空間統計ツールボックスの概要

[空間統計] ツールボックスには、空間的な分布、パターン、プロセス、関係を分析するための統計ツールがあります。空間統計と非空間(従来の)統計の考え方と目的は似通っている部分もありますが、空間統計は、特に地理データで使用するために開発されている点が独特です。従来の非空間統計手法とは異なり、空間統計では、空間(近隣、領域、接続性、その他の空間関係など)が直接計算に組み入れられます。

[空間統計] ツールボックスのツールを使用すれば、空間分布の重要な特徴をまとめ(平均値の中央や包括的な方向トレンドなどを判断し)、統計的に有意な空間クラスタ(ホット スポット/コールド スポット)や空間的な外れ値を特定し、クラスタや分散の全体的なパターンを評価し、属性の類似点に基づいてフィーチャをグループ化し、分析に適切な尺度を特定するとともに、空間関係をモデリングできます。また、Python で記述されているツールについては、ソース コードを利用できるので、これらのツールや他の解析ツールの学習、修正、拡張、他者との共有にご活用ください。

注意注意:

ユークリッドまたはマンハッタン距離に基づく計算では、距離を正確に計測するために投影変換されたデータが必要です。したがって、空間統計ではほぼ必ずといえますが、距離を成分とした分析の場合は、(度、分、秒に基づいた地理座標系ではなく)投影座標系でデータを投影します。

[空間統計] ツールボックスのツールは、XY イベント レイヤ(X 座標および Y 座標のフィールドを含むテーブルから作成されたレイヤ)では直接使用できません。分析を実行する前に、[フィーチャのコピー(Copy Features)] ツールを使用して XY イベント データをフィーチャクラスに変換してください。

シェープファイルを使用するときは、NULL 値を格納できないため、注意が必要です。シェープファイル以外の入力からシェープファイルを作成するツールまたはその他の方法では、NULL 値がゼロとして格納または解釈される場合があります。場合によっては、NULL 値はシェイプファイルに非常に大きな負の値として格納されます。この場合、予期せぬ結果に至ることがあります。詳細については、「ジオプロセシングでのシェープファイル出力の注意事項」をご参照ください。

ツールセット

説明

パターン分析

これらのツールでは、フィーチャ、またはフィーチャに関連付けられた値が、クラスタ分布、分散分布、ランダム分布のうち、どの空間パターンを形成しているかが評価されます。

クラスタ分析のマッピング

これらのツールを使用すると、統計的に有意なホット スポット、コールド スポット、または空間的な外れ値を特定できます。

地理的分布特性の算出

これらのツールでは、中心はどこか、形状と方向はどのようなものか、フィーチャはどれほど分散しているかといった情報を確認できます。

空間関係のモデリング

これらのツールでは、回帰分析でデータ関係をモデリングしたり、空間ウェイト マトリックスを構築したりできます。

レンダリング

これらのツールは分析結果のレンダリングに使用できます。

ユーティリティ

これらのユーティリティ ツールでは、面積の計算、最小距離の評価、変数とジオメトリのエクスポート、空間ウェイト ファイルの変換、一致ポイントの収集といったその他の各種機能を実行できます。

空間統計ツールセット

参考資料:

www.esriurl.com/spatialstats で、空間統計ツールの使用に関する次の資料の最新リストを入手できます。

9/15/2013