ArcGIS for Server のサイレント インストール
Windows インストーラのコマンド ライン パラメータを使ってセットアップを実行すると、ArcGIS for Server をユーザ インタフェースを使わずにインストールすることができます。
SP1 をインストールしていますか?詳細については、「ArcGIS 10.1 SP1 for Server について」をご参照ください。
要件
- ArcGIS for Server には、Microsoft Core XML Services(MSXML)6 が必要です。詳細については、「システム要件」をご参照ください。
- .NET Extension Support 機能には、Microsoft .NET 3.5 Service Pack 1(SP1)が必要です。Microsoft .NET SP1 が未インストールの場合、.NET Extension Support 機能のインストールは選択できません。詳細については、「システム要件」をご参照ください。
- ArcGIS for Server をインストールするには、すべてのシステム要件を満たしている必要があります。詳細については、「システム要件」をご参照ください。
インストール先を指定するコマンド ライン パラメータ
ArcGIS for Server のサイレント インストールに使用される Windows インストーラのコマンド ライン パラメータは、次のとおりです。これらのコマンドは、ArcGIS for Server のインストール先または Python のインストール先を変更する場合に使用します。
INSTALLDIR=<インストール場所>
このプロパティを使用することで、ArcGIS for Server のインストール先をコマンド ラインで指定できます。このプロパティが設定されていない場合は、デフォルトの C:\Program Files\ArcGIS\Server\ がインストール先となります。
INSTALLDIR1=<Python のインストール場所>
このプロパティを使用することで、Python のインストール先をコマンド ラインで指定できます。このプロパティが設定されていない場合は、デフォルトの C:\Python27 がインストール先となります。
次に例を示します。
<ArcGIS for Server セットアップのダウンロードのパス>\setup.exe /qb INSTALLDIR=C:\NewServerDir INSTALLDIR1=C:\NewPythonDir
コマンド ライン パラメータを使用した ArcGIS Server アカウントの構成
ArcGIS for Server をサイレント インストールした場合は、ArcGIS Server アカウントを構成する必要があります。運用システムの場合は、ドメインまたは Active Directory に既存のアカウントを指定したうえで、組織のセキュリティ ポリシーに従うことを推奨します。サイレント インストール中にコマンド ライン パラメータで ArcGIS Server アカウントを構成しなかった場合、アカウントは ローカル システム アカウントに設定されます。これは、主に ArcGIS Server のインストールが短縮されるためです。
ArcGIS Server アカウントは、ArcGIS Server アカウントの構成ユーティリティを実行した後に変更できます。ユーティリティを使用するには、[スタート] → [ArcGIS] → [ArcGIS 10.1 for Server] → [ArcGIS Server アカウントの構成] の順にクリックします。プロンプトが表示されたら、ArcGIS for Server で使用するアカウントの名前とパスワードを入力します。この情報を構成ファイルに保存して使用することで、他のコンピュータの ArcGIS for Server の構成プロセスを短縮したり、名前やパスワードの入力ミスを減らしたりすることができます。アカウントのパスワードは暗号化されていますが、構成ファイルは必ずセキュリティで保護された場所に保存してください。
ArcGIS Server アカウントの構成には、以下のコマンド ライン パラメータを使用します。
ArcGIS Server アカウント認証の直接的な引き渡し
サイレント(/qb)インストール中に ArcGIS Server アカウントを定義しなかった場合、または認証が無効であった場合は、ArcGIS for Server セットアップのインストール中に警告メッセージが表示されます。このメッセージは、[OK] をクリックすると閉じることができます。この場合、ArcGIS Server アカウントはローカル システムアカウントに設定されます。
USER_NAME=<オペレーティング システム アカウント>
このアカウントは、ドメイン アカウントでもローカル アカウントでもかまいません。ドメイン アカウントを使用する場合は、既存のアカウントから選択する必要があります。ローカル アカウントを使用するときに既存のローカル アカウントがない場合は、自動的に作成されます。無効なアカウントである場合は、アカウントやパスワードが無効であることを示すメッセージ ボックスがインストール中に表示されます。
PASSWORD=<アカウントのパスワード>
[USER_NAME] パラメータに指定したアカウントのパスワードです。無効なパスワードである場合は、アカウントやパスワードが無効であることを示すメッセージ ボックスがインストール中に表示されます。
次に例を示します。
ドメイン アカウントの使用
<ArcGIS for Server セットアップのダウンロードのパス>\setup.exe /qb USER_NAME=mydomain\mydomainaccount PASSWORD=my.password
