畳み込みフィルタ関数

畳み込みフィルタ関数は、画像内のピクセル値に対してフィルタリングを実行するもので、画像を鮮明にする、画像をぼかす、画像内のエッジを検出するなどのカーネルベースの拡張に使用することができます。

この関数に対する入力は次のとおりです。

畳み込みフィルタのタイプ

フィルタは、エラーデータを除去したりデータ内のフィーチャを強調して、ラスタ画像の品質を改善するために使用されます。畳み込みフィルタは、移動し、重なり合う 3 x 3 などのカーネル(ウィンドウまたは近傍)に対して適用されます。畳み込みフィルタは、ピクセル値を近傍のピクセルの重み付けに基づいて計算することによって機能します。

この関数では、数多くの畳み込みフィルタ タイプを選択できます。さらに、ユーザ定義タイプを指定したり、独自のカーネル値を入力したりすることもできます。

3 x 3 カーネルに対して 1/9 のウェイトを指定し、画像に中央値フィルタを適用することにより、カーネル内のすべてのピクセルに同一のウェイトを与えることができます。このフィルタは、画像のスムージングに利用できます。エッジを鮮明にしたり、強調したりするために使用できるカーネルもあります。複数のフィルタを組み合わせて、特定の結果を得ることもできます。たとえば、傷の除去や画像のスムージングを行うフィルタを適用してから、エッジを検出するフィルタを適用することができます。

最良の表示結果を得るには、ヒストグラム ストレッチを適用して、画像のコントラストや明るさを調整し、フィーチャを抽出しやすくすることをお勧めします。

以下の例は、次の 2 つの画像のいずれかに適用したものです。

フィルタリング前のグレースケール画像フィルタリング前のカラー画像

勾配タイプ

勾配フィルタは、45 度刻みでエッジ検出に使用できます。

タイプ

説明

勾配(東)

3 x 3 フィルタ

 1  0  1
 2  0 -2
 1  0 -1

勾配(東)

勾配(北)

3 x 3 フィルタ

 -1 -2 -1
  0  0  0
  1  2  1

勾配(北)

勾配(北東)

3 x 3 フィルタ

 0 -1 -2
 1  0 -1
 2  1  0

勾配(北東)

勾配(北西)

3 x 3 フィルタ

 -2 -1  0
 -1  0  1
  0  1  2

勾配(北西)

勾配(南)

3 x 3 フィルタ

  1  2  1
  0  0  0 
 -1 -2 -1

勾配(南)

勾配(西)

3 x 3 フィルタ

 -1  0  1
 -2  0  2
 -1  0  1

勾配(西)

ラプラシアン タイプ

ラプラシアン フィルタは、エッジ検出によく使用されます。多くの場合は、先にスムージングを適用してノイズに対する感度を下げた画像に対して適用します。

タイプ

説明

ラプラシアン 3x3

3 x 3 フィルタ

 0 -1  0
-1  4 -1
 0 -1  0

ラプラシアン

ラプラシアン 5x5

5 x 5 フィルタ

 0  0 -1  0  0 
 1 -1 -2 -1  0
-1 -2 17 -2 -1
 1 -1 -2 -1  0
 1  0 -1  0  0

ラプラシアン

線検出タイプ

線検出フィルタは、勾配フィルタと同様に、エッジ検出を行うために使用できます。

エッジ検出アルゴリズムの前にスムージング アルゴリズムを適用すると、よりよい結果が得られます。

タイプ

説明

水平線検出

3 x 3 フィルタ

-1 -1 -1
 2  2  2 
-1 -1 -1

水平線検出

左対角線検出

3 x 3 フィルタ

 2 -1 -1
-1  2 -1
-1 -1  2

左対角線検出

右対角線検出

3 x 3 フィルタ

-1 -1  2 
-1  2 -1
 2 -1 -1

右対角線検出

垂直線検出

3 x 3 フィルタ

-1  0 -1 
-1  2 -1 
-1  2 -1

垂直線検出

ポイント拡散タイプ

タイプ

説明

ポイント拡散

3 x 3 フィルタ

-0.627  0.352 -0.627
 0.352  2.923  0.352
-0.627  0.352 -0.627

ポイント拡散

シャープニング タイプ

シャープニング(ハイパス)フィルタは、近傍との値の比較差を強調します。ハイパス フィルタは、加重カーネル近傍解析を使用して、入力の各セルのフォーカル統計の合計を計算します。複数のフィーチャの境界(水域と森林との間など)を明確にし、オブジェクト間のエッジをシャープにします。ハイパス フィルタは、エッジ強調フィルタと呼ばれます。ハイパス フィルタのカーネルは、近傍解析で使用するセルおよびその加重(乗数)を示します。

タイプ

説明

シャープン

3 x 3 フィルタ

  0    -0.25    0
-0.25    2    -0.25
  0    -0.25    0

シャープン

シャープン II

3 x 3 フィルタ

-0.25 -0.25 -0.25 
-0.25    3  -0.25 
-0.25 -0.25 -0.25

シャープン 2

シャープニング 3x3

ハイパス 3 x 3 フィルタ

-1 -1 -1 
-1  9 -1 
-1 -1 -1

シャープン 3

シャープニング 5x5

ハイパス 5 x 5 フィルタ

 0 -1 -1 -1  0 
-1  2 -4  2 -1 
-1 -4 13 -4 -1 
-1  2 -4  2 -1
 0 -1 -1 -1  0

シャープン 5

スムージング タイプ

スムージング(ローパス)フィルタは、局所的な変動を減少してノイズを除去することにより、データをスムーズにします。ローパス フィルタは、各近傍の平均値を計算します。効果としては、各近傍の大きい値と小さい値が平均化され、データ内の極端な値が減少します。

タイプ

説明

算術平均のスムージング

3 x 3 フィルタ

0.111  0.111  0.111 
0.111  0.111  0.111 
0.111  0.111  0.111

算術平均のスムージング

スムージング 3x3

ローパス 3 x 3 フィルタ

1  2  1 
2  4  2 
1  2  1

スムージング

スムージング 5x5

ローパス 5 x 5 フィルタ

1  1  1  1  1 
1  4  4  4  1 
1  4 12  4  1 
1  4  4  4  1 
1  1  1  1  1

スムージング

ソーベル タイプ

ソーベル フィルタはエッジ検出に使用します。

タイプ

説明

ソーベル水平方向

3 x 3 フィルタ

-1 -2 -1
 0  0  0
 1  2  1

ソーベル水平方向

ソーベル垂直方向

3 x 3 フィルタ

-1  0  1 
-2  0  0 
-1  0  1

ソーベル垂直方向

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9/14/2013