Tablet ツールバーのコマンド
次に、[Tablet] ツールバーのコマンドについて説明します。
ツールバー上のツールの詳細については、以下のリンクをご参照ください。
インク スケッチの終了
インクの作成や編集が完了したら、[インク スケッチの終了] ボタン をタップして、インク グラフィック エレメントを作成することができます。[インク スケッチの終了] ボタンをタップすることは、[ペン] ツールや [蛍光ペン] ツールで「左下」コミット ジェスチャを使用するのと同じ働きです。[インク設定] ダイアログ ボックスの自動終了機能を使用すると、一定時間が経過した後に、認識されたテキストまたはグラフィックスとしてインク スケッチを自動的にコミットすることもできます。
インク スケッチの消去
[インク スケッチの消去] ボタン では、現在のインク コレクションからインク ストロークを削除します。このボタンは、現在インクを使用中で、認識されたテキストまたはグラフィックスとしてインクをまだコミットしていない場合のみ使用可能です。
スケッチにインクを追加
[スケッチにインクを追加] ボタン では、入力したインクがポリラインまたはポリゴン ジオメトリに変換されます。このツールは、ユーザが現地で、道路や土地区画境界などのジオメトリを更新する必要があるような場合に、特に便利なツールです。[スケッチにインクを追加] ボタンは、編集セッション中のみ使用可能です。
各ストロークは、ポリラインまたはポリゴン ジオメトリの一部と見なされます。ポリゴンを作成中で、ストロークが閉じたポリゴンを形成していない場合、各端点でストローク自体の端点で閉じます。
編集スケッチ ジオメトリは、インク ジオメトリ内のベジェ曲線のコントロール ポイントを使用して構築されます。[インク設定] ダイアログ ボックスの頂点の間引きオプションを選択すると、編集スケッチ ジオメトリは Douglas-Peucker アルゴリズムを使用して間引かれます。
テキストとしてインクを認識
[テキストとしてインクを認識] ボタン では、選択したインク グラフィック エレメントをテキスト エレメントに変換し、作業中のアノテーションまたはターゲット レイヤに保存します。[テキストとしてインクを認識] ボタンを使用してテキスト エレメントを作成するには、[エレメント選択] ツールを使用してインクを選択し、[Tablet] ツールバーの [テキストとしてインクを認識] ボタンをタップします。新しいテキスト エレメントが作成され、アクティブなターゲット レイヤに保存されます。
認識度が低い場合は、[テキストの手動修正] ダイアログ ボックスが表示され、新しいテキスト エレメントを作成する前にテキストを修正できます。
認識対象の各インク グラフィックスに [テキストの手動修正] ダイアログ ボックスが表示された場合は、その認識度のレベルに関係なく、[Tablet] ツールバーの [インク設定] ボタンをタップして、[テキスト認識度が高い場合、代替リストを表示しない] チェックボックスをオフにします。これによって、ArcMap に追加される前にテキストの 1 つ 1 つが正確に認識されます。
うまく認識できなかったテキストは、ダイアログ ボックスの左側のテキスト ボックス内で、黄色にハイライト表示されます。何も変更を加えずに、ダイアログ ボックスの右側の [代替] ボックスに候補として提示される単語を使用するか、タブレットの入力パネルまたはキーボードを使用して単語に変更を加えることもできます。
[テキストの手動修正] ダイアログ ボックスの左側のテキスト ボックスに表示されたテキストの一部をタップすると、インクのプレビューとテキストから推測される単語候補のリストを、ダイアログ ボックスの右側に表示することができます。[代替] リストの単語をタップして、[変更] をタップすると、認識度の低かったテキストと置き換えることができます。[代替] リストの単語を使用することに決定した場合、テキストを更新するには、[OK] をタップする前に [変更] をタップする必要があります。[クリップボードにコピー] をタップして、認識されたテキストをクリップボードにコピーし、別のアプリケーションで使用することもできます。
