GIS の概要

ヘルプ / 基本操作

対話的なものにしても印刷物にしても、マップは GIS で特別な役割を果たします。

GIS (地理情報システム) は、地球およびその他の地理を説明し特徴付けるのに使用されるシステムであり、空間的に参照される情報の視覚化と解析を目的としています。この作業は主にマップを使用して行われます。

GIS の目的は、便利なマップベースの情報プロダクトを作成、共有、および適用して、組織の業務を支援し、サポート的な地理情報を作成および管理することです。

マップは、地理情報の論理的なコレクションをマップ レイヤとして描写します。マップは、地理情報を一連の主題レイヤとしてモデル化および組織化するための効果的なメタファです。さらに、対話的な GIS マップは地理情報を使用するための主要なユーザ インタフェースとなります。

マップを使用した GIS の適用方法

マップは、GIS をどのように使用するかの根幹をなす部分です。

GIS マップは新しいタイプの地図です。各 GIS マップは、単なる静的なマップ プレゼンテーションではありません。 GIS マップでの対話型操作を介して、あらゆる地理情報および記述データはもとより、GIS 専門家が作成した多数の空間解析モデルも参照できます。

GIS マップは、次のような機能を備えています。

  • GIS をやり取りしたり共有したりする方法
  • GIS コンテンツを編集および維持する方法
  • 主題レイヤを使用して地理情報を設計および整理する方法
  • ジオプロセシングにより新しい情報を引き出し、解析結果を視覚化、集計、解析、比較、解釈する方法
  • 地理情報を Web で使用するために共有する方法

GIS では、マップはインタフェースです。

組織内での作業に GIS マップを活用する方法の例を示します。

コミュニケーションと理解のために使用される GIS マップ

マップは、非常に大量の情報を整理してやり取りおよび伝達するために使用されます。 人間が空間について考えるとき、マップを見て現実の現象とマップ上の位置を結びつけ、各マップ表示に含まれている膨大な詳細コンテンツの中から重要な情報を解釈して把握することができます。

マップには膨大な量の情報が含まれます
マップは大量の情報を伝達しますが、情報を効果的かつ明確にやり取りすることができます。 マップを利用することで、理解を深め、洞察を得ることができます。

GIS マップはパターンを見出すのに役立つ

マップは、都市全体の人口指標や、冬季/夏季のアンテロープの棲息地の遷移などのパターン検索と調査に使用されます。 GIS では、複数のフィーチャの情報レポートを比較し、時間の経過とともに現象がどのように変わるか確認するために対話型のオンライン マップが使用されます。

マップを使用したパターンの調査
マップはパターンを視覚的に伝達します。 このマップは、南カリフォルニア地域の年齢別の人口分布を示したものです。 暗い色ほど、高齢者が多い地域になります。 マップ上のフィーチャをクリックすると、選択したブロック グループの年齢分布を表示することができます。 このようにして、豊富な地理および表形式の情報への窓としてマップを使用します。

GIS マップは、マップの背後にある情報の対話的なレポートとなる

これは、大切な点です。 GIS マップには、マップの背後にある情報の対話的なレポートであり、属性のリスト以外にも、グラフ、レポート、写真、およびほぼすべての関連コンテンツ （Web サイトへのリンクなど） が記載されます。 フィーチャのレポート形式、およびマップ フィーチャ経由でのアクセス先の定義は、GIS マップの作成時に設計し取得する重要な仕様の 1 つです。

また、GIS マップ定義の一部として、時間に対応したマップの対話型プロパティを定義および取得することもできます。 例として、GPS トラッキング デバイスを利用した、動物の移動を追うマップを示します。

米国グランド ティートン国立公園南部におけるプロングホーンの夏季の移動の、GPS による追跡
ワイオミング州の Grand Teton National Park 周辺のプロングホーン アンテロープの生息地を示す動的オンライン マップです。 各点は、特定の動物の 10 か月間における日々の移動を示しています。

