スケマティックとは?
スケマティックとは、ネットワークの構造を説明すること、またその動作を理解しやすくすることを目的に、ネットワークを単純化して表現したものです。
スケマティックを使うと、あらゆる種類のネットワークを指定した空間内に縮尺の制約なしに表現できます。たとえば、指定する空間を用紙とするなら、そこに多数の情報がフィーチャの配置を最適化して表示されます。スケマティック内では縮尺の制約 (ケーブル長、距離など) は適用されません。
ArcGIS Schematics エクステンション
ArcGIS Schematics は、ArcGIS for Desktop (Advanced、Standard、および Basic) と ArcGIS for Server に対するエクステンションです。
ArcGIS Schematics は、既存のネットワーク データからジオスケマティックおよび純粋なスケマティックのビューを自動的に生成するので、アーキテクチャの構築やネットワーク データ更新の保守にかかる手間を抑えることができます。ArcGIS Schematics を使用すると、時間と費用が節約されるので、十分な投資効果が期待できます。
マルチレベルの表現を手際よく作成する、ネットワークの接続性を簡単にチェックする、任意の線状ネットワークの論理ビューを取得するなど、こういった操作をユーザが行えるようにすることで、ArcGIS Schematics は意思決定プロセスの効率を改善し、それが滞りなく行われるようにします。
Schematics ユーザは、ソーシャル ネットワークや経済ネットワークのような物理または論理ネットワークを管理し、あらゆる種類のネットワークを表示または表現できます。たとえば、電力、交通信号、配送ルート、コンピュータなど、さまざまなネットワークが考えられます。これによってユーザは、ネットワーク データや接続性を示す属性を持つデータからダイアグラムを自動的に生成、視覚化、操作できます。
Schematics のサンプル アプリケーション
Schematics と公共設備
通信、エネルギー、水道、運輸、電気/ガス、石油/パイプライン、水文解析、防衛/情報収集、地方自治体などの分野で、スケマティックは次のように利用されています。
- ネットワーク データをスケマティックに表示する。
- 既存のネットワークを評価して、ネットワークの展開を計画する。
- ネットワークをモデル化して設計する。
- トポロジ リレーションシップ (位相的な関係性) を識別する。
- システムを最適化する方法を見つける。
電気業界での Schematics
電気業界では、Schematics は次の目的で使われます。
- 非空間オブジェクトが混在する GIS フィーチャからダイアグラムを生成し、それによって電気設備の内部接続を明らかにします。
- GIS では通常表示されないような屋内変圧所ダイアグラムを生成します。
水道業界での Schematics
水道業界では、Schematics を使ってさまざまな種類のスケマティック ダイアグラムが構築されます。
- 導水管/配水管ダイアグラム
- ポンプ場
- 地区や国ごとの水道ネットワーク ダイアグラム
- ネットワーク内のバルブ弁制御エレメントを強調するように単純化された水道設備ダイアグラム
Schematics と非伝統的なアプリケーション
ArcGIS Schematics が利用されるその他の分野には次のものがあります。
- 物流管理
- 地方自治体
- 情報収集
- 疫学
- 犯罪学
- 防衛
Schematics によるフローチャートとスケジュールの管理
飛行場や航空会社では、Schematics を使ってフローチャートとスケジュールが管理されます。
- 乗客の流れに応じてフライト ラインを示す総合的なマップを提供するフローチャートを生成する
- 運航乗員や飛行機のフライト順序またはスケジュールのダイアグラムを管理する
Schematics による流通/供給チェーンの追跡と管理
Schematics を流通/供給チェーンの追跡と管理に使用できます。たとえば、供給チェーンを示すため、または流通管理の目的で、施設間の動物の移動を追跡します。
- 牧場 GIS フィーチャから生成されたスケマティック ダイアグラムに、牧場で飼育されている動物に関する 1 週間分のすべての動物の移動を記録できます。
- ダイアグラムで、特定の動物が誕生してから市場に出されるまでを追跡できます。
Schematics による作戦管理
Schematics を作戦管理に使用できます。たとえば、地震、火事、台風などの災害が特定の地域で発生したときの救援資源を管理します。
- 適切な災害ポリゴン GIS フィーチャから開始して、Schematics を使い、災害の影響を受けるすべての地方とそれらの地方で支援が可能なすべてのローカル危機管理局 (または国レベルの関連するすべての危機管理局) を示すダイアグラムを生成します。
- これは、危機管理局ごとに救助道具の入手可能性を示すダイアグラムを生成する目的でも使えます。