PostgreSQL での追加のエンタープライズ ジオデータベースの作成

ArcGIS for Server サイトに PostgreSQL データベース クラスタとエンタープライズ ジオデータベースがある場合、[エンタープライズ ジオデータベースの作成（Create Enterprise Geodatabase）] ジオプロセシング ツールを呼び出す Python スクリプトを使用して、PostgreSQL でさらに多くのエンタープライズ ジオデータベースを作成することができます。

追加のジオデータベースを作成する理由には、次のようなものがあります。

• ジオデータベースをカスタマイズする必要があるため。

  デフォルトのジオデータベース（egdb および geodata）は、名前の変更ができません。また、別の表領域に移動させることもできません。ジオデータベースを別の名前に変更したい、または別の表領域に保存したい場合は、別のジオデータベースを作成する必要があります。

• ジオデータベースごとにデータをグループ化するため。

  たとえば、複数の部門が独自に個別のデータを保持している場合に、グループごとに別個のジオデータベースを作成します。

手順:

1. ArcGIS for Server サイトへの SSH 接続を確立します。
2. テキスト エディタに次のスクリプトをコピーします。

   #Import arcpy module
   import arcpy
   
   arcpy.CreateEnterpriseGeodatabase("PostgreSQL", "<aws instance name>", "<new geodatabase name>", "DATABASE_AUTH", "postgres", "<postgres password>", "", "sde", "<sde password>", "", "/arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License10.1/sysgen/keycodes")
   

3. サイトの情報に合わせて大なり小なり記号（<>）内の値を変更して、*.py ファイルで保存します。
4. コマンド シェルを開いて、スクリプトを指すよう環境変数を設定します。
5. スクリプトを実行して、ジオデータベースを作成します。

   指定した情報が正しい場合、ジオデータベースが正しく作成されたことを示すメッセージが表示されます。エラー メッセージが表示された場合は、指定した情報が正しいかどうかを確認してください（たとえば、使用したパスワードが正しいか、データベース名が有効かなど）。

   ヒント:

   data/pg_log の PostgreSQL ログ ファイルで、拡張エラー メッセージを確認してください。

これで、新しいジオデータベースが完成しました。ジオデータベースのデータを作成するすべてのログイン ロールに対して、ユーザ スキーマをデータベースに追加する必要があります。

6. このスクリプトをテキスト エディタにコピーして新しいジオデータベースに接続し、ログイン ロールとそれに対応するスキーマを作成します。あるいは、既存のログイン ロールを指定して、そのスキーマをデータベース内に作成できます。

   #Import arcpy module
   import arcpy
   
   CreateDatabaseConnection_management("<path to directory where connection file to be created>", "<connection file name>.sde", "POSTGRESQL", "<aws instance name>", "DATABASE_AUTH", "postgres", "<postgres password>", "<geodatabase name>", "SAVE_USERNAME")
   
   CreateDatabaseUser_management("<path to directory with connection file>/<connection file name>.sde", "DB", "<login role name>", "<login password>")
   

7. サイトのデータベースとログイン ロールの情報に合わせて大なり小なり記号（<>）内の値を変更して、*.py ファイルで保存します。

   たとえば、新しいジオデータベース内にデフォルト ログイン ロール（所有者）でデータを作成する場合、スクリプト内で所有者のログイン ロールを指定します。

8. コマンド シェルを開いて、スクリプトを指すよう環境変数を設定します。
9. スクリプトを実行して、ログイン ロールとスキーマ（または既存のログイン ロールのスキーマ）を作成します。

   スクリプトでは、スキーマに対する USAGE 権限がパブリックに付与されます。

10. 新しいジオデータベースにデータを作成する各ログイン ロールに対して、この手順を繰り返します。