モザイク データセットでの時間の使用について

このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。

モザイク データセットを作成する際、属性テーブルに時間フィールドを追加することをお勧めします。年(2010 など)だけの単純なものから、日付(2010/01/02、ユリウス日 2455198.50000 など)、日付と時刻の組み合わせ(2010/01/02 15:30、2455199.14583 など)を時間として追加できます。

時間は、日付型、文字列型、または数値型のフィールドに保存できます。ただし、この後で説明するように、そのフィールドをどのように使用するかによっては書式に制約があります。

モザイク データセットの管理

時間を伴うモザイク データセットを管理するには、主に 2 つの方法があります。すべての画像を 1 つのモザイク データセットとして管理する方法と、年ごとにモザイク データセットを作成し、さらにすべての年を含む別のモザイク データセットを作成する方法です。

単一モザイク データセット構成

範囲と縮尺がすべて同じであり、概観図を必要としない場合、または時間に基づいて画像を表示しない場合は、適当な縮尺に拡大するのでない限り、すべての画像を 1 つのモザイク データセットとして管理できます。たとえば、世界各地の気温を表す画像の場合、通常は低解像度であり、1 枚または数枚の画像で地球全体をカバーします。したがって、全体が見えるように縮小したときも、表示しているのは 1 つの画像です。

単一モザイク データセット構成

場合によっては、最小と最大のピクセル サイズを属性テーブルでチェックし、それらすべてが正しい範囲を表していることを確認する必要があります。たとえば、すべて 0 で始まり(MinPS)、すべて同じ値で終わっている(MaxPS)ことを確認します。

もう 1 つは概観図を必要としないケースです。たとえば、撮影年度が異なる多数の航空画像がある場合、ユーザが特定の縮尺に拡大したときのみクエリを許可します(フィーチャがはっきりと表示され、かつモザイクあたりの最大ラスタ数に達しません)。ここで、必要であれば、最も最近の画像からのみ概観図を作成できます。あるいは、概観図の代わりに、別の低解像度のデータセットやサービスを使用できます。

いずれの場合も、属性テーブルに時間フィールドを作成します。たとえば、時間間隔が 1 年で、画像が存在しない年がある場合は、開始時間フィールドと終了時間フィールドを作成する必要があります。

複数モザイク データセット構成

さまざまな画像コレクションを 1 つのモザイク データセットとして管理する場合、コレクションごとにモザイク データセットを作成し、さらにそれらのコレクションを含む別のモザイク データセットを作成すると便利です。この方法であれば、画像を別々に管理すると同時に、各コレクションの概観図を作成し、全体をまとめたモザイク データセットに追加することもできます。したがって、ユーザは、どの縮尺でも要求した時間値の画像を参照できます。

複数モザイク データセット構成

この例では、年度別など、コレクションごとにモザイク データセットを作成します。時間フィールドを追加し、各コレクションの値を設定します。さらに別のモザイク データセットを作成し、テーブル ラスタ タイプを使用して個々のコレクションを追加します。これによって、各入力モザイク データセットの個々のレコード、および追加したすべてのフィールドが取り込まれます。このとき、作成した時間フィールドまたはその他のフィールドが一貫していることが重要です。フィールドに一貫性がないと正しく結合されません。

時間の適用

クエリ

クエリの一部として時間を使用する場合、時間の書式に制約はありません。ただし、ユーザは属性テーブルと同じ書式を使用する必要があります。たとえば、「01-02-2010」を使用してクエリを実行した場合、数値フィールドに「2010/01/02」として保存されている値は返されません。

[属性による] モザイク手法の使用

[属性による] モザイク手法で日付フィールドが使用されている場合、ユーザは次の書式で順序ベース値を入力する必要があります。

  • yyyy/MM/dd HH:mm:ss.s
  • yyyy/MM/dd HH:mm:ss
  • yyyy/MM/dd HH:mm
  • yyyy/MM/dd HH
  • yyyy/MM/dd
  • yyyy/MM
  • yyyy

これは、時間フィールドで使用されている書式とも一致していなければなりません。さらに、[属性による] 手法は、文字列型ではなく、日付型または数値型のフィールドのみをサポートしています。

[属性による] を選択した場合、クエリではなく、モザイク手法を定義することになります。したがって、最初に表示されるのは、時刻が順序ベース値に最も近い画像(昇順の場合)、または最も遠い画像(降順の場合)になります。たとえば、1957 年、1973 年、1991 年、2002 年、2008 年の 5 枚の画像があるとします。いずれも同じセル サイズで、同じ範囲を網羅しており、順序ベース値は 1980 です。順序が昇順の場合、順序ベース値 1980 との差が最も小さいのは 1973(差は 7)なので、この年の画像が最初に表示されます。順序が降順の場合は、1980 との差が 28 と最も大きくなる 2008 年の画像が最初に表示されます。

順序ベース値を表す図

タイム スライダ ウィンドウの使用

[タイム スライダ] ウィンドウ内で時間を使用する場合、日付フィールドを追加しておくと便利です。日付フィールドを使用しない場合は、対象フィールドが「サポートされている時間フィールド形式」の指定に従っている必要があります。時間情報が日付フィールドに保存されている場合、「日付フィールドの基礎」で説明されているように、これらの値を保存するデフォルトの書式としてオペレーティング システムの設定が適用されます。

タイム スライダは、特定の時間間隔で情報(または画像)を表示するように設計されています。モザイク データセットに該当する時間間隔(特定の年など)の画像がない場合は、画像が何も表示されません。画像が存在しない時間を表示対象から除外するため、開始年フィールドと終了年フィールドを作成し、これらのフィールドを使用することをお勧めします。

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9/14/2013