バージョン対応ビューによる Oracle のバージョン対応登録されたデータの読み取り

バージョン対応ビューに対して SQL SELECT ステートメントを実行することで、バージョン対応登録されたデータにアクセスできます。

バージョン対応ビューは、DEFAULT バージョンが参照しているステートに自動的にアクセスします。バージョン対応ビューに対して SELECT ステートメントを実行すると、DEFAULT バージョンが参照しているステートにアクセスします。他のユーザが編集データを DEFAULT バージョンにコミットしている場合(そのため、DEFAULT バージョンが参照するステートが変化している場合)、その後のクエリには最新のステートおよびステートの編集データが表示されます。

DEFAULT バージョン以外のバージョンをクエリする場合や、DEFAULT バージョンに対するクエリのステートを変化させたくない場合は、version_util.set_current_version ユーティリティを実行します。このユーティリティは指定されたバージョン名を検証して、該当するデータベースのステートを内部的に設定します。version_util.set_current_version を実行すると、バージョンに対して行われるクエリは、常にバージョンが参照していたステートを指すようになります。

version_util.set_current_version は SQL クライアントから直接実行できます。構文は次のとおりです。

EXEC sde.version_util.set_current_version('<version_name>')

必要に応じてこのユーティリティを再度呼び出して別のバージョンに変更することもできます。また、ワークスペースが更新されるたびにアプリケーションから呼び出して、バージョン対応登録されたテーブルが参照しているステートを取得することもできます。

手順:
  1. アクセスするバージョン対応登録されたフィーチャクラスまたはテーブルに対して、バージョン対応ビューが存在することを確認します。

    ArcGIS 10.1 からは、バージョン対応ビューはデータをバージョン対応登録するときに作成されます。10.1 より前のバージョンでバージョン対応登録されたデータは、[バージョン対応ビューの作成(Create Versioned View)] ジオプロセシング ツールを実行して、バージョン対応ビューを作成できます。

  2. SQL プロンプトで、version_util.set_current_version ユーティリティを実行して、クエリするバージョンを設定します。

    この例では、マスタ sde ジオデータベース内でクエリされるバージョンとして version2 が設定されています。これをユーザ スキーマ ジオデータベース内のバージョンに対して実行する場合、ユーティリティの先頭にジオデータベース所有者の名前が付きます。

    EXEC sde.version_util.set_current_version('version2')
    
  3. バージョン対応ビューに対して SELECT ステートメントを発行して、ジオデータベースからバージョン対応登録されたデータを読み取ります。

    この例では、バージョン対応ビューは code_mv です。

    SELECT violationID,codenum,propowner,insp_date 
    FROM code_mv 
    WHERE zip = '99999';
    

DEFAULT バージョンの現在の状態をクエリするように戻す必要がある場合は、set_default プロシージャを実行します。

EXEC sde.version_util.set_default();
その後、バージョン対応ビューに対して SELECT ステートメントを実行すると、クエリは DEFAULT バージョンの最新のステートに対して行われます。

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9/14/2013