テンポラリ GDB

テンポラリ GDB は、テンポラリ データを書き込むことができるファイル ジオデータベースの場所です。

テンポラリ GDB 環境は、テンポラリ ワークスペース環境を補完します。テンポラリ GDB の主な目的は、スクリプトやモデルでジオプロセシング サービスとして使用し、既知のジオデータベースを指定することです。ArcGIS for Server がジオプロセシング タスクを実行する場合、常にテンポラリ GDB に出力を書き込むことができます。この環境は、デスクトップで使用するスクリプトやモデルを作成する場合にも役立ちます。テンポラリ GDB の場所は実行時に常に利用できるので、テンポラリ GDB に出力を書き込むことでツールが移植可能になります。

使用上の注意

• スクリプトやモデルを実行するとき、テンポラリ GDB が必ず存在している必要があります。このジオデータベースへの書き込み許可も必要です。
• テンポラリ GDB 環境は読み取り専用です。ユーザはこの場所を直接設定できません。場所は次の方法で取得することができます。
  • テンポラリ ワークスペースを設定している場合、またはマップ ドキュメントでテンポラリ ワークスペースが設定されている場合、テンポラリ GDB はこの値を最初に考慮します。
    • テンポラリ ワークスペースがジオデータベースを参照する場合、テンポラリ GDB 環境とテンポラリ ワークスペースは同じパスを示します。
    • テンポラリ ワークスペースがフォルダを指す場合、テンポラリ GDB 環境は、scratch.gdb フォルダ内でジオデータベースを探します。
  • テンポラリ ワークスペースが設定されていない場合、デフォルトとして、現在のユーザの一時ファイル ディレクトリがテンポラリ GDB となります。通常、このディレクトリは、Windows 7 では「C:\Users\<ユーザ>\AppData\Local\Temp」、Windows XP では「C:\Documents and Settings\<ユーザ>\Localsystem\Temp」です。このディレクトリ内に scratch.gdb が作成されます。
• テンポラリ GDB に書き込まれたデータは自動的に削除されません。ユーザが自分で削除する必要があります。
• Python スクリプト内でテンポラリ GDB を使用できます。実際に使用する前に、Scratch Workspace（テンポラリ ワークスペース）変数を設定してください。これによって、出力の生成場所が明確になります。

ダイアログの構文

注意:

テンポラリ GDB 環境は Python とモデルでのみ使用できます。

スクリプトの構文

arcpy.env.scratchGDB

サンプル スクリプト

import arcpy
arcpy.env.scratchWorkspace = "c:/LandUse/ForestCover"

# c:\LandUse\ForestCover\scratch.gdb
print arcpy.env.scratchGDB