分布指向性分析(Directional Distribution(Standard Deviational Ellipse))ツールの仕組み

一連のポイントおよびエリアのトレンドを計測する一般的な方法は、X 方向と Y 方向で個別に標準距離を計算することです。これらの 2 つの測度により、フィーチャの分布を囲む楕円の軸が定義されます。この方法では、平均中心からの X 座標と Y 座標の標準偏差が算出されて、楕円の軸が定義されるため、この楕円は「標準偏差楕円」と呼ばれます。この楕円により、フィーチャの分布が引き延ばされて、特定の向きを示しているかどうかを確認できます。

マップにフィーチャを描画することでおおよその向きを把握することもできますが、標準偏差楕円を使用すると、トレンドが明確に示されます。標準偏差楕円は、フィーチャのロケーション、またはフィーチャに関連付けられている属性の影響を受けるロケーションのどちらかを使用して算出できます。後者は、「加重標準偏差楕円」と呼ばれます。

計算式

[標準偏差楕円(Standard Deviational Ellipse)] ツールの算術演算

出力と解釈

[分布指向性分析(Directional Distribution(Standard Deviational Ellipse))] ツールは、すべてのフィーチャ([ケース フィールド] の値が指定されている場合はすべてのケース)の平均中心を中心とする楕円ポリゴンが含まれる新しいフィーチャクラスを作成します。これらの出力楕円ポリゴンの属性値には、2 つの標準距離(長軸と短軸)、楕円の向き、およびケース フィールド(指定されている場合)が含まれます。楕円の向きは、時計回りに正午の位置から計測される長軸の回転を表します。また、表示する標準偏差の数(1、2、または 3)を指定することもできます。フィーチャの分布が空間正規分布(フィーチャの密度が中心で最も高く、外周に向かうにつれて低くなる)である場合、1 つの標準偏差(デフォルト値)がすべての入力フィーチャの重心のおよそ 68% を囲みます。2 つの標準偏差はすべてのフィーチャのおよそ 95% を囲み、3 つの標準偏差はすべてのフィーチャの重心のおよそ 99% をカバーします。

[分布指向性分析(Directional Distribution(Standard Deviational Ellipse))] ツール

適用例

参考資料

Mitchell, Andy『The Esri Guide to GIS Analysis, Volume 2』Esri Press、2005 年。

9/15/2013