USGS は Python を使って水質評価ツールを提供

Curtis V Price は、U.S. Geological Survey Enterprise GIS サポート チームの技術的リーダーで、2011 年の Esri International User Conference で National Water-Quality Assessment (NAWQA) Area-Characterization Toolbox のデモを行いました。このデモは User Software Application Fair の一部として行われたものです。そこで彼と同僚の Naomi Nakagaki は、Desktop GIS Application (デスクトップ GIS アプリケーション) 部門で 1 位になりました。

このデモにおいて、Curtis はツールとツールボックスの作成に Python とジオプロセシング フレームワークを使うことを決定した理由を述べました。

彼のツールボックスは、ArcGIS で NAWQA 標準の GIS 技法を実装したカスタム ツールのコレクションです。これらのジオプロセシング ツールは、帯水層域、流域、およびサンプリングされた井戸を特徴付けるためのもので、Python と ModelBuilder で開発されました。

Curtis は、NAWQA のツールとツールボックスの作成に Python を選んだ理由を複数挙げました。

  • Python では、ジオプロセシング ツールへのアクセスが容易になり、データの聞き取り、データの記述、およびデータの読み書きを行うための単純な関数が利用できます。スクリプト環境の使いやすさは、ArcInfo Workstation の Arc Macro Language (AML) を連想させます。
  • NAWQA ツールボックスのインストールには管理者権限を必要としません。ツールボックスとスクリプトを任意のフォルダにコピーするだけでインストールできます。
  • これらのツールは、他のすべてのジオプロセシング ツールと同じユーザ エクスペリエンスを提供し、他のモデルとスクリプトで使用できます。各ツールでは、そのツールの動作を明記しており、領域を特徴付けるために使われるジオプロセシング ツールと技法を説明しています。
  • これらのツールは、NAWQA 解析を行うだけでなく、NAWQA に使用される標準の GIS 技法を理解するための学習支援ツールとしても利用できるようになっています。これらのツールはスクリプトとモデルなので、ソースを見直したり編集したりすることもできます。
  • Python のモジュールは、類似したツールの間で関数を共有するのに便利です。そのため、コードの重複を避けることができます。
  • Python の大きな組み込みモジュール コレクションが提供する使いやすいライブラリによって、文字列の解析、ファイルの読み書き、重要なデータ構造 (リストやディクショナリ) の操作といった一般的なプログラミング タスクを実行できます。

このツールボックスの詳細およびダウンロードについては、http://pubs.usgs.gov/of/2010/1268/ にアクセスしてください。