不連続データと連続データ
不連続データは、主題またはカテゴリ データとも呼ばれ、ほとんどの場合はフィーチャ(ベクタ)とラスタ データ格納システムの両方でオブジェクトを表します。不連続オブジェクトには、既知の境界および定義可能な境界があります。このため、オブジェクトの正確な始点と終点を簡単に定義することができます。たとえば、湖は不連続オブジェクトです。水域の縁と陸が接する場所を明確に定めることができます。不連続オブジェクトの例には、この他に建物、道路、土地区画などがあります。不連続オブジェクトは通常、名目的です。
連続したサーフェスは、サーフェス上の各位置が集積の度合いを表す事象、あるいは空間内の固定位置または放射ソースからの関係を示す事象を表します。連続データは、フィールド データ、非離散データ、またはサーフェス データと呼ばれることもあります。連続サーフェスの中には、サーフェスを定義するこうした特性から得られるものがあります。その場合、各位置は固定の登録ポイントから計測されます。これには、標高(固定ポイントは海抜)や傾斜方向(固定ポイントは東西南北の方向)があります。
連続サーフェスには、ソースからサーフェスを横断する際に徐々に変化する事象もあります。連続データが徐々に変化する例には、流動性や空気の動きがあります。これらのサーフェスは、事象が移動する様式または方法によって特徴付けられます。最初の移動様式は、濃度が均一になるまで高濃度エリアから低濃度エリアに事象が移動する、拡散などの移動運動によるものです。この種の移動のサーフェスには、地面または水中を通って移動する塩濃度、有害物質の流出または原子炉から広がる汚染レベル、そして山火事の熱などがあります。このタイプの連続サーフェスでは、ソースが存在しなければなりません。濃度は常にソース付近で高く、物質が移動する距離や媒体の作用により濃度が減少します。
このソース集中型サーフェスでは、すべての場所の事象の濃度は、媒体を介して移動する事象の関数です。もう 1 つの集中型サーフェス タイプは、移動する事象の本質的な特性によって制御されます。たとえば、爆風からの騒音の移動は、騒音に固有の特性とそれを移動させる媒体によって制御されます。植物からの種子の散乱のように、フィーチャのサーフェス濃度が、移動運動の方法によって制約を受けたり、直接影響を受けたりする場合もあります。移動の方法は、ミツバチ、人間、風、水に関係なく、すべて植物の種子拡散のサーフェス濃度に影響します。他の移動運動サーフェスには、動物の個体群の分散、店の潜在顧客(車は移動の手段であり、時間は限定係数です)、疾病の蔓延などがあります。
多くのオブジェクトでは、それらの境界を連続または不連続として表現し、モデリングすることができます。完全な不連続フィーチャから完全な連続フィーチャまで、さまざまな地理フィーチャを表現する際に、連続体が作成されます。ほとんどのフィーチャは、この 2 つの中間領域に位置します。連続体に沿って存在するフィーチャには、土壌タイプ、森林のエッジ、湿地帯の境界、およびテレビの宣伝活動による影響を受ける地域別市場などがあります。
連続フィーチャから不連続フィーチャまでの連続体におけるフィーチャの位置を決定するのは、フィーチャ境界の定義しやすさです。フィーチャが連続体のどこに位置していても、グリッド セル ストレージはフィーチャをある程度の精度で表すことができます。
結果として得られた値に基づいて決断を下す際には、連続データか不連続データかに関係なく、モデリングしているデータのタイプを理解することが重要となります。たとえば、建物の建設予定地を土壌マップのみに基づいて決断すべきでありません。鹿の生息地として利用できる場所を決定する際、森の面積が主要なファクタにならない場合もあります。テレビの宣伝による地域市場への影響のみに基づいてセールス キャンペーンを実施すべきではありません。入力データの境界の有効性および精度を把握しておく必要があります。