリックします。
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[サイズ] テキスト ボックスに「3」と入力してサイズを変更します。
このマーカー シンボル レイヤには、デフォルトのマーカー配置スタイルである [ポリゴンの中心] が含まれており、各ポリゴンにマーカーが 1 つだけ配置されます。マーカー配置スタイルを変更して、ポリゴン内に複数のマーカーが配置されるようにしましょう。
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[ポリゴンの中心] 配置スタイル ラベルの横の矢印 をクリックして、[マーカー配置] ダイアログ ボックスを開きます。
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[ポリゴン入力] で [ポリゴン内にランダム] を選択します。
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[OK] をクリックして[マーカー配置] ダイアログ ボックスを閉じます。
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[OK] をクリックして [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます。
これでランダムなパターンで湿地(Swamp)シンボルが配置されます。
- 次の演習に進む場合は、ArcMap を開いたままにしておきます。
- 後でこのチュートリアルに戻る場合は、このマップ ドキュメントを Exercise_2.mxd という名前で保存して、ArcMap を終了します。
おめでとうございます。これで演習 2 は完了です。
この演習で作成したものと達成したことは以下のとおりです。
- フィーチャクラス リプレゼンテーションに新しいルールを追加しました。
- 1 つのレイヤだけを選択可能レイヤに設定しました。
- リプレゼンテーション プロパティを編集しました。
- 単位計測の種類を選択しました。
- [リプレゼンテーション プロパティ] ダイアログ ボックスを操作しました。
- リプレゼンテーション ルールを明示的なフィールドにマッピングしました。
- 新しいマーカー レイヤをリプレゼンテーション ルールに追加しました。
- [マーカー配置] ダイアログ ボックスを操作しました。
- [マーカー エディタ] ダイアログ ボックスと [マーカー セレクタ] ダイアログ ボックスを使用しました。
- マーカー レイヤのプロパティを変更しました。
- リプレゼンテーション ルールに新しいストローク レイヤを追加しました。
- ストローク レイヤのプロパティを変更しました。
- [ジオメトリック エフェクト] ダイアログ ボックスを操作しました。
- [オフセット] ジオメトリック エフェクトと [破線] ジオメトリック エフェクトを追加しました。
- ジオメトリック エフェクトのプロパティを変更しました。
- グローバル エフェクトを追加しました。
演習 3 では、リプレゼンテーションを編集します。フィーチャ リプレゼンテーションを編集して、形状とリプレゼンテーション パラメータの変更がおよぼす影響と、それがどのようにリプレゼンテーション ルールに対するオーバーライドになるかについて学習します。選択ツールと編集ツールを操作して、リプレゼンテーションの外観とプロパティがどのように変わるかを確認します。