解析により新しい情報を導くために使用される GIS マップ

GIS マップには、高度な視覚化機能に加えて、強力な解析およびモデリング フレームワークが備わっています。

GIS マップを豊富な解析結果への入り口として使用できます。 自分のGIS マップから解析モデルにアクセスして実行し、その結果を新しいマップ レイヤとして表示することができます。 解析とは、モデルによる計算結果を操作して、評価することです。 これは、前述のようなフィーチャレポートの作成や視覚化、およびアニメーション機能を使用して行います。

マップは出力レイヤを表示できます
犯罪発生率の分布を示すヒート マップです。 濃い赤は犯罪率が高いことを示します。 画像提供 Philadelphia Police Department（http://www.phillypolice.com/）。

マラリア患者の予測
このマップは、アフリカでのマラリアの発生予測を示したものです。 濃い色は、マラリア患者の予測人口密度が高いことを表します。 画像提供 Adaptation Atlas（http://www.adaptationatlas.org/）。

ネットワーク全体で最適な配車ルート
このマップは、3 台の車両が停車場から次の停車場に移動する時間を最適化する 3 つの経路を示しています。 ネットワーク解析を使用して経路を最適化した組織は、一般的に、年間の配送コストを 20 パーセント以上削減しています。

空間解析は、GIS において最も興味深い側面の 1 つです。 空間解析を使用して、GIS ユーザは多くの個別ソースからの情報を組み合わせて使用し、多種多様な高性能の空間演算子を適用して、まったく新しい情報 （結果） を導き出せます。 そうした解析結果を導き出すため、GIS プロフェッショナルはジオプロセシングによって自分のアイデアをプログラミングします。 導き出された解析結果は、その後、さまざまな問題の解決に役立てられます。

情報伝達や状況報告に使用される GIS マップ

Web 上でマップを使用することで、イベントのステータスをやり取りして、チームに最新の情報を提供できます。 GIS 情報は動的で、多くのレイヤは頻繁に更新されます。 動的なマップは、最新情報が反映された共通の画像をすべての人に見せるための効果的な方法です。

郡の課税額査定者のための不動産ステータス マップ
この課税査定局のステータス マップは、最近の家の売上 (緑色)、抵当流れ (赤色)、および評価上訴 (黄色) を示しています。 査定者は、米国の課税基準として使用される資産価値の傾向を追跡できます。

特定のアクティビティ群に対してデータ フィードとステータスを提供する作業用ダッシュボードの利用は、GIS の非常に一般的な応用です。 ダッシュボードの情報レイヤは、特定ユーザとその作業ニーズに向けたもので、作業をより有効かつ迅速に行えるようにします。

問題とステータスのやり取りに使用するマップ
これは、水道施設で使用される作業用ダッシュボードです。 このダッシュボードには、フィールド、オペレーション センター、およびコール センターから届く最新情報が表示されます。

地理情報の追加・統合に使用される GIS マップ

マップを使用して、ジオデータベースで管理、維持されているフィーチャとその他のデータを統合、編集します。 マップの基本的な用途として、自分のデータの GIS への投入口としての利用があります。 最も編集しやすい GIS マップは、マップに追加する特定種類のフィーチャとともに、関連する編集ツールと属性プロパティも提供します。

ArcGIS を使用すると、ユーザはこれらの編集プロパティをレイヤ設計の一部として定義および共有できます。

マップベースの編集

フィールド データの収集
モバイル GIS マップは、現場でのデータ収集や、スマートフォンや他のモバイル デバイスでのステータス レポートの受信と表示によく使用されます。

アイデア、概念、計画、設計などの伝達に使用される GIS マップ

マップは、アイデア、計画をやり取りし、設計の代替案をやり取りするのに役立ちます。 効果的なレイヤ表示は、対話的なフィーチャ レポートと組み合わせることで、さまざまな代替案を視覚化、やり取り、理解するための重要なメカニズムを提供します。

GIS 設計マップ
これらの 2D および 3D マップは、設計時の意志決定の入力情報として使用する、代替設計案や解析を開発および提供するために使用されます。

地理情報をオープンに共有するために使用される GIS マップ

これらのマップの例で示したように、マップは地理的な知識の視覚化に有効かつ効果的です。 優れたマップは、GIS ユーザが地理情報をやり取りし、共有するのに役立ちます。