ArcGIS バージョン 10 より前で作成された住所ロケータの移行
ArcGIS 10.1 で作成する住所ロケータには、新しい解析、インデックス、検索、および照合テクノロジが採用されています。ベスト プラクティスのためには、現在の ArcGIS バージョンを使用してロケータを作成し直すことをお勧めします。ロケータの作成には、ジオプロセシング ツールか、ArcMap または ArcCatalog のカタログ ウィンドウを使用します。ロケータの作成方法については、次のトピックをご参照ください。
ArcGIS 10.1 のロケータは、ArcGIS 9.3.1 以前のバージョンとは異なっています。次の表では、主な違いについて説明しています。
ArcGIS 10.1 で作成したロケータ |
ArcGIS 9.2 ~ 9.3.1 で作成したロケータ |
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一行で住所を入力する場合、カンマ区切りは必要ない。 例:18 Orchard St Madison WI 53715 |
一行で住所を入力する場合、ゾーン フィールドではカンマ区切りが必要。 例:18 Orchard St., Madison, WI, 53715 |
住所の空間オフセットに基づいて位置を検索できる。 例:500 feet NW from 150 Linden Ave NE |
サポートなし。 |
すべてのロケータが、さまざまな形式の緯度と経度の座標による位置検索をサポート。 |
サポートなし。 |
検索機能が柔軟で、シングル フィールドまたは Gazetteer ロケータ スタイルを使用した名前処理が可能。 |
検索機能や名前処理機能が限定的。 |
ジオコーディングでは住所の標準化は必要ない。 |
ジオコーディングでは住所の標準化が必要。 |
ジオコーディング結果の精度が向上。複数の名前およびタイプのエイリアスやスペルのバリエーションに基づいて候補を見つけられる。たとえば、名前に「1st」または「First」を含む候補が一致結果として同じように返される。 |
データの標準化が必要。 |
ゾーン情報がある場合もない場合も、同じロケータ スタイルを使用してロケータを作成できる。 |
ゾーンをサポートするロケータとゾーンを除外するロケータの作成では、異なるロケータ スタイルが使用される。 |
住所要素が不足していても影響なし。 |
住所要素が不足していると一致率が低下する。 |
さまざまな住所形式をサポートする 1 つのロケータ内に住所に関する複数の文法を存在させることが可能。 |
特別な住所形式を処理する上で、ジオコーディング ルール ベースに制限がある。 |
各ロケータ スタイルが 1 つの XML ファイルで指定される。すべてのジオコーディング プロパティと住所の解析文法が 1 つの XML ファイル内で定義される。 |
各ロケータ スタイルが複数のファイルやジオコーディング ルール ベースを参照する。ロケータ定義に、ユーザが編集できないコンパイル済みのバイナリ ファイルが含まれる。 |
ArcGIS バージョン 10 より前で作成された住所ロケータは、ArcGIS 10 でサポートされます。つまり、ArcGIS 10 では、引き続き古いバージョンの住所ロケータに対するジオコーディングを実行することが可能で、以前のバージョンの ArcGIS との互換性を維持しながら、古いロケータの再構築を続けることもできます。ただし、緯度経度の座標や道路の住所からの空間オフセットに基づく位置検索など、バージョン 10 で作成したロケータで利用できる機能は、以前のバージョンのロケータではサポートされません。ArcGIS 10 の [ジオコーディング] ツールバーで使用できる一行の住所検索は、以前のバージョンの ArcGIS で作成された住所ロケータでも機能しますが、古いロケータでは住所の文字列にカンマ区切りが必要になります。バージョン 10.1 のロケータでは、カンマ区切りのない入力文字列も受け入れます。次の 2 つの住所は、形式の違いを例示しています。
- 18 Orchard St, Madison, WI, 53715(カンマ区切りの住所)
- 18 Orchard St Madison WI 53715(カンマ区切りのない住所)
さらに、ロケータ ファイルのコンテンツにも違いがあります。ArcGIS 10.1 ロケータ スタイルのすべてのジオコーディング プロパティと住所の解析文法は、1 つの XML ファイルに公開されます。この住所ロケータ スタイル ファイルは、ArcGIS インストール ディレクトリの Locators フォルダに存在しています。
ArcGIS インストール ディレクトリのジオコード フォルダは、ArcGIS 9.3.1 以前のバージョンで作成されたロケータをサポートする目的のみで提供されています。ArcGIS 10.1 ロケータでは使用されません。