[DEM → ラスタ(DEM To Raster)] の機能

米国内のほとんどの領域を扱っているデジタル テレイン データは、USGS DEM 形式のものが米国地質調査所(USGS)から提供されています。詳細については、USGS Rocky Mountain Mapping Center の Web サイト外部リンク にアクセスするか、National Cartographic Information Center, 507 National Center, Reston, VA 22092 宛てに書簡でお問い合わせください。

USGS 7.5 分および 1 度の各 DEM から作成されたラスタ データセット間の相違点に注目することは大切です。その 2 つのソースから作成されたラスタ データセット間の比較が、次の表です。

要因

7.5 分の DEM から作成されたラスタ データセット

1 度の DEM から作成されたラスタ データセット

地理範囲

  • 緯度と経度

7.5' x 7.5'

1° x 1°

  • キロメートル数(概算)

12 km x 14 km

90 km x 110 km

投影

UTM

地理

ゾーン

1 以上 60 以下

なし

地表面単位

メートル

アーク秒

サーフェス Z 単位

メートル

メートル

回転楕円体

Clarke 1866

WGS72

X シフト

0.00000

0.00000

Y シフト

0.00000

0.00000

X と Y における標高ポイント間の距離

30 m x 30 m

3 アーク秒 75 m x 75 m(米国単位での概算)

X と Y における標高ポイント数

(可変)380 x 450

(一定)1201 x 1201

ラスタ データセット内の標高ポイント間隔間の地表面距離の変動

間隔は一定で変動なし

緯度に応じて変動

2 つの異なる DEM から作成されたラスタ データセット

USGS 1 度の DEM から構成されたラスタ データセットは、体積や、傾斜角、または精密な可視領域解析に直接的には適していません。これは、X,Y 位置は緯度と経度で測定されるのに対して、Z 値はメートル単位で測定されるためです。結果的に、1 つの地表単位で表される地表上の実際の距離は一定にならないため、地表単位とサーフェス Z 単位とで計測単位が異なります。

USG 7.5 分の DEM には 30 メートルの一定間隔でサーフェス標高が含まれるのに対し、1 度の DEM には 3 秒間隔で地表標高が含まれます。3 アーク秒で表される地表単位の実際の距離は、ラスタ データセット内においても緯度に応じて変動します。たとえば、ラスタ データセット上部の南部カリフォルニア州近辺において、3 アーク秒は X では 76.86 メートル、Y では 92.36 メートルで測定されます。ラスタ データセット下部において、3 アーク秒は X では 77.11 メートルで測定されます。北極の領域では、X の距離が 0(ゼロ)に近づきます。

7.5 分の USGS DEM は、オルソフォトマッピング プログラムの副産物です。オルソフォトによっては、プロファイルに沿って標高を出力する半自動的なプロファイル作成デバイスを使用して生成されるものもあります。「そのような標高が 30 メートルの矩形グリッドに再サンプリングされた場合、内挿手法を介して生成される推定の標高は、プロファイルに平行な方向に沿った空間的自己相関分析が、直交方向に比べてはるかに強くなります。これらのモデルから生成されるイメージの多くには、プロファイラのスキャン方向に平行な「ストライプ」がくっきりと表示されています」このトピックのリファレンスについては、『Proceedings of the Sixth International Symposium on Computer Assisted Cartography (Auto-Carto VI), Vol. 2』(Mark, D. 著、1983 年刊行)の 288 ~ 298 ページ「Automated Detection of Drainage Networks from Digital Elevation Models」をご参照ください。

これがデータに影響しているかどうかは、[陰影起伏 (Hillshade)] ツールでラスタ データセットの陰影起伏を作成して表示すればチェックできます。ストライピングがまったく表示されない場合は、引き続き標高ラスタを使用する前に [フィルタ (Filter)] ツールを使用してまず値を平滑化し、[LOW] フィルタ タイプを指定してください。

DEM の投影

サーフェス モデルを体積解析、傾斜角解析および精密な可視領域解析用に最適化するには、1 度の USGS DEM の地表単位を角のない計測単位(たとえば、UTM やランベルト図法)に投影する必要があります。加えて、サーフェス Z 単位を地表単位と同じ計測単位で表すことも必要です。

ラスタ データセットを所定の投影に変換する場合、または測地基準系を変更する場合には、[投影変換(Project)] ツールまたは [ラスタの投影変換(Project Raster)] ツール(BILINEAR または CUBIC リサンプリング手法を利用)を使用します。

WGS72 測地基準系では一般的な変換方式が NAD27 または NAD83 と共有されないので、それと同等な測地基準系を使用する必要があります。

測地基準系の詳細

注意注意:

[投影変換(Project)] ツールでは Z 単位変換が実行されません。Z 単位を変換するには、[Times] ツールを使用して、ラスタ * 0.3048 などのように係数で乗算します。

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9/14/2013