sdeservice コマンド

sdeservice 管理ユーティリティを使用すると、Windows プラットフォームで ArcSDE サービスおよびレジストリ エントリを管理できます。サービスを作成すると、Windows のレジストリ エントリが追加されます。

modify オプションを使用して、SDEHOME や SDE_DBA_PASSWORD などの既存のレジストリ エントリを変更します。register オプションを使用して、ADMIN_DATABASE などのデフォルトでは用意されない新しいエントリを登録します。unregister オプションは、サーバ レジストリからエントリを削除します。

delete 操作は、ArcSDE サービスおよび関連するすべてのレジストリ エントリを削除します。

構文

ArcSDE 管理コマンド ライン ツールは、以下の規則に従う UNIX 形式のコマンド構文と表記法を使用します。

sdeservice -o create -p <ArcSDE_admin_password> [-n] [-H <sde_directory>]
[-d {ORACLE,SID | SQLSERVER,SQLSERVERINSTANCE | DB2,DB2INSTANCE | INFORMIX | POSTGRESQL,PGINSTANCE}]
[-i <service>] [-u <service_user>] [-P <service_user_password>] [-s <data_source>]

sdeservice -o delete [-d {ORACLE,SID | SQLSERVER,SQLSERVERINSTANCE | DB2,DB2INSTANCE | INFORMIX | POSTGRESQL}]
[-i <service>] [-N]

sdeservice -o list [-i <service>]

sdeservice -o modify -r <registry_keyword> -p <ArcSDE_admin_password> -v <new_value> [-i <service>]
[-d {ORACLE,SID | SQLSERVER,SQLSERVERINSTANCE | DB2,DB2INSTANCE | INFORMIX | POSTGRESQL}]

sdeservice -o register -r <registry_keyword> -v <value> -p <ArcSDE_admin_password> [-i <service>]
[-d <ORACLE,SID | SQLSERVER,SQLSERVERINSTANCE | DB2,DB2INSTANCE | INFORMIX | POSTGRESQL>]

sdeservice -o unregister -r <registry_keyword> -p <ArcSDE_admin_password> [-i <service>]
[-d {ORACLE,SID | SQLSERVER,SQLSERVERINSTANCE | DB2,DB2INSTANCE | INFORMIX | POSTGRESQL}]

sdeservice -h

sdeservice -?

操作

操作はコマンドに関連する特定のタスクを実行します。操作は -o オプションで指定します。sdeservice コマンドでは、以下の操作を利用できます。

演算子

説明

create

Windows サーバで ArcSDE サービスを作成します。

delete

Windows サーバから ArcSDE サービスを削除します。

削除するには、サービスを停止する必要があります。これは、Windows サービス リストから行うか、sdemon コマンドを使用して行います。

list

すべての ArcSDE サービス、または指定した ArcSDE サービスのサービス情報を表示します。

modify

既存のレジストリ キーワードを変更します。

create

Windows レジストリにレジストリ キーワードを追加します。

unregister

Windows レジストリからレジストリ キーワードを削除します。

オプション

各操作には一連のオプションを指定します。オプションは特定の文字を使用して指定するため、任意の順序で渡すことができます。オプションでは大文字と小文字が区別されます。大文字と小文字を正しく使用してください。

操作によって必須のオプションと必須以外のオプションがあり、これらを角括弧([ ])で表します。sdeservice コマンドでは、以下のオプションを使用できます。

オプション

説明

-d

サービスが接続する DBMS とサービスの依存関係を指定します。

サービスの依存関係は、ArcSDE サービスを開始する前に開始しておくべきサービスを示します。DB2INSTANCE、SQLSERVERINSTANCE、SID、および PGINSTANCE はオプションであり、リモートまたはローカルのデータベースのインスタンスを示すために使用されます。

  • SID(デフォルト: ORCL)
  • DB2INSTANCE(デフォルト: DB2-0)
  • SQLSERVERINSTANCE:SQL Server の名前付きのインスタンスまたはデータ ソース(デフォルト: MSSQLServer)
  • PGINSTANCE(デフォルト: postgresql-x64-9.0)

-h または -?

これらのオプションのいずれかを使用すると、コマンドの構文が表示されます。

コマンドを C シェルで実行している場合は、-h または「-\?」を使用します。

-H

ArcSDE ホームディレクトリ(SDEHOME)。SDEHOME 変数が設定されていないか、複数のサービスが使用中である場合のみ必要です。

-i

ArcSDE サービス名。デフォルト値の esri_sde が使用されていない場合に必要です。

-n

ArcSDE に依存するサービスのリストからデータベース サービスを除外します。

-N

確認を行いません。操作は実行後直ちに開始されます。

-o

操作を指定します。

-p

ジオデータベース管理者用の DBMS パスワード

-P

ArcSDE サービス ユーザ パスワード(Windows サービス ログオン アカウント パスワード)

-r

次の Windows レジストリ キーワードを登録/登録解除/変更します。

  • ADMIN_DATABASE:ArcSDE サービスを使用するデータベース
  • SDEHOMEArcSDE ソフトウェアの場所
  • SDE_DBA_USER:ジオデータベース管理者のユーザ名
  • SDE_DBA_PASSWORD:ArcSDE 管理者データベース ユーザのパスワード

