Python の関数の使用

関数は、特定のタスクを実行する機能を定義した小部分で、もっと大きなプログラム内に組み込むことができます。

ArcPy では、すべてのジオプロセシング ツールが関数として提供されますが、ジオプロセシング ツールではない関数もあります。ツールのほかに、ArcPy は Python を使用するジオプロセシング ワークフローのサポートを拡張する関数をいくつか提供しています。関数を使用して、特定のデータセットのリスト作成、データセットのプロパティの検索、ジオデータベースに追加する前のテーブル名の検証など、数多くの便利なジオプロセシング タスクを実行できます。これらの関数は Python ワークフローを対象としているので、ArcPy からのみ使用でき、ArcGIS アプリケーション内でツールとして使用することはできません。

関数の一般的な形式はツールの形式と同様で、引数（必須の場合と必須でない場合がある）を受け取って何らかの値を返します。ツール以外の関数から返される値は、文字列からジオプロセシング オブジェクトまで、さまざまな形式のものです。ツール関数は常に Result オブジェクトを返し、ジオプロセシング メッセージのサポートを提供します。

次の例では、2 つの ArcPy 関数を使用します。GetParameterAsText を使用して入力引数を受け取り、Exists を使用して入力の有無を判別します。Exists 関数はブール値を返します（True または False）。

import arcpy

input = arcpy.GetParameterAsText(0)
if arcpy.Exists(input):
    print "Data exists"
else: 
    print "Data does not exist"

次の例では、ListFeatureClasses 関数を使用してフィーチャクラスの Python リストを作成し、このリストをループ処理して、個々のフィーチャクラスを境界フィーチャクラスでクリップします。

import arcpy
from arcpy import env
import os

# The workspace environment needs to be set before ListFeatureClasses
#    to identify which workspace the list will be based on
#   
env.workspace = "c:/data"
out_workspace = "c:/data/results/"
clip_features = "c:/data/testarea/boundary.shp"

# Loop through a list of feature classes in the workspace
#
for fc in arcpy.ListFeatureClasses():
    # Set the output name to be the same as the input name, and 
    #    locate in the 'out_workspace' workspace
    #
    output = os.path.join(out_workspace, fc)

    # Clip each input feature class in the list
    #
    arcpy.Clip_analysis(fc, clip_features, output, 0.1)