演習 1:対話的なベクタ変換
ArcScan では、スキャナで取り込んだラスタ イメージから新しいフィーチャを簡単に作成できます。このプロセスにより、ラスタ データをベクタ データベースに格納する所要時間を大幅に節約できます。
この演習では、ラスタ セルを対話的にトレースして、スキャナで取り込んだ区画マップからフィーチャを作成します。はじめに ArcMap を起動し、ラスタ データセットと 2 つのレイヤが格納されているマップ ドキュメントを読み込みます。
ArcScan 環境の設定
ArcScan for ArcGIS エクステンションをインストールして登録しておく必要があります。また、ArcMap を起動し、[エディタ] ツールバーと [ArcScan] ツールバーをディスプレイに追加してください。
- [標準] ツールバーの [開く] ボタン をクリックします。
- チュートリアル データをインストールした ArcScan ディレクトリで、ArcScanTrace.mxd マップ ドキュメントを探して選択します(デフォルトの場所は C:\ArcGIS\ArcTutor)。
- [開く] をクリックします。
- ArcScan を使用するには、エクステンションを有効にする必要があります。[カスタマイズ] メニューをクリックし、[エクステンション] をクリックします。次に、[ArcScan] チェックボックスをオンにし、[閉じる] をクリックします。
- ArcScan のツールおよびコマンドを使用するには、ラスタ レイヤを 2 色イメージとしてシンボル表示する必要があります。ラスタ シンボルを [ストレッチ] から [個別値] に変更します。ArcMap コンテンツ ウィンドウで [ParcelScan.img] ラスタ レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。[レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [レイヤ プロパティ] ダイアログ ボックスの [シンボル] タブをクリックします。
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[表示] ボックスで [個別値] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
ラスタ スナップ環境を設定する
ArcScan は ArcMap 編集環境と連動するように設計されており、編集セッションを開始しているときのみ有効になります。ArcScan の編集時および使用時には、スナップ用のオプションを設定する必要があります。
- [エディタ] メニューをクリックし、[オプション] をクリックします。
- [一般] タブをクリックします。
- [バージョン 9.x までのスナップ設定を使用] をオンにします。
- [OK] をクリックします。
- [エディタ] ツールバーの [エディタ] メニューをクリックし、[編集の開始] をクリックします。
- ファイル ジオデータベース ワークスペースの編集開始を選択し、[OK] をクリックします。
- [ArcScan] ツールバーの [ラスタ スナップ オプション] ボタン をクリックして、[ラスタ スナップ] ダイアログ ボックスを開きます。
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最大ライン幅の値を 7 に設定します。この設定にしておけば、区画の境界を表すラスタ セルに確実にスナップできます。
- [OK] をクリックします。
- [エディタ] メニューをクリックし、[スナップ] をポイントして、[スナップ ウィンドウ] をクリックします。
- [ラスタ] の横のプラス記号をクリックして展開します。
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ラスタ スナップ用の [中心線] および [交点] オプションをチェックします。作業が済んだら、ウィンドウを閉じてかまいません。
- [エディタ] メニューをクリックし、[スナップ] をポイントして、[オプション] をクリックします。
- [スナップ情報を表示] をオンにします。
- [OK] をクリックします。
ラスタ セルをトレースしてライン フィーチャを作成する
ラスタ スナップ環境が設定され、ラスタ セルをトレースする準備が整いました。この作業には、ベクタ変換トレース ツールを使用します。
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[ブックマーク] をクリックし、[Trace lines] をクリックして、現在のビューを演習の編集エリアとして設定します。画面がリフレッシュされるとトレース エリアが表示されます。
- [エディタ] ツールバーの [フィーチャの作成] をクリックして、[フィーチャの作成] ウィンドウを開きます。
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[フィーチャ作成] ウィンドウで、[ParcelLines] ライン フィーチャ テンプレートをクリックします。これにより、該当のテンプレート用のデフォルト属性を使用して、そのレイヤに新しいフィーチャが作成されるように編集環境が設定されます。
- [ArcScan] ツールバーの [ベクタ変換トレース] ツール をクリックします。
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ポインタを区画境界線の交点にスナップするまで移動し、クリックしてトレースを開始します。
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[ベクタ変換トレース] ツールの矢印を下方向に向けたら、クリックしてライン フィーチャの作成を開始します。
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引き続き、[ベクタ変換トレース] ツールをポイント アンド クリックして、区画の外部境界線をトレースします。
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区画境界周囲のトレースが完了したら、F2 キーを押すとスケッチが終了します。
ライン フィーチャが、スキャンした土地区画の外部境界線を表すようになりました。
ラスタ セルをトレースしてポリゴン フィーチャを作成する
ラスタ セルをトレースしてライン フィーチャを作成した後は、ベクタ変換トレース ツールを使用して、ポリゴン フィーチャを作成します。
- Trace polygons というブックマーク範囲にズームし、トレース対象エリアを見やすくします。[ブックマーク] をクリックし、[Trace polygons] をクリックします。
- [フィーチャ作成] ウィンドウで、[ParcelPolygons] ポリゴン フィーチャ テンプレートをクリックします。トレース時にポリゴン フィーチャを作成するためには、アクティブなフィーチャ テンプレートを ParcelPolygons に変更しておく必要があります。
- [ArcScan] ツールバーの [ベクタ変換トレース] ツール をクリックします。
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ポインタを 061 区画の左下コーナーにスナップするまで移動し、クリックしてトレースを開始します。
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矢印を区画の右下コーナー方向に向けたら、クリックしてポリゴン フィーチャの線分の作成を開始します。
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反時計回りに区画境界線のトレースを続けます。
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トレースの始点にカーソルが戻ったら、F2 キーを押してポリゴンが完成です。
- [エディタ] ツールバーの [エディタ] メニューをクリックし、[編集の終了] をクリックします。
- [はい] をクリックして編集内容を保存します。
- ArcScan チュートリアルの次の演習に進むには、[演習 2: 自動ベクタ変換] をクリックします。
この演習では、ラスタ スナップ オプションとスナップ環境を設定する方法、ラスタ セルにスナップする方法、およびラスタ セルをトレースして新しいライン フィーチャとポリゴン フィーチャを作成する方法を学習しました。これらの手順では、ラスタ トレース プロセスの主な過程を取り上げました。次の演習では、ラスタ レイヤを編集する方法と、バッチ ベクタ変換ツールを使ってラスタ レイヤ全体にフィーチャを自動生成する方法を紹介します。