新しいまたは既存のローカル アカウントの使用
<ArcGIS for Server セットアップのダウンロードのパス>\setup.exe /qb USER_NAME=myaccount PASSWORD=my.password
コマンド ライン パラメータでは、大文字と小文字が区別されます。コマンド ラインでのインストールがうまくいかない場合は、大文字と小文字の使い方が例のプロパティと同じになっていることを確認してください。
サーバ構成ファイルを使用した ArcGIS Server アカウント認証のインポート
サーバ構成ファイルで ArcGIS Server アカウント認証をインポートする場合は、次の 2 つのコマンド ライン パラメータを両方とも使用する必要があります。
ACCOUNT=UseConfigFile
上記に示されたとおりに ACCOUNT コマンド ライン パラメータを使用します。このプロパティで有効な値とみなされるのは、これだけです。
CONFIGPATH=<サーバ構成ファイルの絶対パスと名前>
このプロパティを ACCOUNT=UseConfigFile と一緒に使用すると、ArcGIS Server アカウントの構成に使用するサーバ構成ファイルを指定できます。サーバ構成ファイルは、ArcGIS for Server(以前のインストールまたは別のコンピュータから)をインストールする際にサーバ構成ファイルをエクスポートしたときに作成されます。詳細については、「ArcGIS Server アカウント」をご参照ください。
次に例を示します。
<ArcGIS for Server セットアップのダウンロードのパス>\setup.exe /qb ACCOUNT=UseConfigFile CONFIGPATH=\\networkmachine\serverconfigs\standardaccount.xml
コマンド ライン パラメータでは、大文字と小文字が区別されます。コマンド ラインでのインストールがうまくいかない場合は、大文字と小文字の使い方が例のプロパティと同じになっていることを確認してください。
ArcGIS Server アカウント認証のサーバ構成ファイルへの出力
サーバ構成ファイルをネットワーク共有に出力する場合、ArcGIS for Server がインストールされているコンピュータ上のローカル システム アカウントは、そのネットワーク共有への書き込み権限を持っている必要があります。たとえば、Quick というコンピュータに ArcGIS for Server をインストールしている場合、Quick のローカル システム アカウントは、ネットワーク共有への書き込み権限を持っている必要があります。権限が設定されていない場合、サーバ構成ファイルは正常に出力されません。ネットワーク共有に対する権限の設定方法がわからない場合は、システム管理者に連絡するか、サーバ構成ファイルをローカルに出力してから、それをネットワーク共有にコピーします。
ArcGIS Server アカウント認証をサーバ構成ファイルにエクスポートする場合は、次の 2 つのコマンド ライン パラメータを両方とも使用する必要があります。
EXPORTCONFIG=Yes
このプロパティは、USER_NAME コマンド ライン パラメータと PASSWORD コマンド ライン パラメータで入力したアカウント情報を出力する場合に使用します。このアカウント情報は、サーバ構成ファイルとして、暗号化された XML ファイルに保存されます。デフォルトでは、このプロパティは「No」に設定されています。
CONFIGPATH=<サーバ構成ファイルの絶対パスと名前>
このプロパティを EXPORTCONFIG=Yes と一緒に使用すると、サーバ構成ファイルの名前と保存先を定義できます。ファイル名の拡張子は .xml でなければなりません。また、すでに存在するフォルダを指定する必要があります。ファイルの拡張子が .xml になっておらず、指定したディレクトリが存在しない場合は、サーバ構成ファイルを作成できないことがあります。
次に例を示します。
<ArcGIS for Server セットアップのダウンロードのパス>\setup.exe /qb EXPORTCONFIG=Yes CONFIGPATH=\\networkmachine\serverconfigs\standardaccount.xml
コマンド ライン パラメータでは、大文字と小文字が区別されます。コマンド ラインでのインストールがうまくいかない場合は、大文字と小文字の使い方が例のプロパティと同じになっていることを確認してください。
ArcGIS for Server のサイレント認証
ArcGIS for Server をサイレントに認証するには、次のコマンドを実行します。認証ファイルの実際の場所に合わせてコマンド ラインを編集します。
<システム ディスク ドライブ>\Program files\Common files\ArcGIS\bin\SoftwareAuthorization.exe /S /Ver 10.1 /LIF <*.prvc 認証ファイルのパス>authorizationfile.prvc
ArcGIS for Server のサイレント認証のコマンドを実行する前に、すべてのユーザ情報を *.prvc 認証ファイルで指定しておく必要があります。認証ファイルをテキスト エディタで開き、User Information セクションを完成させます。
ArcGIS for Server のサイレント アンインストール
コマンド ラインから以下のコマンドを実行します。
msiexec /x {CCE5C609-EF54-49F3-A779-3D1BC82D95A4} /qb