-s

ArcSDE サービスが接続する DBMS インスタンスの名前

-u

ArcSDE Windows サービス アカウント ユーザ

指定するユーザは、サーバ コンピュータに対する管理者権限を持つ Windows ユーザであるか、サービス権限としてログオンが許可されていなければなりません。必要に応じて、ドメイン名を含めます。たとえば、LAMBERT ドメインにログインするときに、ユーザ名が joe であれば、LAMBERT\joe と入力します。サービスを作成するときには、このユーザとしてログインしている必要があります。

DBMS で Windows 認証を使用する場合は、サービス ユーザが、gsrvr.exe プロセスのセキュリティ コンテキストを接続ユーザに切り替えるために、プロセス レベル トークンを置き換える権限を持つことも必要になります。

-v

設定または変更しているレジストリ値

ArcSDE サービスの作成

create 操作を使用して、Windows オペレーティング システムが導入されたコンピュータで新しい ArcSDE サービスを作成します。すべての作成例で、%windir%\system32\drivers\etc\services および %SDEHOME%\etc\services.sde を手動で編集し、サービス名とポート番号を追加する必要があります。

この例では、Informix 用の新しい ArcSDE サービスを作成します。

sdeservice -o create -d INFORMIX -p sde.space -i esri_inf 
-u informix -P sde.inf

次の例では、Microsoft SQL Server 用の新しい ArcSDE サービスを作成します。

sdeservice -o create -d SQLSERVER -p spatial.data 
-i arcsde -H z:\arcgis\arcsde\sqlexe

この例では、server4 という名前のコンピュータで、PostgreSQL ジオデータベース用に新しい ArcSDE サービス、esri_psql が作成されます。PostgreSQL インスタンスの名前は postgresql-x64-9.0 です。

sdeservice -o create -d POSTGRESQL,postgresql-x64-9.0 
-i esri_psql -s server4

Please enter SDE DBA password:

Successfully created and registered esri_psql

前の例では、ArcSDE 管理者のパスワードが -p オプションを指定したコマンドに含まれていないことに注意してください。省略すると、パスワードを入力するよう求められます。

この例では、Oceans\GIS1 という名前付きのインスタンスを指す新しい SQL Server ArcSDE サービスを作成します。

sdeservice -o create -d SQLSERVER,Oceans\GIS1 -p spatial.data 
-i esri_sde01 -H z:\arcgis\arcsde\sqlexe

SQL Server ではインスタンス名とデータ ソースが同じであるため、前のステートメントのインスタンス名は、-s オプションで指定することもできます。例を示します。

sdeservice -o create -d SQLSERVER -s Oceans\GIS1 
-p spatial.data -i esri_sde01 -H z:\arcgis\arcsde\sqlexe

注意注意:

パスワード(-p)を与えようとしている ArcSDE 管理者ユーザが SDE であるとします。さらに、サービスを適用するデータベースの名前も SDE であるとします。SQL Server で DBO スキーマを使用するときのように、ArcSDE 管理者ユーザが SDE でない場合は、sdeservice -o register コマンドを使用して DBO ユーザのログイン名に SDE_DBA_USER レジストリ キーを設定する必要があります。データベースの名前が SDE でない場合は、sdeservice -o register コマンドを使用して ADMIN_DATABASE レジストリ キーをデータベースの名前に設定する必要があります。

ArcSDE サービスの削除

delete 操作で、Windows サーバから既存の ArcSDE サービスを削除します。

この例では、PostgreSQL の ArcSDE サービスを削除します。

sdeservice -o delete -i esri_pgs -d POSTGRESQL

サービス情報の表示

リスト オペレーションは、すべての ArcSDE サービス、またはコマンドで指定した ArcSDE サービスのサービス情報を表示します。下に、サービス ミスの情報が示されます。

sdeservice –o list –i miss

SDE service Information
----------------------------------
RDBMS: SQLServer
Name: ArcSde Services(miss)
SDEHOME: C:\ArcGIS\ArcSDE\sqlexe
Datasource: MOOSE
Admin_database: gisdb
Version: 10.0.0
Status: SERVICE_RUNNING

ヒントヒント:

サービス名が esri_sde の場合は、-i オプションを指定する必要はありません。sdeservice -o list と入力するだけです。

Windows レジストリへのキーワードの追加

この例では、Seamounts という名前の ADMIN_DATABASE(システム テーブルを持つデータベース)を登録します。

sdeservice -o register -d SQLSERVER -r ADMIN_DATABASE 
-v Seamounts -i sde2 -p spatial.dat

レジストリ キーワードの変更

modify 操作を使用して、既存の Windows レジストリ キーワードを変更します。この例では、SDEHOME 位置のレジストリの設定を変更します。

sdeservice -o modify -r SDEHOME -p spatial.data 
-v c:\ArcSDE2\ora10gexe -d ORACLE,ORCL

Windows レジストリからのキーワードの削除

unregister 操作は、Windows レジストリから既存のキーワードを削除します。ここでは、最後の例で追加されたレジストリ キーワードの登録を解除します。

sdeservice -o unregister -r ADMIN_DATABASE -d SQLSERVER 
-i sde2 -p spatial.data

9/14/2013