ArcGlobe でのビデオ レイヤの使用

ビデオ レイヤは、多くの部分で ArcGlobe ドキュメント内の他の標準のレイヤと共通しています。名前とデータ ソース、表示プロパティを保持し、コンテンツ ウィンドウに指定されたレイヤの描画順序の相対的位置を引き継ぎます。

ビデオ レイヤは、今後の使用や他のユーザとの共有のために ArcGlobe（*.3dd）ドキュメントおよびレイヤ（*.lyr）ファイルに保存されます。

ビデオ レイヤは、以下の 2 つの部分から構築されるという点でその他のレイヤ タイプと若干異なっています。

• ビデオ ソース
• ArcGIS ビデオ（*.agv）ファイル（ビデオ レイヤに関する重要なメタデータが XML 形式で格納される）

ArcGlobe へのビデオ レイヤの追加

*.agv ファイル拡張子は ArcGlobe に登録済みであるため、[データの追加] ボタン（またはカタログ ウィンドウ）を使用するだけで、ビデオ レイヤの AGV ファイル部分を選択して、ArcGlobe に追加できます。すべてのビデオ レイヤは、グローブのサーフェス上のドレープ レイヤとして表示される必要があるため、ビデオ レイヤは、ArcGlobe コンテンツ ウィンドウの [ドレープ レイヤ] カテゴリに表示されます。コンテンツ ウィンドウの [タイプ別にリスト] 並べ替えボタンを使用すると、レイヤをカテゴリ（役割）別に整理して表示することができます。

注意:

ビデオ レイヤが表示されない場合、レイヤが正しい ArcGIS Video（*.agv）ファイルを指しているかどうかを確認できます。確認は、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ソース] タブで行います。必要に応じて、ArcGIS Video（*.agv）ファイルのソースを変更して、目的の ArcGIS Video（*.agv）ファイルを指すようにします。

ArcGlobe のサーフェス上へのビデオ レイヤのドレープ

ビデオ レイヤは ArcGlobe のサーフェス上に表示され、下にある標高データに一致します。これは、ビデオ レイヤの定義された位置が標高サーフェスをインターセクトする必要があることを意味し、カメラのメタデータをジオリファレンス ソースとして使用するときに特に重要な意味を持ちます。

注意:

• ビデオ フィードは、建物の側面などの 3D オブジェクト上には表示されません。

ビデオ レイヤの描画順序の変更

ビデオ レイヤは ArcGlobe コンテンツ ウィンドウの [ドレープ レイヤ] カテゴリ内の位置を引き継ぐため、ビデオ レイヤの描画順序を調整することは、他のすべてのドレープ レイヤの描画順序を調整することにもなります。リスト内でビデオ レイヤをクリックし、ドラッグすることによって位置を上下に調整します。リスト内でビデオ レイヤより上に示されているレイヤはビデオの上にレンダリングされ（ビデオの上に道路線をレンダリングする場合など）、リスト内でビデオ レイヤより下に示されているレイヤはビデオの下にレンダリングされます（ベースのイメージを背景に表示する場合など）。

その他のビデオ レイヤ プロパティ

ArcGlobe ドキュメント（*.3dd）またはレイヤ ファイル（*.lyr）に保存されるその他のレイヤ プロパティもまた、ビデオ レイヤに指定できます。

ビデオ レイヤに対して設定する重要なレイヤ プロパティには以下のようなものがあります。

• レイヤ名: [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [一般] タブでビデオ ソースのわかりやすい名前を設定します。この設定は、AGV ファイルで定義できる同様な設定を上書きします。
• 距離ベースの表示設定: [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [一般] タブで、ビデオを表示するときの適切な距離範囲を設定します。このプロパティは、特にパフォーマンス上の理由で、すべてのレイヤで設定することを強くお勧めします。
• 透過表示: [3D 効果] ツールバーの対話的スライダを使用して、ビデオ レイヤの部分的な透過表示を設定します。この設定によって、再生中のビデオの下にあるその他の GIS データが見えるようになります。

ハイライト表示されているボタンにより、ドロップダウン リストから選択したビデオ レイヤの透過表示スライダが開きます。

ビデオ レイヤの再生、一時停止、および再開

ビデオ レイヤはレイヤのショートカット メニューに表示される標準の再生コントロールによって単独で再生することができます。コンテンツ ウィンドウ内のビデオ レイヤを右クリックして、必要なコントロール（[再生]、[停止]、[一時停止]、[巻き戻し]）を選択します。この操作は選択したビデオ レイヤのみに影響します。

ショートカット メニューの項目に、ArcGlobe のビデオ レイヤの再生コントロールが含まれます。

時間プロパティを使用した、ビデオ レイヤと他のレイヤとの同期

ビデオ レイヤに対して現実世界の時間を指定し、[タイム スライダ] コントロールを使用して 1 つ以上のビデオ レイヤを同期形式で再生できます。ビデオ レイヤの時間プロパティは、ArcGIS の他の潜在的時間依存のレイヤ タイプと同様に、[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [時間] タブに表示されます。

このオプションは、重なり合っているエリアや近傍のエリアをカバーする複数のカメラ フィードを再生する場合や、Tracking Analyst レイヤなどの他の時間依存のデータとビデオを同期する場合に推奨されます。