認識対象として多数のインク グラフィックスを選択したが、すべてを認識する必要はない場合は、認識する必要のないインク グラフィックスに対して [スキップ] をタップしてテキスト認識をキャンセルし、他のグラフィックスの認識を続けます(ダイアログ ボックスに [Skip] ボタンが表示されるのは、複数のインク グラフィックスを選択した場合のみです)。[すべてキャンセル] をタップすると、まだ認識していないインク グラフィックスがすべてスキップされます。認識が完了したら、[OK] をタップして、グラフィック レイヤまたはアノテーション フィーチャクラスでインクをテキストとしてコミットします。
選択インク グラフィックスの再アクティブ化
[再アクティブ化] ボタン では、選択したインク グラフィック エレメントからインク スケッチを再作成します。インク グラフィックスを再アクティブ化し、[ペン] ツールや [蛍光ペン] ツールを使用してグラフィックスを変更することができます。
インク グラフィックスを再アクティブ化するには、ひとつのインク エレメントを選択し、[Tablet] ツールバーの [再アクティブ化] ボタンをタップします。グラフィックスがインク スケッチに戻り、[ペン] ツールで変更できるようになります。[再アクティブ化] ボタンをタップすると、インク エレメントを作成した時点の縮尺にマップが拡大され、マップの中央にインク エレメントが表示されます。
インクがジオデータベースのアノテーション フィーチャクラスに保存されている場合は、インク グラフィックスを再アクティブ化すると、基となるアノテーション フィーチャが削除されます。
インクの変更が完了したら、[インク スケッチの終了] ボタンをタップするか、コミット ジェスチャを使用して、インクをグラフィック エレメントとして保存し直すことができます。インクをアノテーション フィーチャクラスに保存する場合は、新しいアノテーション フィーチャが作成されます。
インク グラフィックスの検索
[インク検索] ボタン では、[インク グラフィックスの検索] ダイアログ ボックスが表示され、ここではテキスト認識を使用してインク グラフィック エレメントを検索することができます。広範囲のインク エレメントを検索する場合や、ArcSDE ジオデータベース内のインク グラフィックスを使用する場合、[インク グラフィックスの検索] ダイアログ ボックスで、テキスト認識を使用してインク グラフィックスを検索して拡大すると便利です。[検索] ツールをタップして [インク グラフィックスの検索] ダイアログ ボックスを開き、検索したいインク グラフィックスに含まれる単語や語句を入力します。[検索] ドロップダウン リストには、このダイアログ ボックスを開いた後、これまでに実行した検索内容が表示されます。
[グラフィックスにズーム] ボタンをタップすると、[検索] をタップして最初に一致した範囲にマップがズームされます。[単語単位] チェックボックスをオンにして、全文一致検索を行うこともできます。たとえば、「spring」と入力しても、「Springfield」は検索されません。
Tablet PC にインクを入力したときに認識テキストの自動生成オプションがオンになっていれば、Tablet PC 以外でも [インク グラフィックスの検索] ダイアログ ボックスを使用してインク グラフィックスを検索することができます。このオプションをオンにしていなかった場合は、最初に Tablet PC 上で [インク グラフィックスの検索] ダイアログ ボックスを使用してインク グラフィックスを検索する必要があります。この検索によって、アクティブ グラフィック レイヤ内のすべてのエレメントに対して認識テキストが生成されます。次にこれらのグラフィックスに対する変更を保存して、Tablet PC 以外で使用できるようにジオデータベースにチェックインします。自動テキスト認識設定を変更するには、[Tablet] ツールバーの [インク設定] ボタンをタップします。次に、[インク グラフィックスの更新時にテキストを自動認識する] チェックボックスをオンにします。
インク設定
[インク設定] ボタン では、インクの使用を制御するオプションを設定できるダイアログ ボックスが表示されます。
ペン先の筆圧の強弱を感知する
[ペン先の筆圧の強弱を感知する] オプションを使用すると、インクの入力時に [ペン] ツールでデジタル ペンの筆圧感知機能が動作します。筆圧はタブレット画面を押す強さから感知され、筆圧が変わると描画されるインク グラフィックスの幅が変わります。
インク ストロークの頂点を間引いて編集スケッチに追加する
