ポートのあるスケマティック ノードの表現
その他の標準的なフィーチャ ポイントと同様、スケマティック ノードは、任意のシンボル タイプ(シンプル マーカー シンボル タイプ、絵文字マーカー シンボル タイプなど)に基づく単一または合成シンボルによって表すことができます。合成シンボルを使用してスケマティック ノードを表す場合、Schematics Extension に固有の特定のシンボル レイヤ タグである SchematicPort を使用できます。これを指定すると、特定のポートでスケマティック リンクの接続を管理することができます。
スケマティック ノードを表すポート付きシンボルの作成
ポート付きシンボルを使用してスケマティック ノードを表すには、いくつかのシンボル レイヤのある合成シンボルを作成してから、これらのシンボル レイヤに特定の SchematicPort タグでタグ付けする必要があります。この合成シンボルでは、シンボルの中心点は常に、スケマティック ノードに関連付けられたすべての付随リンクがデフォルトで接続されるポート 0 とみなされます。この中心点には通常、シンプル マーカー シンボル タイプまたは絵文字マーカー シンボル タイプが配置されます。このシンボルを保持し、合成シンボルのシンボル ベースとして扱うことができます。その後、任意のシンボル タイプで表される新しいシンボル レイヤを追加し、これらの新しいシンボル レイヤのタグとして SchematicPort を指定して、ポートを作成します。これらの新しいシンボルのサイズは通常、基本シンボル サイズより小さく、シンボル ベースの周囲または内側に配置されます。
以下の手順は、スケマティック ノードを表すために使用するシンボルでスケマティック ポートを作成する方法を示しています。
- ArcMap を起動し、[スケマティック ダイアグラムを開く] コマンド で、ポート付きシンボルを使用してスケマティック ノードを描くダイアグラムを参照し、選択します。
- これらのスケマティック ノードを実装するノード スケマティック フィーチャクラスに対応するフィーチャ レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスが開きます。
- [シンボル] タブをクリックします。
- [シンボル] ボタン(単一シンボルを使用している場合)、または [シンボル] フィールド(カテゴリ、数値分類などを使用している場合)から [シンボル エディタ] ダイアログ ボックスを開きます。
- [シンボルの編集] ボタンをクリックします。
[シンボル プロパティ エディタ] ダイアログ ボックスが開きます。
現在指定されているシンボルは(通常は中央に配置される)、シンボル ベースとみなすことができます。
- [レイヤの追加](+) ボタンをクリックし、作成する最初のポートのための新しいシンボル レイヤを追加します。
- [タイプ] ドロップダウン リストから任意のシンボル タイプを選択します。
- [絵文字マーカー] タブで、ポートを表す、目的のフォント文字を選択します。
- [サイズ] の値を指定します。
- オフセットの x 値および y 値を指定して、目的の場所にポートを配置します。
- [レイヤ] セクションで、このボタン をクリックします。
[シンボル レイヤ タグ] ダイアログ ボックスが表示されます。
- 新しいシンボル レイヤの [タグ] テキスト ボックスに、「SchematicPort」と入力します。
- [OK] をクリックします。
[シンボル レイヤ タグ] ダイアログ ボックスが閉じます。
- 手順 6 ~ 13 を繰り返し、必要な新しいスケマティック ポートのシンボル レイヤを指定します。注意:
各スケマティック ポートのシンボル タグは、特定の SchematicPort 文字列で始まる必要があります。ただし、よりわかりやすいタグにするため、この SchematicPort 文字列に別の情報文字列を加えることができます。たとえば、ポート番号を追加したり、合成シンボルでのポート位置についての情報を提供することができます。以下のスクリーンショットは、このようなタグの例を示しています。
- [OK] をクリックします。
- [シンボル選択] ダイアログ ボックスを閉じます。
- フィーチャ レイヤがカテゴリ、数値分類などで描画されている場合、以降のカテゴリ、数値範囲などに対して、手順 4 ~ 15 を繰り返します。
- 開いているすべてのダイアログ ボックスを閉じます。
- ポートの番号付けは、[レイヤ] リストで SchematicPort とタグ付けされているレイヤの順序(上から下)に対応しています(ポート 1 は SchematicPort タグのある最初のシンボル レイヤ、ポート 2 は SchematicPort タグのある 2 番目のシンボル レイヤとしてそれぞれ定義されている)。
- このカスタマイズされたシンボルを、同じスケマティック ダイアグラム テンプレートで実装されるすべてのダイアグラムに適用するには、カスタマイズを行ったスケマティック レイヤをレイヤ ファイルとして保存し、このスケマティック レイヤ ファイルを、スケマティック データセット エディタを使用してダイアグラム テンプレート レベルでインポートする必要があります。
以下のスクリーン ショットは、シンボル レイヤが SchematicPort としてタグ付けされている合成シンボル(灰色、緑色、青色、紫色で表示されるシンボル)のサンプルを示しています。シンボル ベースは、SchematicPort タグのない標準の絵文字マーカー シンボルです。
中央の円のシンボル ベースの周囲に配置された、SchematicPort とタグ付けされている 4 つのポートを持つサンプル シンボル
シンボル ベースの内側に配置された、SchematicPort とタグ付けされている 6 つのポートを持つサンプル シンボル
特定のポートへのスケマティック リンクの接続
スケマティック ダイアグラムに含まれるスケマティック ノードが、SchematicPort タグを使用した合成シンボルで表示されている場合、Schematics では、シンボルで指定されている各ポートを識別し、スケマティック リンクを管理して、これらを特定のポートに接続することができます。
デフォルトでは、スケマティック ノードのスケマティック リンクはノードのシンボルの中心で接続されます。この中央のポイントは、ポート 0 になります。このリンクを特定のポートに接続する場合、[スケマティック リンクの再接続] ツールを使用する必要があります。
以下に、このツールの使用方法について説明します。
- [スケマティック リンクの再接続] ツールは、デフォルトでは Schematics のツールバーから使用できません。
これを追加するには、ArcMap メニューで [カスタマイズ] → [カスタマイズ モード] → [コマンド] タブをクリックして [Schematics] カテゴリを選択し、[スケマティック リンクの再接続] ツール を選択してこれをドラッグし、[スケマティック エディタ] ツールバーにドロップします。
- アクティブなダイアグラムで編集セッションを開始します。
- 特定のポートで再接続するスケマティック リンクを選択します。
- 切り離す原点/端点ノードに最も近いリンク セグメント上のどこか(リンクを構成するセグメントが 1 つだけの場合は、そのノードに最も近いリンクの半分)をクリックします。
リンクが自動的に切り離され、クリックした位置が、再接続する原点/端点ポイントになります。
- このポイントをドラッグし、目的のポート シンボルにドロップします。
- この操作を、目的のリンクごとに繰り返します。
- ダイアグラムの編集内容を保存します。
スケマティック ノードを表すシンボルに対して定義されたポートが小さい場合、そのポートでリンクを再接続することが困難になることがあります。その場合、目的の場所を拡大して再接続操作が容易になるように、スケマティック レイヤに基準縮尺を一時的に設定することができます。このとき、ダイアグラムの編集内容を保存する前に基準縮尺を解除し、リンク ジオメトリが正しく描画されるようにします。