このオプションでは、インクから編集スケッチ ジオメトリを作成するときに、インク ジオメトリに Douglas-Peucker ジェネラライズが適用されます。インク ジオメトリに含まれる一連のポイントは、ベジェ曲線のコントロール ポイントです。ジオメトリ内のポイントの数は、インク ストロークを構築するときの丁寧さや細かさの度合いによって異なります。地理的な形状をスケッチするときには、多くの時間を費やして詳細なインク ストロークを描画します。こうした状況では、コントロール ポイントが密集し、インク グラフィックスや編集スケッチ ジオメトリに不要なポイントが含まれることがよくあります。[間引き] オプションを使用すると、シェープを圧縮して不要な頂点を削除することができます。
リアルタイム投影変換時にインク グラフィックスの形状も投影変換する
インク グラフィックスを ArcMap にリアルタイム投影する際、適用する変換方法によっては、インク ストロークの再作成が難しくなります。たとえば、メルカトル図法などの国際的な投影法でインクを作成した場合、ロビンソン図法でインクを表示するためにマップのデータ フレームを投影しようとすると、インクが歪んで表示されます。元の投影法と異なる場合、インクをラインとしてレンダリングすると、リアルタイム投影よりも、入力したインクに近い表示が得られます。
アクティブなインク スケッチのみを消去
スケッチを自動的にコミットするように設定し、このオプションをオフにすると、グラフィックスとしてコミットされているかどうかに関わらず、インクの任意の部分を [消しゴム] ツールを使用して消去できます。このオプションをオンにすると、[消しゴム] ツールはアクティブ インク、つまりまだコミットされていないインクに対してのみ動作します。インクを手動でコミットする設定を行う場合、このチェックボックスがオンになり、アクティブ インクのみ消去できます。
テキスト認識度が高い場合、代替リストを表示しない
インクをテキストとして認識すると、テキスト認識エンジンが認識の度合いを評価します。認識度が低い場合、認識を行うときに、認識テキストの候補の単語を一覧表示することができます。ただし、認識度の高いテキストでも間違って認識されている場合があります。デフォルトでは、認識度の高いテキストはすべて自動的に変換されるようになっています。このオプションをオフにすると、テキスト認識の実行時に常に候補の単語が一覧表示されます。
インク スケッチを消去とマップ ナビゲーション ジェスチャを有効にする
取り消しジェスチャによって一連のインク ストロークを消去し、マップ ナビゲーション ジェスチャを使用してマップを画面移動します。取り消しジェスチャは [ペン] ツールを使用しないと実行できませんが、マップ ナビゲーション ジェスチャは [ペン] ツールと [蛍光ペン] ツールの両方で実行できます。これらのジェスチャは不用意に適用される可能性があるので、このオプションを使用してこれらのジェスチャを無効にすることができます。
インク グラフィックスの更新時にテキストを自動認識する
新しいインク グラフィックスを作成すると、インクをテキストとして自動認識するオプションが表示されます。認識されたテキストは、インク エレメントそのもののプロパティとして保存されます。Tablet PC で作成したインクを Tablet PC 以外で使用する場合は、このオプションをオンにしておくことが重要です。たとえば、[インク グラフィックスの検索] ダイアログ ボックスでは、認識されたテキストを使用してインク エレメントを検索します。インクをジオデータベースに保存して、それを大規模な組織で使用する場合、インクを入力する前にこのチェックボックスをオンにしておくことをお勧めします。
インク スケッチ
[インク スケッチ] オプションでは、インク スケッチのコミット方法を制御します。ここに含まれるオプションを使用して、インク スケッチのコミットや終了を手動または自動のどちらで行うのか選択できます。手動でインクをコミットするように選択する場合は、[インク スケッチの終了] ボタンをタップするか、ジェスチャを使用して、インク スケッチを終了する必要があります。また、アクティブ インク ストロークしか消去できません。自動設定にした場合は、インクをグラフィックスとしてコミットするか(デフォルト選択)、スライダを使用して設定した時間だけ遅れて、テキストとして認識することができます。インクをテキストとして自動認識するように設定した場合は、グラフィックスだと思われるものも含め、すべてのストロークがテキストに変換されます。